都心に怒りのムシロ旗セーフガード暫定期限切れに抗議
農民連・食健連“本格発動を早く”訴えに消費者も熱い声援「こんな立派なネギ、シイタケがとれる産地を、輸入によってつぶすわけにはいかない」小泉首相のセーフガードつぶしによって暫定期限切れとなった十一月八日、全国食健連、農民連は、百人が参加して、農水省前と東京・有楽町マリオン前で抗議行動を行い、農水省と交渉しました。農水省前では、ムシロ旗が幾本も掲げられるなか、ネギを片手にシュプレヒコール。当日の朝もネギを出荷して駆けつけた、埼玉・上里町の八十一歳になる野本家六さんは「私が人生をかけてやってきた農業をつぶさせない。絶対にセーフガードを勝ち取ろう」と気迫の訴え。 農水省交渉では、「セーフガードつぶしの張本人が小泉首相」であることが浮き彫りになり、「外交的思惑で、農家を犠牲にする首相は許せない」と、埼玉・妻沼町でネギ(80アール)を作る大槻俶(はじめ)さん。千葉・光町の越川隆夫さんは「これから需要期を迎えるのに、やめるとは何事か」と、政府への怒りが渦巻く産地の様子を語っていました。 行動には労働者や女性も多数参加し、この様子は同日のテレビのニュース番組で何度も放映されました。
「国産大好き、ガンバレ」マリオン前署名次つぎと「エッ、このネギもらえるの?」「どこのネギですか?」十一月八日のお昼どき、ショッピング客でにぎわう東京・有楽町マリオン前で、農民連と食健連が長ネギ一トンとシイタケ十キロを無料で配付して宣伝行動を行いました。報道陣やテレビカメラでごった返すなかで、セーフガードの本格発動を求める署名を集めながら、長ネギとシイタケを配りました。道行く人は突然現れた長ネギの山にびっくり。 署名も、一時間たらずで三百筆近くが集まり、署名板が足りないほど。遠くから近寄って署名し「本当に農業を守ることって大切ですよね。がんばってください」と励まされる場面もたびたびでした。 近くにいる人に「いま長ネギなどの輸入が制限されていることを知っていますか?」「野菜を買うとき、何にこだわっていますか?」とたずねてまわると、「安心、安全」「食べ物は国産を選ぶ」「高くても国産を買う」という声がびっくりするほど多く、「食料は国産がよい」と八三・四%の人が答えた総務庁の調査結果を肌で実感。「値段が高くなっても、輸入制限して日本の農業を守ったほうがよい」と答えた人も多く、セーフガード発動を支持する声は消費者の世論でもあることを強く示しました。
道行く人に聞きました▼輸入の制限は知っている。無農薬や品質で選んでいる。輸入物は安いのはいいが、どこまで安全かわからないし、安ければどこのものでもいいとは思わない。(20代女性)▼高くても国産を買っている。国産は味が違うし、栄養の量もまったく違うと聞いている。せっかく野菜をたくさん食べても栄養にならないのでは健康が守れないし、病院代を考えたら安い。(50代女性) ▼母が農家で「(政府が)こんなことやってたら農業がダメになってしまう。日本の農業を守らないと」と日頃から話している。国内で作れるだけ作るべき。消費者も賢くなってみかけにだまされないようにしたい。(40代女性) ▼日本の農業にがんばってほしい。私も協力したいと思って署名した。(60代男性) ▼独り暮らしで、とにかく安い方がいい。質より量。(輸入で農家が苦しんでいることを話すと)それはまったく知らなかった。(20代女性) ▼セーフガードの期限が切れることは知っている。仕事が栄養士で、国産にこだわるのは当然。栄養も安全性も違う。(50代女性) ▼消費者は安い方にいくけど、日本の生産者はもっと自分たちの作ったものに自信をもって、どんどん宣伝してほしい。(40代男性) ▼安全かどうかが選ぶ基準。輸入は鮮度が落ちるし、国産にこだわっている。(50代と20代の母娘) ▼国産が安心。高くても安心な方がいい。セーフガードや国内農業の大変さは知らなかったが、安けりゃいい、日本の農業がつぶれてもいいとは思わない。(20代女性) ▼電気部品屋を経営。親会社が中国に工場をたてて注文が減り、中国には恨みをもっている。経営者仲間も皆人を雇えないと言っている。国産しか買わない。(60代男性)
(新聞「農民」2001.11.19付)
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[2001年11月]
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