旬の味
“までいな村”―福島県飯舘村の酪農家、長谷川健一さんのお話を聞いた▼原発事故以前、長谷川さんの村は、村落ごとに共同の暮らしを大切にしてきた。農家のお母さんたちが見聞を広めたヨーロッパ研修旅行や、座り読み大歓迎の村営本屋さんなど、ユニークな村づくりをしてきた▼原発事故後、村はどうなったか。長谷川さんがカメラに収めてきた村の風景や人々の暮らし、思いがあふれた映像を映しながらのお話。牛が連れていかれた。いやがって暴れる牛のお尻を何人かが押し上げる。牛のいなくなったからっぽの牛舎。ていねいに手入れされていた田畑には、もう何も作付けされず、雑草が丈を伸ばしている。胸を突かれたのは、長谷川さんの友人だという命を絶った酪農家が、牛舎の黒板に書き残した遺書だった▼原発事故の影響は収まるどころか、ますます拡大している。子どもの健康を願うお母さんたちの不安も大きくなるばかり。いま私たちにできることは何だろうか。思いを共有できる仲間を広げたい。 (澄)
(新聞「農民」2011.8.1付)
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[2011年8月]
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