本セーフガード発動すぐ可能小泉首相が妨害
農水省交渉で浮き彫りに三品目の暫定セーフガードの期限切れの十一月八日、全国食健連・農民連の代表四十人は本発動と他品目のセーフガード発動を要求し、農水省と交渉。この中で、本発動を妨害しているのが小泉首相だということがはっきりしました。また、期限終了後の十一月九日以降、ネギ、生しいたけなど中国からの輸入が急増した場合、本発動もありうること、さらに価格暴落を引き起こすような輸入をしないよう商社に要請していることも明らかになりました。参加者から「暫定セーフガード期限が切れた後、どうするのか。納得できるように説明してほしい」という要求に対して、農水省の担当者は「本発動できないのはまことに残念。しかし、行政の最高責任者(小泉首相)の命令には従わざるをえない。この事態について簡単に説明したい」と次のような経過を語りました。 「十月二十一日、小泉首相と中国の江沢民国家主席が『セーフガード問題を話し合いで解決する』ことで合意し、十月二十五日、福田官房長官が農水、財務、経済産業、外務の四大臣を呼んで、中国との話し合いで解決することを決めた」と述べました。 決めたことは(1)三品目について中国側と継続的に話し合いをしていく、(2)中国との協議中に輸入が急増した場合、機動的に本発動する、(3)中国との話し合いの目安は十二月二十一日までとする、というもの。 また、十月三十一日に公表した「セーフガード政府調査結果は本発動の要件を満たしているか」との問いには「それに近い状況だ」と答弁。小泉首相の妨害がなければ本発動できることが浮き彫りになり、参加者は怒り心頭。 埼玉の農民は「これからネギの出荷が本番だ。中国から輸入されたら、汗水流して作ったネギがまたまた安くなり、農家がつぶされてしまう。本発動をするように努力してほしい」など、現場の農家の実態を知るよう要望しました。 「輸入の急増の判断はだれがするのか」という質問に対して、担当者は「三大臣(農水、経済産業、財務)が一致したとき」と答えました。また、輸入を急増させないよう、経済産業省が日本貿易振興会に加入している商社に要請し、その他の商社には農水省から要請していることも明らかになりました。
“マスコミも注目”テレビ各局が集会の模様を報道十一月八日の食健連、農民連の行動は、NHKをはじめ、日本テレビ、TBS、テレビ朝日が、昼〜夜のニュース番組で報道。農民連がこれほどマスコミに登場したのは、WTO協定受け入れ反対の運動以来。日本農業を守る大きな役割を果たしている農民連・食健連の姿がお茶の間に流されました。
深谷市長に農民集会開催を要請埼玉県農民連埼玉農民連は「セーフガードの本発動を求める一〇〇〇人規模の農民決起集会を計画して」と十月三十日、深谷市輸入農産物対策協議会の会長である新井家光深谷市長あてに申し入れ、深谷市農業振興部の石田文雄次長が応対しました。申し入れに対し、石田次長は「暫定セーフガードで中国からのネギ輸入が制限され、価格が持ち直し、ネギ栽培農家もやる気を出してきた。暫定で打ち切られたら、深谷ネギは危機的な状況になる。対策協議会会長である市長にも伝え協議したい」と答えました。 埼玉では十月十二日、妻沼町で二百五十人のネギ栽培農家が「セーフガードの本発動を求める農民決起大会」を開きました。 (埼玉県連 松本慎一)
(新聞「農民」2001.11.19付)
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[2001年11月]
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