2001年10月
■2001年10月29日(第514号)
- 食を見つめる旅(上)
- ファーストフードの象徴「マクドナルド」が首都ローマに出店。その反対運動を契機に1989年、パリで結成を宣言し、イタリア北部にある町ブラで活動を開始した「スローフード協会」は、イタリア国内を中心に世界50カ国、6万5千の会員と550の支部を有しています。スローフード協会があるイタリアを訪ね、その活動とイタリアの食文化を体験し、日本での食と農を守る運動に生かそう――そんな思いで9月28日からの6日間、千葉県多古町旬の味産直センターが主催した「スローフードを訪ねる旅」に参加してきました。
- 安全対策、所得補償など万全に/狂牛病問題 国の責任は重大
- 「ついに来たか」――。国民を震撼させた国内初の狂牛病発生。牛肉消費の落ち込みは、市場価格の暴落にはね返り、日本畜産存亡の危機ともいわれています。
- 安全対策、所得補償など万全に/今これをやることが必要
- 農民連は、狂牛病の感染牛が国内に一頭もいないといえる状況になるまで、と畜場での全頭検査の充実と肉骨粉の全面禁止の継続を求めます。
- 安全対策、所得補償など万全に/牛飼いの一人として全力でとりくむ
- 狂牛病の対策を一歩間違えると、日本の畜産は取り返しがつかなくなる。安全な食品を望んでいる消費者の方々、農業に誇りを持ってがんばっているすべての農家とともに全力でとりくんでいく。
- 安全対策、所得補償など万全に/発生後の動き
- 9月10日 狂牛病の疑似患畜が発見される
- 安全対策、所得補償など万全に/狂牛病がなぜ日本で
- 「狂牛病が、なぜ日本でも発生したのか」――。それは、第一に日本政府が防疫対策を怠ってきたため、第二にイギリスが危険性を知りながら肉骨粉を大量に輸出したため。日本の畜産農家は、まったくの被害者であり、何の責任もありません。
- 安全対策、所得補償など万全に/輸入牛肉なら安全?
- 日本初の狂牛病発生にたいし外食産業は、国産牛肉を使わないから安全だと開き直っています。「米国輸出肉連合会」が、全国紙に「米国では狂牛病は発生してないので安心してお召し上がりください」と全面広告を掲載しました。
- 安全対策、所得補償など万全に/狂牛病(牛海綿状脳症=BSE)Q&A
- Q 牛乳や肉は安全?
- “農”のすべて満喫
- 大阪新婦人中央支部が、9月22日から24日の2泊3日、「福島県縦走・秋のふくしま いいとこどりツアー」に訪れました。子供2人を含め、11人が参加し、旬の特産物を満喫。まさに「五感全開、胃袋フル活動」の3日間でした。
- 小学生の稲作り/“おでってくなんせ産直まつり”
- 長野県上伊那郡南箕輪村の、南箕輪小学校五年生がこのほど、上伊那農民組合の援助で初めて栽培に取り組んだ古代米『白毛もち』の刈り取りを行ない、はざ掛けまでを体験しました。
- 12人の“農業体験”受け入れて
- 福島市の酪農家・佐々木智子さんは、この8月、9月に中学生と高校生12人を農業体験で受け入れました。その体験記が寄せられましたので、紹介します。
■2001年10月22日(第513号)
- 「ニガウリはふるさとの味」「おいしいの一言が何よりの喜び」
- 「こんにちは!はじめまして。今日、愛らしいニガウリを見つけました。田舎で子供のころ、畑からもいできて甘辛く煮たニガウリをよく食べたものです。懐かしくて祖母や母が台所で働く姿を思い出しました。とてもおいしかったです。ありがとうございました」(愛媛出身の女性から)
- 自衛隊派兵 許すな/「自衛隊派兵反対共同センター」発足
- 米英軍がアフガニスタンへの軍事攻撃を開始し、戦争拡大の新たな危険な情勢の中で、小泉・自公保内閣は、自衛隊が米軍に協力できる報復戦争参加法(テロ対策特別措置法)を、これまでの国会審議のやり方を無視して強行。武器・弾薬の輸送をはじめ、米軍の武力行使への全面的な支援行動をどこでも行えるようにしようとしています。歴代内閣が「憲法上許されない」と言ってきた集団的自衛権の行使に踏み込み、憲法9条を蹂躙する同法は、テロ根絶に役立たないばかりか、21世紀の日本の運命にもかかわる重大な問題です。
- 米政策の改悪検討(1/2)/(2/2)
- 農水省は「食糧法による“政策装置”の破綻が進行しつつある実情を自ら認め」(「商経アドバイス」9月13日)、「新食糧法以来の大改革」(同省幹部)の検討を進めています。
- 中国・黒竜江省の米作り/現地視察ツアーに参加して(下)
- 横山 農業技術が中国の農民や国土に根づいたものになっていないのは、商社が自分たちの目先の利益のためにやっているだけであって、中国の国民や中国のためにやっているわけではないからでしょう。ねらいは低賃金だけ。中国の農民と日本の農民、日本の消費者が一番被害にあっているというのが実感でした。
- 本格発動と品目の拡大を 第3弾
- 私の住む八代市は、日本で有数なトマト栽培産地です。私はトマト30アール、米1ヘクタールを作り、トマトが農業収入の九割を占めている専業農家です。トマトは40年以上も作っていますが、東京・太田市場に全量を買い取ってもらっています。多くのトマト栽培農家は農協や商人を通して出荷しています。
- 安い農産物の向こう側/タイの農村はいま
- 内陸水田地帯におけるエビ養殖解禁の是非は、ついに国王陛下の登場となりました。CPグループ会長元秘書であるピタック副首相が、日本向け輸出拡大による外貨獲得のために内陸部のブラックタイガー・エビ養殖解禁を提案したのが7月下旬。塩害による土壌・水質汚染に反対する稲作農民や研究者・市民組織などの批判によって、政府は科学技術環境省の環境保全委員会による調査結果待ちの状態になっていました。
- 営農組合作り奮戦記
- 高齢化と後継者難で農村の山間地はどこでも大変な状況になっていますが、私の住む新潟県笹神村の須走(すばしり)集落では、上須走営農組合を立ち上げ、トラクター、コンバインを共同で利用したり、畦塗りや大豆栽培の受託作業も行い、地域や集落を守る取り組みとして注目されています。
- イモ掘り
- 兵庫・加美町農業を守る会は、9月16日、新婦人灘支部の会員さんや子どもたち、41人を迎えて、サツマイモ掘り交流会を行いました。
- 「市民バイオテクノロジー情報室」
- 遺伝子組み換え食品反対の運動のなかから、市民のためのバイオテクノロジーの情報センター「市民バイオテクノロジー情報室」(代表天笠啓祐さん)が発足しました。
- 演劇/「手袋のコメディー・他」
- 人形劇団プークが、東京・新宿南口のプーク人形劇団誕生30周年を迎え、その記念公演をおこなっています。この秋に上演される、おとなの人形劇もそのひとつ。人形劇の楽しさをおとなにもわかってもらおうと取り組み、今年7年目になります。今回は「手ぶくろのコメディー」と「約束…」の2本立てです。
■2001年10月15日(第512号)
- アメリカ報復戦争開始
- アメリカは10月8日未明、アフガニスタン各地に対し、巡行ミサイル・トマホークや爆撃機・戦闘機による軍事攻撃を開始しました。「テロ根絶は国連憲章と国際法にもとづく裁きによってこそ」「軍事報復は新たな報復を生むだけ」という国際世論を押し切っての報復戦争開始です。
- 全国町村会を訪問・懇談
- 農民連の佐々木健三会長と在京の役員は9月28日、今年7月に「21世紀の日本にとって、農山村が、なぜ大切なのか―揺るぎない国民的合意にむけて」と題する提言を出した全国町村会(会長=山本文男・福岡県添田町長)を訪ねて懇談しました。
- 本格発動と品目の拡大を 第2弾
- 昨年以降、タマネギ生産者は深刻な事態です。私は9ヘクタールのタマネギ畑と連作障害をくいとめるために、小麦を作付けていますが、今年の価格のメドがつかず、収穫作業に追われながらも悪戦奮闘の毎日です。
- 麦価
- 農水省は10月3日、2001年、2002年産政府買い入れ麦価を60キログラム8693円(小麦II類1等)とし、131円(1.48%)引き下げることを決定。25年前の水準に下げられることになります。
- 「グリーンウエーブ」全国で
- 全国食健連2001年度全国代表者・活動者会議が9月29日、30日、東京で開かれ、16団体、21都道府県から66人が参加しました。会議では、秋のグリーンウエーブ「食と農業、地域経済を守る全国一斉共同行動」を成功させるとともに、10月23日の「国民大集会」、24日の政府交渉、11月に開催されるWTO閣僚会議にむけて世界の仲間と連帯・交流するためにローマ・カタールに食健連の代表3人を派遣すること、12月5日グリーンウエーブ集約行動や中央収穫祭の開催などを確認、秋から来年にかけての運動を大きく盛り上げようと意思統一しました。
- 中国・黒竜江省の米作り/現地視察ツアーに参加して(中)
- 真嶋 黒龍江省で日本の稲の作付が増えている、その実態を見ることも視察の大きな目的だったんですが、この点については……。
- “農家の人は、えらいです”
- 茨城県つくば市の私立茗渓学園高校の1年生たちが9月27日、一日農業体験をしました。そのうち今回で4年目になる県南農民組合阿見町有機センターを訪れた生徒たちに密着取材しました。
- 脊椎からみたからだのこと
- 今回は施術院に来院される患者さんで肩こりと同様に多い悩み「腰痛」についてのお話です。
- 映画「郡上一揆」の里に多くの訪問者
- 江戸時代に過酷な圧制に反対して立ち上がった農民群像を描いた「郡上一揆」の映画は、今年一月から劇場公開された後、いま全国各地で自主上映されています。
■2001年10月8日(第511号)
- 中国・黒竜江省の米作り/現地視察ツアーに参加して(上)
- 猛烈な「開田ブーム」が続き、「きらら」「コシヒカリ」など日本品種が作付されている中国・黒龍江省。「この目で黒龍江省の稲作を見たい」――。農民連有志が9月2日から6日まで中国を訪問。実際に稲を作り、あるいは米販売にたずさわってきた者の目で、黒龍江省・鶴岡市の国有農場「新華農場」の稲作と米を見てまわりました。
- 万全の被害補償策を
- 「最大の被害者は農民だ」――食健連と農民連、畜全協は9月21日、狂牛病で被害を受けた農民の生活保障、営農の再建に万全の支援策をとることを求めて農水省と交渉しました。
- 本格発動と品目の拡大を
- 「長ネギ、生シイタケ、畳表(イ草)の3品目を本格発動し、さらに品目の拡大を」――3品目の暫定セーフガード期間終了の11月8日を前に、関係農民は切実に求めています。
- 分析センターだより/腐るが速いか分析が速いか
- お米、柑橘、サツマイモ、トマト、キュウリ…。
- 知らない間に食卓に
- 遺伝子組み換え食品の表示義務化が、今年4月から豆腐、納豆などごく一部の食品について始まりましたが、現在の流通制度と表示実態には大きな問題があることが、大手メーカーへのアンケート調査とスーパー等での実態調査で明らかになりました。
- “アメリカでも起りうる”
- 「狂牛病はアメリカでも起こりうるし、起こっているのに政府が知らないだけかもしれない」「狂牛病を考えるつどい」(主催・「食の安全と環境を考えるネットワーク」)が、9月21日、東京・千代田区で開かれ、97年に『狂牛病はアメリカでも起こりうるか』を出版したフリージャーナリストのシェルドン・ランプトン氏が講演しました。
- 生産者が楽しく作って販売
- 福井県農民連の初めての直売所が誕生――武生市の「たけふ産直センターあぐり」(責任者・関本新右衛門さん)です。8月5日から開店しました。月2回の休み以外は、毎日直売所を開き、旬の野菜をはじめ漬物や放し飼いの自然卵、花、手作りのパンなど地域の安全、新鮮な農畜産物を販売しています。お彼岸の9月22日には、菊が5本200円と安く、新鮮なのであっという間に売り切れ、追加したほどです。
- おいしい枝豆で交流
- 「こんなにおいしい枝豆を食べたのは初めて」――埼玉農民連春日部支部は9月24日、快晴のもと枝豆祭りを春日部市で開きました。会場は農民連会員の高橋晃さんの庭。大豆畑トラストの会員をはじめ赤ちゃんや子ども連れの親子など60人が参加し、農業と食を守ろうという生産者と消費者の交流の場となり、大いに盛り上がりました。
■2001年10月1日(第510号)
- 非同盟運動 国際シンポ開く
- 民族主権の尊重、平和、飢餓・貧困の解消をめざして――非同盟運動の40周年を記念する国際シンポジウムが、9月15〜16日、東京・早稲田大学国際会議場で開かれました。
- アメリカでの同時多発テロの蛮行を断固糾弾するとともに、軍事報復ではなく国連憲章や国際法にもとづいた理性的な解決を求める
- 農民連は9月20日、アメリカで発生した同時多発テロを糾弾するとともに、その理性的な解決を求めるアピールを発表。同時に、小泉首相とアメリカのブッシュ大統領に対して要請書を送りました。
- 国際シンポジウムでの発言/非同盟運動と食糧・農業問題
- 私は日本の農民運動組織を代表して、このシンポジウムが「民族主権の尊重、平和」とともに「飢餓・貧困の解消」を重要なテーマの一つとして開かれていることを心から歓迎します。
- 本当の平和非同盟でこそ
- 非同盟国際シンポジウムには、埼玉県で「平和のための戦争展」に取り組んでいる高校生をはじめ、日本AALAユースネットの学生も大勢参加しました。AALAユースネットの学生たちは、日本と同じように米軍基地被害に苦しむプエルトリコへのスタディーツアーに参加した体験やその時感じたことを発言。シンポジウムの運営もボランティアで支えました。
- 「初めての挑戦、実った!」
- 今年、29道県に広がった「スーパースイートきぼう」のリレー出荷。「初めてトウモロコシを作った」という山形・庄内農民センターの佐藤光雄さんから届いた「泣き笑い記」を紹介します。
- 農業不況と自殺(下)
- 秋田県の自殺統計をみると40代、50代の働き盛りの男性が多い。秋田大学(法医学)の85年〜95年の統計で40〜64歳の自殺は、借金苦が23%を占めている。また、冬が終わりようやく気候の良くなる3月から5月の春季が多いという。
- 安い農産物の向こう側/タイの農村はいま
- 日本向けのエビとブロイラーで高度成長をとげ、東南アジア最大のアグリビジネスとなったCP(チャラーン・ポークパン)グループの歴史をたどってみましょう。
- 生産・流通こぼれ話/「大きいこと」に思わぬ落とし穴イキイキと商売成り立つ世の中に
- ●小学校のクラス会を今年もおこなった。もう51年も続いている。「ひとりの話をみんなが聞く。みんなが一言ずつ話をする」、そんなことで結構長く楽しく続いている。
- 読者が作るページ
- 青刈り聞いて怒り心頭に/野菜を大いに食べましょう/旬の野菜について思うこと/田んぼが消えて楽しみ奪われた/国籍不明や外国産に違和感/知識を得る価値ある新聞/全国研究・交流集会に参加して
- 文芸/雨乞い
- 地球灼熱化とまと真っ赤に熟れ
- 小ばなし風おもしろ体験
- 「今までに体験したことを小話風にまとめてみました。絵心があればもっと楽しいと思いますが…」という注釈をつけて送ってきたのは、愛媛県菊間町農民組合員の大道法幸さん。その小話を紹介します。
|