岐阜映画「郡上一揆」の里に多くの訪問者
江戸時代に過酷な圧制に反対して立ち上がった農民群像を描いた「郡上一揆」の映画は、今年一月から劇場公開された後、いま全国各地で自主上映されています。 上映は四百市町村を超え、のべ四十万人以上の観客に大きな感動と勇気を与えています。 舞台となった岐阜県の現地には農民連の会員をはじめ労働組合や民主団体の人たちも訪れています。 郷土史研究家でもある岐阜県連の岩田昭さんは、案内役をつとめています。岩田さんからの現地リポートです。
大阪銀行革新懇のメンバー三十八人が九月二十二日、大阪府羽曳野市の職員組合婦人部四十一人が九月二十三日、岐阜県郡上郡の郡上一揆の里へ研修に来られました。農民連本部から依頼され、私が解説と道案内をしました。 江戸時代には全国で数千件の大小の一揆が発生。江戸幕府は地方の大名に参勤交代などを義務づけ、江戸屋敷を造らせ、領地との行き来をさせ、この費用が莫大なもので、そのツケは重税となって農民に押し付けられました。 重税に耐えられなくなった農民は、団結を誓う連判状を村村でつくり、死を覚悟で直訴しました。当時、領主や幕府に直訴すれば、打ち首にされました。言論の自由も人権もなく、身分差別によって武家政治が維持されていたことを語りました。 「郡上一揆」の映画は、多くの団体や有志の寄付金、出資で四億円を集め、地元の三千五百人がエキストラになり、岐阜県知事や県農協中央会の会長らも出演するなど、長い日をかけ粘り強い努力で映画を完成させ、上映を成功させていることも話しました。 獄門さらし首が行われた穀見の刑場を視察した羽曳野市職員組合の女性部のみなさんに「自らの要求や平和を求める運動をやっても、今は首を切られ、さらし首にはなりません。郡上一揆をたたかった農民の先輩に元気をもらって、これからも頑張りましょう」と激励しました。
(新聞「農民」2001.10.15付)
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[2001年10月]
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