「農民」記事データベース20011008-511-08

はじめての直売所

生産者が楽しく作って販売

福井県農民連


 福井県農民連の初めての直売所が誕生――武生市の「たけふ産直センターあぐり」(責任者・関本新右衛門さん)です。八月五日から開店しました。月二回の休み以外は、毎日直売所を開き、旬の野菜をはじめ漬物や放し飼いの自然卵、花、手作りのパンなど地域の安全、新鮮な農畜産物を販売しています。お彼岸の九月二十二日には、菊が五本二百円と安く、新鮮なのであっという間に売り切れ、追加したほどです。

 「一支部一直売所」めざし

 直売所は、武生市内で唯一の大型ショピングセンターの駐車場にあり、三十五平方メートルの店舗。必死に探し、オーナーの協力でやっと確保できました。

 開店時間は平日と土曜日が午後三時三十分から六時三十分、日曜・祭日は午後一時三十分から六時三十分。休みはショッピングセンターの休日の日で月二回ほど。お客さんは三十人から多いときで八十人です。販売にはパートで金森信子さんが担当し、交代要員として二人の主婦が協力しています。

 「生産者は自分で作ったものに自信を持っています。その気持ちをくんで安全、新鮮さをお客さんに話しかけ、納得して買ってもらい、固定客も増えています。毎日が楽しいですが、売る品物が少ないときは、お客さんに申し訳ないと寂しくなります」と語る金森さん。

 安全に責任を持つ約束事を

 福井県連は、農民連の「一支部一直売所」の方針を実践しようと、一年ほど前から準備をし、昨年十二月に「あぐり」を立ち上げました。その中心になってきた関本さんは武生市やその周辺の農家を訪ねて何回も話し合い、「参画者要綱」を決めました。生産者の品目ごとに栽培方法を明示し、安全性についての責任を持つことを約束事にしています。そして「生産者が楽しく生産物を作れて、楽しく販売できるようにしよう」「生産者の顔が見える安全で個性ある出品物を出そう」などのスローガンを掲げて、二十五人の生産者が直売に参加しています。

 関本さんは「常設店舗は、消費者にとってはよいのですが、運営は大変です。期待のもてる店にするためには、露地野菜を栽培する中小規模の農家や農畜産物とその加工品、こだわり品などを増やしていかなければと思っています。まだ始まったばかりですが、これまでの問題点を反省し、発展していくよう頑張ります」と決意を述べています。また、金森さんはお客さんに「あぐり」の会員になって応援してもらおうと訴えています。

(西村)

(新聞「農民」2001.10.8付)
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2001年10月

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