全国から9500人一堂に
大きな感動と確信
「九条の会」の講演会
「たいへん勇気をいただいた講演会でしたね。これからも自信を持って九条とともに生きていきます」―「九条の会」は七月三十日、東京・有明コロシアムで講演会を開催。全国から九千五百人が参加し、大きな感動と確信に満ちあふれました。
昨年六月、九人の文化人・知識人が呼びかけて結成された「九条の会」は、一年余りの間に全国に広がっています。「九条の会」事務局長の小森陽一さん(東大教授)が、「地域・分野別『九条の会』の数は、三千二十六に達しました」と発表すると、会場から大きな拍手がわきおこりました。
この日は、「九条の会」呼びかけ人のうち、三木睦子、鶴見俊輔、小田実、奥平康弘、大江健三郎、井上ひさしの各氏が講演。(澤地久枝さんがビデオで参加)
三木武夫記念館長の三木さんは、焼夷(しょうい)弾のなかを逃げ回った経験を話し、「みんなで戦争を拒否して、平和な日本を」と訴えました。哲学者の鶴見さんは、「私の目標は、平和をめざしてもうろくすること。自分のもうろくを盾に戦争に反対する。もうろくを組織しよう」と笑いに包まれました。作家の小田さんは、「憲法はアジアに対する侵略戦争への反省であり、アジアから信頼されるのは平和憲法があるから」と強調しました。
憲法研究者の奥平さんは、九条改悪の一点にしぼった改憲勢力の動きを批判。作家の大江さんは、アメリカの詩人ゲイリー・シュナイダーから寄せられた「求めるなら助け(変化)はくる。しかし決して君の知らなかった方法で」との言葉を紹介し、「若い人たちにこの詩を送りたい」と述べました。作家の井上さんは、「国や企業に自分の運命を左右されたくない。おれの運命はおれが決めるとがんばれば、奇跡がおこるかもしれない」と述べ、この取り組みへの参加を呼びかけました。
「会」では今後の行動について、(1)「会」を全国に広げる(2)全国的な交流集会を開催する(3)大小無数の学習会を開く(4)九条改憲反対世論を広げる―を提起しています。
(新聞「農民」2005.8.15付)
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