2001年11月
■2001年11月26日(第518号)
- 食の安全と畜産経営守る運動を
- 国内初の狂牛病発生で消費者の肉離れが続き、畜産農家の経営が存亡の危機にあるなか、政府と精力的に交渉をするなど、畜産酪農経営を守るために運動している畜産農民全国協議会(畜全協)が11月13日、第9回総会を東京都内で開きました。
- “仲間が親身になってくれた”
- 「仲間の励ましがあったから営農を再開できる」――。国内で初めて狂牛病が見つかった千葉県白井市の酪農家を、千葉県農民連の小倉毅書記長とともに、11月10日に訪ねました。営農の再開に向けた準備で忙しいなかで、取材に応じてくれた夫妻。16日に新しい牛の搬入が行われ、同日夜から搾乳を始めました。
- WTO閣僚会議 時期ラウンド開催を決定
- 11月9日から14日までカタールの首都ドーハで開かれた世界貿易機関(WTO)閣僚会議は、とりあえず次期多角的貿易交渉(新ラウンド)を立ち上げることを決めました。一応の交渉期限は2005年1月1日までの約3年間。
- “実態踏まえた対策を”
- 農民連と畜全協は11月13日、狂牛病問題で8回目となる農水省交渉を行いました。千葉、茨城、群馬、福島、神奈川、宮城から畜産農民らが参加し、現場の実態を伝え、対策の充実を求めました。
- 深刻な農家への対策を求め
- 長ネギなど3品目の暫定セーフガード期限切れ1日前の11月7日、農民連東海ブロックの代表12人は東海農政局を訪れ、3品目の本発動とタマネギ、トマトなど品目の拡大を求めるとともに、狂牛病発生以来、肉牛の価格暴落、子牛価格の下落で経営難に陥っている農家への補償など5項目を要請しました。東海ブロックとして初めて行ったもの。
- 食と農つなぐ秋の収穫祭/全国各地でおおにぎわい
- あちこちで楽しい交流の輪/盛り上がった対面コーナー/“食の豊かさ実感した”/農村の景色眺めながら
- 狂牛病問題と食の安全性〈下〉
- イギリス発の牛海綿状脳症(BSE)、口蹄疫の欧州への蔓延は、消費者に根深い政府不信を植えつけるとともに、グローバル化した世界食料システムへの批判を高めました。世界貿易システムの維持に貢献しているIPC(国際農業・食糧・貿易政策協議会)は、貿易自由化を一層進める立場から「消費者の信頼を回復しないと、自由貿易体制は危うくなる」という提案をしています。
- 生産・流通こぼれ話/輸入でますます厳しいが「立ち向かう」元気大切
- ●船橋農産物供給センターでは二つのスーパーから地元の野菜を出荷して欲しいと市場を通して要請され、新しい取引が始められた。その市場の卸売のSさんが「船橋産直まつりを見たい」ということで、11月10日、一緒に参加した。
- 子供歌舞伎 初演目登場/いょッ、日本一!
- 「さてその次ぎは江ノ島の……ふだん着慣れし振袖から髷も島田に由比ヶ浜……八幡様の氏子にて鎌倉無宿と肩書きも島に育ってその名せえ、弁天小僧菊之助ェー」と大見得を切る。「いよう、日本一!」と掛け声がかかった瞬間、「いてっ!」と、思わずでた悲鳴に、会場は大爆笑。ますます盛り上がりました。
- 車イスでみかん狩り
- 愛媛県菊間町の私のみかん園で11月11日、障害者らがみかん狩りを行いました。松山市の障害者団体「障害者の自立支援センター」が呼びかけたもので、今年で7回目。
- 直売所を週一回
- 十勝農民連は昨年7月末から十勝勤医協病院の駐車場を借りて、毎週木曜日の午前中、野菜の直売をしています。「診察の帰りに新鮮で安い野菜が買える」と来院者から喜ばれています。たまたま病院にきて直売所を利用された人は、次回から木曜日にあわせて診察を受けようとする人も少なくありません。ですから、農繁期でも一度も欠かさず直売所を開いてきました。
■2001年11月19日(第517号)
- 都心に怒りのムシロ旗
- 「こんな立派なネギ、シイタケがとれる産地を、輸入によってつぶすわけにはいかない」小泉首相のセーフガードつぶしによって暫定期限切れとなった11月8日、全国食健連、農民連は、100人が参加して、農水省前と東京・有楽町マリオン前で抗議行動を行い、農水省と交渉しました。
- 産直通りは人気抜群!
- 「農民連のものは安心して食べられ、新鮮で本当においしい」「日本の農と食の豊かさを実感」――第37回赤旗まつりが11月2日から4日の3日間、東京・夢の島公園で開かれ、20万人が参加。農民連の「産直通り」は連日、人垣ができ大にぎわい。参加者とも交流を深め、食料と健康を守るため農民連が大きな役割を果たしていることを大いにアピールしました。
- 本セーフガード発動すぐ可能/深谷市長に農民集会開催を要請
- 3品目の暫定セーフガードの期限切れの11月8日、全国食健連・農民連の代表40人は本発動と他品目のセーフガード発動を要求し、農水省と交渉。この中で、本発動を妨害しているのが小泉首相だということがはっきりしました。また、期限終了後の11月9日以降、ネギ、生しいたけなど中国からの輸入が急増した場合、本発動もありうること、さらに価格暴落を引き起こすような輸入をしないよう商社に要請していることも明らかになりました。
- 空爆は支援の障害
- 先月29日から今月4日までアフガニスタンへの空爆被害や難民の状況調査にパキスタンを訪れていた緒方靖夫参議院議員を団長とする日本共産党調査団の帰国報告会が8日、衆院議員会館で開かれました。
- 生協・農協幹部も参加
- 富山県食健連と農民連富山県連は、砺波市、JAとなみ野、県球根農協の後援で10月28日、砺波市のJAとなみの農協ホールで「大丈夫かな 食の安全・日本の農業」のシンポジウムを開き、約80人が参加しました。
- 「米つぶし政策」に異議
- 東京の米卸や米集荷団体の労働者がつくる「全労連・全国一般労働組合東京地本・米流通部会」は10月31日、「米政策の抜本見直し」を進める食糧庁に対し、撤回を求める意見を提出しました。
- ふるさとの味に千客万来
- 京都から来た蒲入漁協は初参加。漁師さん、加工担当のお母さんなど総勢五人で、海の幸をトラックに満載して駆けつけました。炭火で焼くイカ焼き、小魚の天ぷらにお客さんが足を止めます。蒲入漁協組合長の滝本さんは「すごい人出とみんな元気なのに驚きました」と、話していました。
- 狂牛病問題と食の安全性〈上〉
- 「狂牛病問題と食の安全性」について、全農の技術主管を務め、『環境保全と地域農業の振興』(筑波書房)などの著書がある小川政則さんに話を聞きました。
- 安い農産物の向こう側/タイの農村はいま
- タイは世界最大の米輸出国ですが、10アールあたりの平均収量はモミで200キロと、日本の3分の1にすぎず、主な米生産国のなかでも最低ランクです。
- “三番瀬”守る運動実った
- 青い空と青い海、そして空にはたくさんの鳥たち、足元にはこれまたたくさんの海の生き物。たくさんの人たちが貝を掘り、子どもたちが自由に遊ぶ…。千葉県の船橋市、市川市にまたがる三番瀬は、「生命のゆりかご」といわれる、東京湾に残った貴重な干潟です。僕は、千葉県農民連の専従として働くかたわら、「三番瀬を守る会・若組」の一員として活動しています。
- 秋晴れのもと盛大に
- 見事な秋晴れの10月27日、茨城県阿見町有機センターと県南食健連共催の第13回産直まつりが同センターで開かれ、1600人の参加者でにぎわいました。
- 団地のベランダに実りの秋
- 私は日野市に住む新婦人の会員で野菜ボックスをとっています。
- “マンガ談義に花”
- マンガ家の倉田新さん、田村久子さん、オダシゲさん、それに新聞「農民」に4コママンガを掲載している野上周さんら、プロ、アマのマンガ家の集まり、日本漫画家会議主催の「01第25回くまんばち展」が、11月5日から11日まで東京新宿の花園画廊で開かれました。
■2001年11月12日(第516号)
- 計画流通米制度の廃止、戦前並の米政策を検討
- 「現行の計画流通制度を廃止し、新たな枠組みを構築する方向で検討する」――石原食糧庁長官は、新食糧法を廃止し、米の生産・流通に関する政府の責任を全面的に放棄する方針を表明しました。10月24日、自民党の農業基本政策小委員会で述べたもの。
- 労組の女性懇談会が待ちに待った収穫
- 全国一般労組の東京地方本部の女性懇談会7人が、10月20日、千葉県山田町の宇井正一さんの畑で、落花生掘り、芋掘り、ごぼう掘りを体験しました。
- 農民・業者・消費者が共同
- 「共同してこの苦境を乗り越えよう」――狂牛病の発生によって被害を被っている農家や食肉関連業者、不安を抱く消費者の共同が各地で生まれています。
- 参戦法糾弾! 引き続き派兵を許さないたたかいを
- 10月29日午後、報復戦争に自衛隊を参戦させる「テロ対策特別措置法」が、参院本会議で採択が強行され、成立した。この暴挙を満身の怒りを込めて糾弾する。
- 小泉純一郎氏の無責任ぶり
- 国会でろくな審議もさせず、ろくな答弁もせずに自国の若者をアメリカの戦争に投入する「自衛隊参戦法」を成立させた小泉純一郎氏とはどういう人物なのか、狂牛病問題で検証しました。
- 中国産ネギは出荷目前
- セーフガード暫定期限まで1カ月と迫った10月9日から12日まで、千葉県八日市場市農業委員会(依知川智会長=農民連八日市場支部長)は、中国農業視察団として収穫・出荷直前のネギなどの蔬菜、稲作の現地視察を行いました。
- ネギ農家が集会
- ネギなど3品目のセーフガード(輸入制限措置)暫定発動の期限切れの11月8日を前に埼玉県妻沼町の農家が10月12日、本格発動をさせようと決起大会を開きました。本格発動への政府の動きが伝わらず、ネギ栽培農家が業を煮やし、打開しようと開いたもの。
- 食を見つめる旅(下)
- 「コメだ! コメ」「スゲーたくさん作ってんなー」――参加者が思わず声をあげたのは、たわわに実った稲が広がる光景。
- 分析センターだより/ニセ新米を判定するキット
- 出来秋が過ぎて、本格的に新米が出回る季節になりました。新鮮なお米の味は舌で味わえばよくわかります。おいしい新米をたくさん食べてください。
- 若者の笑顔あふれた十年先見通して活動しよう
- 「わーっこのサツマイモ大きい! イモ掘りって面しろーい! 今度は植えるところから体験してみたい」――千葉県内の青年が大勢参加し、10月28日に開かれた「収穫感謝祭」ではイモ掘り体験や、バター作り体験、豆腐作り体験など、趣向をこらしたイベントでの初体験に「キャーキャー、ワーワー」と参加者はおおはしゃぎ。活気に満ちた青年の声が、会場となった八街の空に響き渡りました。
- 信州のおばあちゃんと“茶のみ”
- 茅野市で出会ったおばあさんの小尾けさみさんのお嫁さんの恵美子さん(佐久市出身)が、佐久にとても素敵な叔母がいるので紹介したい、と連れて行ってくれました。工藤みねさん、77歳です。
- 読者が作るページ
- 泣くのはシモジモ/夢中で読んだ記事/弁当のCMに疑問
■2001年11月5日(第515号)
- “再開発で街をつぶすな”
- 東京・新宿の蜀江坂公園で10月21日、新婦人新宿柏木班などの「平和バザー」が、町内会の後援で開かれました。同町内の会は数十階のビルが建ち並ぶ西新宿の北に広がる地域。再開発で街が壊されて行くなか新婦人は、20年以上も前から地域との結びつきを強めてきました。さらにお米屋さんや豆腐屋さんと話し合い、茨城県南農民組合と連携しライフエリアを守る取り組みを昨年から開始。
- 許すな 小泉首相のセーフガードつぶし
- 日中二国間のヤミ取引を優先、セーフガード本発動回避へ――長ネギ、シイタケ、畳表の暫定セーフガード発動期限切れを11月8日にひかえ、今、小泉内閣は本発動回避に急転回しています。
- 第十四回大会をめざす仲間作りの大運動をよびかけます
- 全国の仲間のみなさん。政府のデタラメな対応によって引き起こされた狂牛病、米・野菜・果物などの価格暴落、異常気象による被害……農家から悲鳴の声があがっています。
- 狂牛病 政府は責任を認め対策に全力をあげろ
- 「政府は責任を自覚して、万全の対策を」――10月24日の農水省交渉(農民連、全国食健連、国民大運動実行委員会、商サ連)では、狂牛病発生の責任を認めようとしない農水省の答弁に対して、参加者の怒りが爆発しました。農民連がこの問題で農水省と交渉するのは発生以来5回目。
- 頑張れ!“日本農業”
- 「がんばれ! 日本の農業!」を旗印に食の大切さと消費拡大をめざし小売、市場、生産者が手をとりあって10月21日、東京・足立区で開かれた「北足立市場まつり」。約2万人の消費者で賑わいました。農民連・産直協は昨年に引き続き3回目の参加。
- 安い農産物の向こう側/タイの農村はいま
- 11月からはじまる雨期作米の収穫が近づくにつれて、タイ国内の各地で、政府買上げ価格の引上げを要求する農民の運動が激しくなっています。
- “参戦法許すな”熱気みなぎる
- 10月23日、東京・明治公園で開かれた「テロ糾弾! 報復戦争やめろ! 小泉『改革』に異議あり 10・23国民大集会」には、「平和、雇用、命を守ろう」という思いを胸に抱いて、全国から2万5千人が集いました。
- 食を見つめる旅(中)
- 子供たちへの味覚教育 スローフード協会が、伝統的な食品への支援とともに力を入れているのが、味覚教育の活動です。
- 生産・流通こぼれ話/こんなとき“輸入は安全”うたうとは外国まかせは命に関わる問題に
- ●つい最近までは「どうせ食べるなら和牛を」「当店では松阪牛を使ってます」。それが…狂牛病が日本で発生してからは全く狂ってしまった。
- 生産農家守る姿勢に日韓の違いを実感
- 産直協「柑橘部会」の一行、20人は9月13〜15日、韓国・済州島のミカン栽培を視察しました。
- 演劇/いのちをつなぐ電話相談が舞台
- 演劇企画木冬社の「小さな公演」は清水邦夫の一幕物を中心に企画・上演してきました。東京・板橋区大山にあるサイスタジオを拠点に、小さな空間を生かして、これまで「草の駅」や「愛の森」などを上演、新たな可能性を見出してきました。六回目を迎える今回は、清水邦夫の新作「破れた魂に侵入―Life Line」(清水邦夫・松本典子演出)を上演します。
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