原木シイタケ農家
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要請書を手渡す井上さん(立っている人、左側)=農水省 |
さらに、出荷制限指示や風評被害などで出荷不能になった場合の損害賠償については「原子力損害賠償紛争審査会の『中間指針』にあるように国の出荷制限指示によるものであれば賠償の対象になる。風評被害についても、その品目が『中間指針』の賠償対象にないからといって対象外だとは限らない。原発事故と被害との間に相当因果関係があれば賠償対象になりうる」と答えました。
代替原木を東電所有の山林からの伐採を含めて、東電の責任で供給するようただしたのに対し、東電は当初、「洪水や渇水の緩和、森林保全の必要性から供給は難しい」と難色を示していましたが、農民連の笹渡義夫事務局長が「林野庁も国有林からの代替原木の供給について調査している。汚染の原因をつくった東電も協力すべきだ」と反論。東電は「協力は可能だと思う。提案を検討したい」と答えました。
茨城から参加した農家は、自主検査をしたシイタケから、食品の暫定規制値500ベクレルを超える放射性物質が検出されたため、出荷を自粛しました。その損害賠償について、東電は、私見としつつも「賠償すべきだと思う」と応じました。
また、京都府が微量のセシウムを検出した福島産原木に対して、自主回収を業者に要請していることに対しても、東電は「賠償の対象になりうると思う」と述べました。
ただし、東電が「1ベクレル検出されただけでは、健康上は問題なく、賠償の対象とはならない」という立場に固執したため、参加者は「たとえ1ベクレルでも消費者は不安に思ってしまう。原発事故がなかったら検出されない数値だ。取引停止などがあった場合、東電は損害賠償に応じよ」と訴えました。
最後に、「放射能汚染でシイタケ農家は瀬戸際に立たされている、東電は現場を見るべきだ」と要求したのに対して、「現場を見させていただきます」と約束しました。
農民連の齋藤敏之常任委員が主催者あいさつ。TPP(環太平洋連携協定)への参加でなく、農民・国民本位の復興策が必要だと語り、「国民の願いを国会に届ける運動を強めたい」と訴えました。
他団体からも「TPP反対の署名が1万人以上集まった」(新日本婦人の会)、「自然エネルギーへの取り組みが地方から始まっている。脱原発の流れを自治体から」(自治労連)など、積極的な発言が相次ぎました。
日本共産党の井上哲士参院議員が激励のあいさつをしました。
最後に、参加者は、国会に向けて「くらしを破壊するTPPに参加するな」などと怒りのこぶしを振り上げました。
[2011年8月]
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