「農民」記事データベース20011112-516-05

検 証

小泉純一郎氏の無責任ぶり


 国会でろくな審議もさせず、ろくな答弁もせずに自国の若者をアメリカの戦争に投入する「自衛隊参戦法」を成立させた小泉純一郎氏とはどういう人物なのか、狂牛病問題で検証しました。

 この人は、第二次橋本内閣の厚生大臣当時(九六年十一月〜九十八年七月)、国会で質問に答えて「遺伝子組み換え食品とは品種改良にちょっと技術を加えたようなもの」「サバを食べてもジンマシンが出る人と出ない人がいるようなもの」と発言、質問者から「誤解されては大変」と抗議されました(九七年五月六日、衆院厚生委)。「ダイオキシンはサンマの塩焼きや焼き鳥の煙からも出る。全部規制するといってもよくわからない」(九八年三月二十六日、衆院予算委)という程度の認識だったのです。

 九六年三月、薬害エイズやO-157問題で国民の批判にさらされた厚生省は、イギリスで狂牛病がヒトに感染することが認められたため、イギリスからの牛肉・加工品の輸入を自粛指導したり、ヤコブ病への対策・調査を始めました。

 ところが小泉氏が厚生大臣に就任してから、狂牛病対策は次第に遠のいて「牛が危険だというと狂牛病にかかってもいない牛まで食べなくなっちゃう。余計な不安をかき立てないような対策も大事だ」と、騒がないのが最大の狂牛病対策だと言わんばかりの答弁をしました(九八年三月十二日、参院国民福祉委)。

 そして、小泉内閣発足後の今年六月、日本での汚染の可能性を指摘したEU報告を、日本政府は拒否し、葬り去ることまでしたのです。狂牛病汚染牛が発見され、国民に衝撃が走っている十月二日の「牛肉を大いに食べる会」に参加した武部農水相、坂口厚生労働相らが、カメラの前で牛肉をぱくつくパフォーマンスを演じたとき、参加するはずだった小泉首相はドタキャン(土壇場でキャンセルすること)。

 この人物は物事を勉強もせずに口先でかわし、狂牛病汚染の警告をつぶした責任感もなく、国民の命を危険にさらす参戦法には血道をあげても、自分だけは危ないところに近寄らない「口先男」「無責任男」が特質のようです。

(新聞「農民」2001.11.12付)
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2001年11月

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