「農民」記事データベース20011022-513-06

暫定セーフガード終了目前

本格発動と品目の拡大を 第3弾

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トマト

八割が不採算 早急に対策を

熊本

 私の住む八代市は、日本で有数なトマト栽培産地です。私はトマト三十アール、米一ヘクタールを作り、トマトが農業収入の九割を占めている専業農家です。トマトは四十年以上も作っていますが、東京・太田市場に全量を買い取ってもらっています。多くのトマト栽培農家は農協や商人を通して出荷しています。

 トマト栽培の面積は二十アールあればなんとか生活ができました。ところが、五〜六年前から農協に出荷しているトマト栽培農家は、農水省の政策によって面積を広くし、大量に作って出荷するようになりました。値がいい早だしをしようと無理して早めに定植するために青枯れ菌にやられ、大きな被害を受けています。

 一箱(四キロ)千五百円の手取りがなければ採算は合いませんが、いま千円前後です。このため八割の農家は採算が合いません。二割の農家が運良く当たり、利益がでるという状況です。不良債権処理の対象になっている人もいます。これが有数なトマト産地の実態です。

 これ以上、韓国や中国からトマトが入ってきたら、八代市のトマト農家は決定的な打撃を受けます。「イ草農家も苦しいが、トマト農家もやられる」と言われています。トマト農家はいま余裕がありません。セーフガードの発動など早急な対策が求められています。

(新聞「農民」2001.10.22付)
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2001年10月

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