「農民」記事データベース20110829-986-01

若い農の力のつながりだ!

農民連青年部
2011年夏の学習交流会 in 和歌山

困難なときでも成長できるゾ

関連/ご協力ください 東日本大震災救援募金/放射能測定機器導入募金

 農民連青年部は8月6、7の両日、和歌山県内で2011年夏の学習交流会を開き、全国から50人を超える若者が集いました。今回のテーマは「歩みだそう、和の国から。つなげよう、農の輪!」。震災・原発事故、そしてTPP(環太平洋連携協定)など、青年たちが農業を続けていくうえで困難が立ちはだかるなか、和歌山の地から、青年同士がつながり合い、これからの農業をどう切り開いていくのか。語り合い、交流しながら、決意新たに足を踏み出しました。


語り合い、知恵だし合い、
助け合い、交流し合い
農民連の仲間が支え合う

 原発事故後、農業再生へこの地で

 討論では、5人が報告。「今後、福島の米がどうなるか心配」と、不安を口にした福島県二本松市の菅野瑞穂さんは、学生時代に東南アジア発祥のスポーツ、セパタクローの日本代表に選ばれ、卒業と同時に就農し、今年で2年目です。

 原発事故後、自分も避難しようかどうか迷いましたが、「農業再生に向けて、この地でやっていこう」と決意。田んぼにヒマワリを植える「ひまわりプロジェクト」を開催して、多くの人を福島に呼び、「農業を通して成長していきたい。生産者と消費者との顔がみえるつながりを増やしていきたい」と意気込みを語りました。

 大学の講義で農業に興味をもち、和歌山・紀ノ川で就農して2年目という星原智宏さんは、来年春からの独り立ちを控えて、桃、イチゴ、ブロッコリーなどの収穫に励んできました。昨年、丹精込めて作った自慢のブロッコリーが1束20円にしかならないことに衝撃を受けました。

 「農業で生活できなければ若い人の農業離れが進んでしまう」と危機感を募らせ、独自に販路を開拓する必要を語ります。また、「困難なときには、農民連青年部の仲間たちが支えてくれる。親が農家じゃなくてもできるんだと示したい」と力強く宣言しました。

 紀ノ川農協の青年部長、井上達也さんは、同農協青年部の取り組みを紹介。青年同士がぼかし肥料の作り方や土壌分析など、知恵を出し合い、助け合いながら、良質の作物を栽培し、消費者に自信をもって提供できるよう産直に力を入れています。

 「消費者ともいい関係を築き、お互いが笑顔でつながりたい。米を使ったイベントなどもやりたい」と夢を語りました。

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討論する(右から)菅野さん、星原さん、井上さん、星さん、杵塚さん

 地域でつながり新提案を次々と

 山形県の置賜(おきたま)農民連青年部、星智也さんは、地元の南陽市が行う青年教育推進事業の活動を通して、「米で新しいまちづくりをしたい」と「米部」を立ち上げ、独自の生育法で「甘米」(あまい)を開発しました。

 「甘米」を使ったケーキ作りやブレンド米イベントを企画し、市や県内、東京まで出向いてマーケットやマルシェ、アンテナショップなどでの販売・PR活動に駆け回りました。

 こうして多くの協力者を得ることで、「成果を地元で共有し、それが地域の自信になり、ふるさととまちづくりを見直す機会になった」と胸を張ります。

 最後に、農民連青年部長でお茶農家の杵塚歩さん(静岡)が報告。静岡でも原発事故でお茶からわずかな放射性物質が検出されていますが、生茶から荒茶へと乾燥させ、さらに急須に入れた状態になれば、放射性物質の濃度が各段に低くなることを紹介。お茶摘み交流会や若者の婚活を応援する農コン合宿など、長年にわたり消費者との交流に力を入れてきた杵塚さんは「消費者との交流があれば、お茶の状況を伝えられるし、理解してもらえる」と語りました。

 地域で若者同士がつながって交流を広げることで、「これからどういう社会を作るのか、新しい提案が生まれ、社会を変えることにつながる」と呼びかけました。

 若い農家の話に刺激をうけた

 九度山町の「どーむびれっじ」に会場を移しての夜の交流では、和歌山県農民連の井上雅夫会長が歓迎のあいさつを行い、県農民連女性部のみなさんが作った柿の葉ずし、箱ずしなどを堪能しました。また、県内産の食材で作ったバーベキューで盛り上がり、地元のDJ龍さんによるBGMにあわせて、「目指せ農業王!」などのゲームで交流しました。

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若い力で農の未来を変える!(和歌山・九度山町のどーむびれっじ)

 翌7日は、紀の川市で井上達也さんのハウスと畑、急傾斜地でミカンを栽培する岡豊章さんの畑を視察し、肥料づくりの工夫や中山間地での栽培法を学びました。

 愛媛県西予市から来た宇都宮穂高さんは「熱い思いをもったみんなと交流できたことはたいへん有意義でした。急傾斜地でのミカン栽培はたいへんですが、努力して農薬を少なくしたい」と語ります。

 京都府和束町から参加した野池佑磨さんは「全国の若い農家の話に刺激を受けました。お茶以外にも挑戦してみようという気になりました」と話していました。


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東日本大震災救援募金
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放射能測定機器導入募金
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      (他の金融機関から振り込む場合は、
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口座名義  農民運動全国連合会分析センター

(新聞「農民」2011.8.29付)
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2011年8月

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