サクランボは全国支援で昨年並み出荷できた。
大きな励ましに、“私たちは負けない”を実感
7月27日に行われた農民連ふるさとネットワーク総会で、産直センターふくしま事務局長の服部崇さんと、直売所「産直カフェ」(福島市)の店長、赤間初江さんが、震災後の直売所の運営と支援について発言しました。その要旨を紹介します。
産直センターふくしま事務局長 服部崇さん
直売所「産直カフェ」店長 赤間初江さん
(農民連ふるさとネット総会での発言)
1日も休まずに店を開き続ける
全国から支援の物資を届けていただき、あたたかい励ましの言葉を寄せていただき、心から感謝しています。
大震災のあと、すべてのライフラインが止まりました。しかし産直カフェは、レジが打てなくても水が使えなくても、1日も休まず店を開け続けました。たくさんのお客さんから感謝されました。ガソリンがなくなり、生産者は農産物を届けることができなくなったときも、生産者が何時間もガソリンスタンドに並んで農産物を届けてくれました。原発爆発で高濃度の放射性物質がばらまかれた時も、みんな夢中になって一生懸命働いていました。
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ふるさとネット総会で発言する赤間さん(右)と服部さん |
しかし、野菜や牛乳などの農産物が出荷停止や出荷制限になり、お客さんが激減しました。稲わら汚染でとどめを刺され、売り上げは通常の半分にまで落ち込みました。放射能が微量だとはいっても、かかっていることは間違いなく、地産地消を“売り”としている直売所としては、また私自身、4歳の子どもを持つ母親として、すすめて売ることはできません。この心配がなくなる術を知っている人がいたら教えてください。
出荷している生産者も苦しい
福島の復興は、福島をきれいにすることです。その時まで、産直カフェはお客さんが安心して買い物ができるよう、力を注いでいきます。
また、産直カフェに出荷している生産者も苦しんでいます。手塩にかけて育ててきた農産物が放射能で汚され、生きがいを奪われています。そんななか、サクランボは全国の支援で昨年並みに出荷することができ、生産者を元気にし希望を与えました。
私たちは全国の仲間とつながっていることを実感し、産直センターの合言葉「つながっていれば、私たちは負けない」を実践した形になりました。全国の仲間に感謝し、福島の地でさらに運動を広げていきます。
今後の産直についても同様の取り組みをしていきますので、引き続きご支援をよろしくお願いいたします。
(新聞「農民」2011.8.15付)
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