「農民」記事データベース20011105-515-03

第十四回大会をめざす

仲間作りの大運動をよびかけます

農民運動全国連合会常任委員会


今こそ農業を根こそぎ破壊する政治をはね返す力を作ろう

 全国の仲間のみなさん。

 政府のデタラメな対応によって引き起こされた狂牛病、米・野菜・果物などの価格暴落、異常気象による被害……農家から悲鳴の声があがっています。

 農民連は、農家の切実な叫びにこたえて、狂牛病に対する消費者の不安を一掃する万全な対策と損害の補償、ミニマム・アクセス米輸入の削減・廃止、セーフガードの発動や農産物の価格保障の復活を要求し、全力をあげてきました。

 しかし小泉内閣は、狂牛病発生の責任を認めず、農家や中小業者が受けた損害に対しても、まともに補てんしようとしていません。

 また、十一月八日で期限が切れるネギ・シイタケ・畳表の「暫定セーフガード」の本格発動を回避するばかりか、玉ネギなど他の品目に対するセーフガード発動については知らぬ顔を決めこんでいます。ネギもシイタケもこれからが需要期であり、今後四年間にわたって輸入を制限できる本格発動こそがみんなの願いです。

 政府の約束では、十月下旬には本格発動をするはずでした。しかし、小泉首相は、WTO協定違反の中国の「報復」と財界の圧力に屈し、中国との交渉(ヤミ取引)に賭けてセーフガードの本発動を葬り去ろうとしています。

 仲間のみなさん

 WTO協定によって米を自由化し、百万ヘクタールをこえる減反を押しつけ、歯止めのない米価暴落を引き起こしてきた自民党農政が破綻したことを、彼ら自身が認めています。まともな政治であれば、反省して農政を転換させるのが当たり前です。

 しかし小泉内閣は、十一月中にも兼業農家を米生産から追い出し、中小の米卸・小売をつぶして米流通を大企業の支配に完全に組み入れる「米政策」を打ち出す方針です。

 日本農業を支えているのは兼業農家であり、兼業農家なくして地域社会は成り立ちません。大企業のもうけのために「構造改革」の名で九割を占める兼業農家を切り捨て、やがて大規模経営の経営も成り立たなくして農業を壊滅させる――こんな暴挙は絶対に許すことはできません。

 仲間のみなさん

 いま、東京都内では農民連の仲間が作った米が、卸を通して約七百店の米屋さんで販売されています。東京に続いて、大阪でも拠点になる米卸との合意ができました。

 「ものを作ってこそ農民」を合言葉に、農業と農村を守るための共同や、広範な消費者との産直、卸や小売と提携したライフエリアを守る運動を広げてきた成果が着実に実っています。

 仲間のみなさん

 自民党政治が日本農業を根底から破壊しようとしているいま、国民と連帯して農業を再生させる展望をもって頑張っている組織は農民連しかありません。

 いまこそ「農業切り捨てをはね返して一緒に米を作ろう」「政府の責任で損失を補てんさせ、牛を飼い続けよう」「農民連と一緒に農業を守ろう」と、つながりのあるあらゆる農家、日本のすべての農家に働きかけることが本当に大切になっているのではないでしょうか。

 “テロ”口実の自衛隊派遣は許されない

 九月十一日にアメリカで同時多発テロが引き起こされました。テロは絶対に許されません。重大なのは、テロを口実に、小泉内閣が憲法を踏みにじって自衛隊を報復戦争に派遣する「参戦法」を強行したことです。二度と戦争をしない憲法をもった日本が、戦争に参加する――いま、まさに二十一世紀の国のあり方の根本が脅かされる事態です。

 法律は強行されたものの、自衛隊を派遣させないたたかいはこれからが正念場です。自然に働きかけて農作物を作り育てる農業は平和の産業であり、平和でこそ農業は発展します。農村から「自衛隊を派遣するな」の声を大きく広げようではありませんか。

 全国が心一つに、仲間作り運動に参加を

 農民連は、来年一月十五日から十七日まで第十四回定期大会を開きます。十月二十三日に開催した「農民連全国委員会」は、大会にむけて、生産を広げ、農家の経営を守る運動に全力をあげ、新聞「農民」と会員を農民連に迎え入れる「仲間作り大運動」を全国で展開することを決めました。

 いまほど一緒に頑張って農業を守る仲間を作り、悪政をはね返す力を強くすることが求められているときはありません。集まって学習し、生産や産直、税金など、みんなの要求を実現する運動を話し合い、「あの人に新聞『農民』を勧めよう」「この人に入会してもらおう」と対象者をあげ、みんなで働きかけましょう。

 全国の仲間が心を一つに農作業の合間の少しの時間を「仲間作り大運動」に割いてくださるよう訴えます。

(新聞「農民」2001.11.5付)
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2001年11月

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