2011年8月
■2011年8月29日(第986号)
- 農民連青年部 2011年夏の学習交流会 in 和歌山/ご協力ください 東日本大震災救援募金/放射能測定機器導入募金
- 農民連青年部は8月6、7の両日、和歌山県内で2011年夏の学習交流会を開き、全国から50人を超える若者が集いました。今回のテーマは「歩みだそう、和の国から。つなげよう、農の輪!」。震災・原発事故、そしてTPP(環太平洋連携協定)など、青年たちが農業を続けていくうえで困難が立ちはだかるなか、和歌山の地から、青年同士がつながり合い、これからの農業をどう切り開いていくのか。語り合い、交流しながら、決意新たに足を踏み出しました。
- 原木シイタケ農家 農水省、東電本社と交渉/TPP参加でなく国民本位の復興策を
- 福島県をはじめ宮城、岩手県から原木を購入してシイタケを栽培する農家らでつくる「原発事故問題原木しいたけ生産者連絡会」(事務局・奈良県農民連)は8月10日、農水省と東京電力本社を訪問し、安全な原木の確保と安心してシイタケを生産するための対策を講じるよう要請しました。和歌山、奈良、三重、茨城の5県と大阪府から生産者ら約20人が参加しました。
- 食品放射能測定システム導入
- 農民連食品分析センターは、多くのみなさんの募金への協力によって、このたび食品放射能測定システム「シンチレーション検出器」を導入しました。そして検査体制も整い検査業務を開始しました。
- 農のこころ
- 荒畑に畝の残像草いきれ
- 狭すぎる原発賠償の範囲判定
- 政府の「原子力損害賠償紛争審査会」(会長・能見善久学習院大学教授)は、8月5日、東京電力福島第一原発事故の賠償の目安となる「中間指針」を了承しました。中間指針には、被害者が今後賠償請求をしていくうえで足がかりとなる観点が盛り込まれる一方、認定した範囲が極めて狭いなど、多くの問題点を抱えた内容になっています。
- “危険な原発は廃止しかない”/県農民連・坪井貞夫会長が撮った東日本大震災の写真展示
- 千葉県香取市の佐原朝市組合は8月7日の朝市で、「原発撤廃」を求める署名をハンドマイクで訴え、97筆が集まりました。使用済み核燃料廃棄物の最終処理も解決されておらず、事故が起きたらコントロール不能な実態が明らかになった原発は、廃止するしかありません。朝市組合では、さっそくお客さんに呼びかけ、力を貸してくださるよう訴えました。今後も続けていきたいと思っています。
- 私は広島育ち、母は被爆者。怖さわかっています。なぜ原発事故がいま起きたのか、本当に無念です。/イカの天日干し(佐賀)
- ふるさとネットワーク総会で、神奈川農畜産物供給センターの竹井麻美さんが発言しました。その一部を紹介します。
- 旬の味
- 新聞「農民」クイズの出題者は味なことをやる。8月1日付の解答は「イカルチドリ」。イカルはいかる。そう、“怒る”だ
■2011年8月15・22日 合併号(第985号)
- 東電は直ちに全面賠償せよ/8・3行動参加者の声/TPPはいらない! 8・27緊急集会
- 「農家が損害の請求を出しても、なんですぐ東電は支払わないのか」「しかも仮払いで半額だ。生活費にまでまわらねぇ」「風評被害の損害請求はなんで正式にしないのか。融資が受けられないんだ」――東京電力の会議室に、被災農家の怒りの声があふれました。農民連と全国食健連は8月3日、東電・政府賠償請求行動を行い、東京・千代田区の東京電力本社前に福島の農家らが200人以上、支援する労働者や消費者などを含めると350人以上が駆けつけ、「東電はただちに全面的な賠償を行え!」と、本社ビルにぶつけました。
- 田んぼ・農道に土砂流入/ご協力ください 東日本大震災救援募金/放射能測定機器導入募金
- 7月29日から30日にかけて、新潟県内を襲った記録的な豪雨は、最大で40万人の住民に避難指示・勧告が出され、死者・不明者5人が出る甚大な災害となりました。特に、河川の堤防が決壊したり土砂崩れなどで、家屋への浸水や田畑への被害が各地域で見られ、 農民連会員のなかでも、河川敷で野菜を栽培しているところが壊滅状態になったり、土砂が田んぼに崩れ落ちたという被害が確認されています。
- TPPは世界の飢餓と地球温暖化に拍車かける
- TPP(環太平洋経済連携協定)に参加し、関税などの国境措置を完全に撤廃した場合、カロリー自給率は40%から13%に低下し、小麦や砂糖の生産は壊滅し、米も90%減少する――農水省は昨年10月、こういう試算を公表しました。また、これに先立つ07年の試算では、約6割に当たる農地272万ヘクタールがつぶれるか耕作放棄地になるとされていました。いずれも、日本の農業と食糧に決定的な打撃を与えることはいうまでもありません。
- 農のこころ
- 走り穂に風の渦巻く一揆の地
- 米の放射能検査のしくみ発表
- 農水省は8月3日、収穫期を迎える米の放射性物質検査の方法と出荷制限のルールを発表しました。農民連はこの間、「放射能汚染の可能性がある米は、国の責任で検査し管理する対策を講ずること」を要求してきました。
- なぜ先物取引なのか
- 農水省が認可した米の先物取引の試験上場。東京穀物商品取引所(東穀)と関西商品取引所はそれぞれ8月8日から取引を開始します。東日本大震災の被災地では農業の再生に向けて懸命な努力が始まろうとする矢先に、米を投機の対象にする先物取引を認可した政府・農水省の姿勢が問われています。
- 都市の農地制度を考える学習会
- 農民連関東ブロック協議会は7月25日、都内で、「都市農地制度の抜本的改正を求める学習・交流会」を開き、東京、埼玉、千葉、茨城の各農民連のほか、首都圏の地方議員らを加え約25人が参加しました。
- 東電は早く賠償せよ! 畜産農家を救え!(1/2)/(2/2)
- 東京電力の福島原発事故の賠償範囲を話し合う「原子力損害賠償紛争審査会(以下、審査会)」が8月5日、「中間指針」をとりまとめました。
- 放射能汚染地帯を行く リポート(4)福島・飯舘村
- 「ここは本家だ。ほれ、こんなに草が生えちまった。人が住まなくなっと、早えもんだ」―村の「見回り隊」に参加した志賀正男さん(74)は寂しそうに言った。計画的避難が始まってすでに2カ月が経ち、人の住まなくなった民家の軒先にはオオアレチノギクが腰まで伸びていた。
- 人間魚雷「回天」特攻隊の体験
- 大正15年(1926年)に新潟県旧白根市の小林村(現新潟市)で、農家の次男として生まれました。馬が好きで中学を卒業したら、獣医になって軍用馬の生産に携わりたいと思っていました。
- 本の紹介/橋本紘二著 写真ルポルタージュ3・11 大震災・原発災害の記録
- 本書は、『現代農業』のグラビアなどで知られる写真家の橋本紘二さんが、東日本大震災(長野県北部地震を含む)の被災地をめぐってまとめた写真集です。
- 第57回日本母親大会 in 広島
- 第57回日本母親大会が7月30、31の両日、広島市で開かれ、全国からのべ1万5000人のお母さんが集いました。母親大会の原点は、「核兵器と戦争をなくそう」という平和への願いです。被爆地、広島で開かれた今年の大会には、東日本大震災で被災した岩手、宮城のお母さんたち、そして原発事故の被害に苦しむ福島県からも100人が参加。「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・フクシマ」「核と人類は共存できない」という熱い思いあふれる大会となりました。
- 女性部が加工所を開設
- 奈良県農民連女性部では、今年2月に加工部を立ち上げました。しかし、「自分たちの農産物を丸ごとあますことなく利用したい」「農家の技術や知恵を伝えたい」「農家にしかできない食品加工をしたい」と、みんなの思いは強かったのですが、なかなか運動は進みませんでした。それを大きく決意させたのは、組合員研修旅行で訪れた三重県多気郡せいわの里「まめや」代表の北川静子さんとの出会いでした。北川さんの「みんなでぼちぼち楽しく無理せずやりながら、みんなで考えたらいいよ」の言葉に勇気付けられ、奈良産直センター加工部第1号店として、北和センターの敷地内に、弁当と和菓子の二つの加工所が設置されました。
- 福島産モモ 注文激減/祈り
- モモの主産地、福島ではいま主力品種「あかつき」の出荷が最盛期。
- サクランボは全国支援で昨年並み出荷できた。大きな励ましに、“私たちは負けない”を実感
- 7月27日に行われた農民連ふるさとネットワーク総会で、産直センターふくしま事務局長の服部崇さんと、直売所「産直カフェ」(福島市)の店長、赤間初江さんが、震災後の直売所の運営と支援について発言しました。その要旨を紹介します。
- 富山農民連の林 進さん 被災地へ乗用車寄贈
- 富山農民連の林進さんは7月16日、宮城県東松島市グリーンタウン矢本の仮設住宅で行われた「炊き出し なんでも相談会」の会場で、矢本農民連の三浦勝志さんに乗用車を寄贈しました。
- 旬の味
- まだまだ暑いが8月8日は立秋。改めて二十四節気を勉強し直した
■2011年8月8日(第984号)
- 全国でピンチ
シイタケ生産/安全な原木の供給を国は保障してほしい/米屋さんと生産者をつなぐ交流会
- 東京電力・福島第一原発の事故による影響は、福島産のシイタケ原木を使っている全国のシイタケ生産者にも被害が及んでいます。
- 私たちは負けない 絆さらに強めよう 被災者支援・農業復興に全力
- 「つながっていれば、私たちは負けない。絆(きずな)をさらに強くしよう」―農民連ふるさとネットワークは7月27日、東京都内で第8回総会を開き、全国の加盟組織から81人が参加。1年間の活動と来期の事業計画、決算および予算案を討議し、それぞれ全会一致で採択しました。
- 早期復興へ即刻賠償支払いを/ご協力ください 東日本大震災救援募金/放射能測定機器導入募金
- 「被災地の早期復旧・復興、原発ゼロ、最低賃金引き上げ、国民本位の財政実現を」をかかげて、7月28日、東京・霞ケ関を中心に「国民要求実現中央行動」が取り組まれ、被災地をはじめ全国から約1500人が参加しました。
- 農のこころ
- 穂孕みの風をゆたかに最上川
- 新マルキンの改善で農家守れ/放射能汚染米検査 政府は責任もって行え
- 食健連、農民連は7月28日、「原発被害の賠償と稲ワラ・牛肉問題」と、「二重ローン、米問題」の2班に分かれて農水省に要請しました。
- 豊岡市(兵庫)が東京・都心にアンテナショップをオープン
- 兵庫県豊岡市は7月7日、東京・秋葉原で、市の産業や観光をアピールする「豊岡エキシビション2011」を開きました。
- “産直10年 夢のよう“
- 名古屋市名東区にある「ファーマーズ生鮮市」が誕生して10年。7月6日、名古屋市内で“記念のつどい”を開き、53人が参加しました。
生協店舗が閉鎖になるというので、「このお店がなくなると買い物に行く場がなくなり、お年寄りや赤ちゃんを抱えたお母さん方が困ってしまう。何とかしてこのお店を守りたい」という生協組合員の思いと、「国産品がほしいという消費者に届ける仕組みを作りたい」という農民連の思い、そしてこの取り組みを支えたいという生協職員の思いが響きあい、10年前にスタートした「ファーマーズ生鮮市」。いまも毎週、火曜日と金曜日に店を開き、開店前には行列ができるほど盛況です。
- 種まきとみそづくり交流会
- 福岡・みのう農民組合は7月10日、大豆畑トラストの行事として、種まきとみそづくり交流会を開き、会場の「道の駅うきは」には遠くは北九州市や福岡市などから家族連れで130人余りが参加しました。
- 旬の味
- 勉強から解放された子どもたちの喜びが、公園や広場、畑で主役となって戯れている。おとなたちとのふれあいを通じて、知らず知らずに社会へと踏み出し、自主をはぐくむ貴重な時間だったのだと、年老いて気づかされている
■2011年8月1日(第983号)
- “東電の責任ではない”居直り発言に怒号や抗議/指導・対策が後手後手の国に怒り ふくらむ飼料代 賠償支払いを
- 東京電力第一原発の事故で、牧草や稲わらから暫定許容値を超える放射性セシウムが検出され、汚染された牛肉が全国に流通。酪農家や畜産農家は、出荷制限や価格の暴落で経営の危機にさらされています。また、牛肉に対する国民の不安は深刻です。東電と国は、ただちに全面的な損害賠償をおこなうべきです。そして、汚染された牛肉を流通させない対策や、信頼を回復させるためにただちに全頭検査が求められています。
- 東電はすぐ汚染牧草の賠償を
- 福島県相馬市や伊達市などと県境をなす宮城県丸森町。その上滝地区で搾乳牛約40頭を親子で飼う菊地弘之さん(農民連会員)は、町内58戸の酪農家でつくる丸森町酪農振興組合の組合長です。
- 茨城県農民連6人に仮払い金/全被害農家に参加よびかけよう
- 東京電力は7月14日、損害賠償請求をしていた茨城県農民連の会員6人に対し、総額1500万円余の仮払い金を支給しました。農民連会員への支給は、これがはじめてとなります。
- 大きな農民組合なくては復興できない/飼料の運賃全額助成始まる
- 長野県北部地震で甚大な被害を受けた長野県栄村では、村をあげて復興に向けて奮闘しています。住宅に加えて農地や水路などの農業施設の被害は深刻で、高齢化した村の農民が復旧・復興を担っていますが、安心して農業で暮らせるようになるには、まさにこれからです。
- 農のこころ
- 青稲の手触り諭し水を干す
- 民医連が1000万円をカンパ/目録
- 放射性核種分析装置(ゲルマニウム半導体検出器)の導入をめざす農民連食品分析センターに、募金と温かいメッセージが続々と寄せられています。
- 本の紹介/ノーマン夫妻著「バターン、死の行進」
- 太平洋戦争のなかで、フィリピン・ルソン島のバターン半島で引き起こされた「死の行進」と呼ばれている残忍で過酷な事件。この本は、マイケル・ノーマンとエリザベス・M・ノーマン夫妻が10年の歳月をかけ、多数の関係者から取材し膨大な資料を調査して、あらためて日本軍による非人道的な事件の実相を明らかにしたものです。
- 合同支援行動 農民連/日販連/民医連/災対連
- 7月16日、宮城災対連、宮城農民連、日販連(日本販売農協連合会)が主催し、これに山形・庄内産直センターと富山農民連、東京民医連が加わって、宮城県東松島市のグリーンタウン矢本にある仮設住宅で、最大規模の「炊き出し なんでも相談会」を行いました。
- 楽しんだ田植え交流会
- 7月3日、福岡・うきは市浮羽町にある佐々木督文さん(みのう農民組合書記長)の田んぼで、田植え交流会を行いました。この日は雨も上がり、赤ちゃんや小学生を連れた家族や大学生、青年など約50人が集まりました。
- 旬の味
- “までいな村”―福島県飯舘村の酪農家、長谷川健一さんのお話を聞いた
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