麦価―農民連が農水省に緊急要請―
農水省は十月三日、二〇〇一年、二〇〇二年産政府買い入れ麦価を六十キログラム八千六百九十三円(小麦II類1等)とし、百三十一円(一・四八%)引き下げることを決定。二十五年前の水準に下げられることになります。 この日、農民連本部、北海道連の代表は、せめて買入価格六十キログラム一万二千円以上にするよう武部農水大臣への緊急要請をしました。 応対した農水省担当官は、小麦は作付面積が目標を越えてしまい、在庫増、入札価格の安値が出ている一方、生産された麦の大部分が政府を通じて流通したことで、よい麦を生産しても価格に反映されず、生産者の努力が報われないという「需給のミスマッチ」が生じたから、民間流通に移行するとして、国の責任放棄を臆面もなく述べました。 これは、農業の構造改革(切り捨て)推進、農業予算削減のなか、麦作付けで増大する経営安定資金交付金の抑制をめざし、いっそうコスト削減を生産者に押し付けたものといえます。 自治体を挙げて麦を作っている北海道当別町の堀勲北海道農民連常任執行委員は「私の町では麦を本作にして、苦労してほとんど一等で出せるようになった。しかし機械化などで費用はかかっている。麦価引き下げの口実である生産費が下がっている根拠を示してほしい。また、品種によって作付制限が出てきている。政府は業者の意見を聞きすぎてないか。もっと生産者の実情をつかんで業者を指導してほしい。また安値の原因である輸入を減らすべきだ」と要請しました。
(新聞「農民」2001.10.15付)
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[2001年10月]
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