前農民連代表常任委員・小林節夫さん
“雨ニモマケズ”を揮毫
期待ふくらむ新事務所を飾る
長野県連
関連/甘くておいしい 家族連れ2百人
長野県農民連の事務所に小林節夫さん(前農民連代表常任委員)の筆による宮沢賢治の“雨ニモマケズ”の額(写真〈写真はありません〉)を飾ることができました。
事務所を長野市街から長野自動車道・更埴インターのある千曲市へ移転。県内ネットワークによる物流の拠点にふさわしい場所を、組合員の好意で借りることができ、期待がふくらみます。
そして、ここはなんといっても農民仲間が出入りするところだけに、農民連らしくお互いの思いの伝わる書画などを飾ろうか、との思いがふくらんでいたところ、ふと思いついたのが宮沢賢治の“雨ニモマケズ”です。
さてだれに揮毫(きごう)を頼もうか、やはりここは土と汗にまみれた手による筆でこそ、この詩にふさわしい味わいのあるものになると考え、節夫さんにお願いしてみることにしました。
私の不意の申し出に小林節夫さんは少々面食らったようでしたが、「それは困ったな」と言いつつ、賢治の人となりや作品への思いに少し触れた後、「長文は書いたことはないが、頼まれたことだ、まあやってみるか」と承諾してくれました。
賢治は、私にとっても思いは深い。農に生きようと輝いていた若き日、“雨ニモマケズ”は私の背を押してくれました。賢治は農民とともに生産向上に苦しみました。時代は飛んで今、農畜産物の自由化、農民切り捨て政策にもがく時代に突入しました。しかし賢治の時代と違うのは、国産農畜産物への国民的要求と共同のうねりがあることです。“ホメラレモセズ、苦ニモサレズ”でよい。もの作りこそ農民。そうでありたい。“雨ニモマケズ”はこんなメッセージを後世の農民に託しているのでは、という気がしてなりません。
後日、「書いたよ」との連絡。そこには三十六行の詩が筆あざやかに書き上げられていました。節夫さんの思いがにじみ出ています。
(長野県産直協 小林吉彦)
新川とうもろこしフェスタ 富山・入善
第三回新川とうもろこしフェスティバル(富山県農民連とCO―OPとやまの共催)が七月二十四日、入善町で開かれ、二百人が参加しました。県連執行委員の徳本義昭さんが、地産地消やBSE問題にふれながらあいさつ。参加者の共感を呼びました。
夏休み最初の日曜日とあって、家族連れ、とくに父親の姿が目立ち、さっそくおとなの背丈よりも高いトウモロコシ畑へ。もぎとったばかりのトウモロコシを、ゆでたり、焼いたりして食べました。
新潟県糸魚川市から、輝大くん(2)と大希くん(6)を連れて参加した加藤香織さんは、実家の父親に「来るなら二十四日に」と言われ、里帰りしたそうです。自宅でもトウモロコシを作っているそうですが、出来が悪いらしく、「こっちのは甘いし、粒がそろっている」と喜んでいました。
生産者の小林定雄さんたち三家族六人は、「三年目にしてまだまだ勉強だよ」と失敗談に花を咲かせながら、「参加者の喜ぶ姿に日ごろの疲れも吹っ飛ぶ。仲間を増やしてフェスタをつないでいきたい」と語っていました。
(長野県産直協 小林吉彦)
(新聞「農民」2005.8.15付)
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