演劇いのちをつなぐ電話相談が舞台木冬社「破れた魂に進入」
演劇企画木冬社の「小さな公演」は清水邦夫の一幕物を中心に企画・上演してきました。東京・板橋区大山にあるサイスタジオを拠点に、小さな空間を生かして、これまで「草の駅」や「愛の森」などを上演、新たな可能性を見出してきました。六回目を迎える今回は、清水邦夫の新作「破れた魂に侵入―Life Line」(清水邦夫・松本典子演出)を上演します。 この作品は、清水邦夫があるボランティア団体の存在から刺激を受け、発想したドラマ。東京近郊のいのちにつながる電話相談をめぐる物語です。人と人のつながりが薄れ、ひずんだ心をもてあまし孤独にもがき救いを求める者、それを救済しようとする者たちがさまざまな思いで相手の心をつかもうとする姿から、現代社会に生きる人たちの闇を見つけ出し、かすかな光を照らしだそうというものです。 小さな公演の作品に出演してきた俳優の吉田敬一さんは「今回の舞台は、電話相談室の設定です。普段、ぼくたちは何の気なしに人間づきあいをしていますが、どういうつながりをもっているのか、そのつながりのあいまいさとか、はかなさというもののもつ危険性を描いています。それが愛であったり、憎しみであったりするんです。派手な芝居でなく、室内だけなのでうそがつけない芝居」と語ります。出演はほかに泉谷侑子、新井理恵、川本貴史らの若手陣。 小さな公演という名称の公演は今回で終了。次回からは清水作品にこだわらずに、さまざまな作品を上演する予定です。「これで終わるということではなく、もっと自由にやろうということ」と吉田さん。今回の公演を新たな出発のステップにと自主げいこにも熱が入っていました。 (鈴木太郎)
*11月16日〜25日、東京・板橋区大山・サイスタジオ(東武東上線大山駅北口)。連絡先=木冬社・電話03(5375)5895 (新聞「農民」2001.11.5付)
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[2001年11月]
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