「農民」記事データベース20011001-510-11

小ばなし風おもしろ体験

「今までに体験したことを小話風にまとめてみました。絵心があればもっと楽しいと思いますが…」という注釈をつけて送ってきたのは、愛媛県菊間町農民組合員の大道法幸さん。その小話を紹介します。(カットは編集部の冨沢清〈カットはありません〉


 鳩が文字を読める?

 大阪へ行ったときの出来事。駅前の歩道橋の上で、これから訪ねるお店の場所を確認しようと思い、手帳を開いて見ていました。そうしたら何を思ったのか、近くを飛んでいた一羽の鳩が手摺りに止まり、手帳をのぞきこみました。

 それを見て近くにいた十羽ほどの鳩も次々と手摺りや肩に止まり、同じように手帳をのぞきこんだのです。

 エサでもあると思ったのでしょうか? それとも文字が読めるのかな?

 カラスとのやりとり

 子どもの頃、両親によくみかん山に連れて行かれました。よく晴れた昼下がり、群れをなして飛んでいたカラスが頭上にさしかかったときのことです。

 何を思ったのか、弟がカラスに向かって「カラスのバカ」と叫んだのです。すると一羽のカラスがUターンして、頭上を旋回しながら「アホウ、アホウ」と言いはじめました。弟も負けずに「カラスのバカ、大バカ」と叫び続けたのです。

 どのくらいの時間やりあっていたのでしょうか、そのうちカラスの方が無視して仲間の群れに帰っていきました。

 魚が人間を見物!

 ある日、広島へ用事のため出かけました。郊外のあまり流行っていない水族館へ見物に行きました。

 一歩建物の中へ足を踏み入れると、お客の姿を見ることが珍しいのか、最初に出会った魚が仲間を呼びに行き、大勢で見物に来ました。

 魚たちに見つめられ、評価されていると思うと、こちらが恥ずかしくなって、早々に退散することになります。

 それからしばらくして、この水族館は閉鎖されました。

(新聞「農民」2001.10.1付)
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2001年10月

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