2011年6月
■2011年6月27日(第978号)
- 地震 津波 原発事故 三重苦のなかの南相馬市(福島県)/ご協力ください 東日本大震災救援募金/放射能測定機器導入募金
- 東日本大震災からちょうど3カ月がたった6月11日。東京電力福島第一原子力発電所の北に位置する福島県南相馬市の桜井勝延(かつのぶ)市長を訪ねました。桜井市長は稲作農家で、農民連創設時からの会員です。また桜井市長は、震災と原発災害で市が孤立し、食糧などの物資が届かない状況を映像で世界中に訴え、アメリカのタイム誌が「世界でもっとも影響力のある100人」の一人に選んだことでも知られています。南相馬市は、地震と津波、原発災害の三重苦のなかで、死者542人、全壊住宅4682戸、そして3万人以上の市民がいまも避難を余儀なくされています。
- 一刻も早く全損害を賠償せよ
- 千葉県農民連は6月16日、東京電力千葉支店を訪れ、福島第一原発事故の損害賠償を求めて、請求書と要請書を手渡しました。
- 損害賠償の学習相談会開く/農民の声を国会から締め出す比例定数の削減は許さない
- 福島県北農民連の各支部では、5月31日から原発事故による損害賠償学習相談会に取り組んでいます。3万6000枚の案内チラシを新聞に折り込み、6月14日までに4カ所で行われ、参加者総数は90人におよび、そのうち会員外の参加者が33人もいます。
- 農のこころ
- TPP植田逆らう風に列
- 親子で楽しく田植え体験
- 「苗を植えて楽しかった」「気持ちが癒された」――6月5日、さいたま市西区の田んぼで「野良仕事の会」が田植えを行い、3歳から70歳代の親子連れ28人が参加しました。「野良仕事の会」は、全農林労働組合東京地方本部の元書記長の中沢極さんらが中心となって地域に呼びかけ、子どもたちに農業を知ってもらおうと4年ほど前に結成されました。
- 米農家の怒りを詩に/原発ゼロをめざす緊急行動
- 詩「黙っていられない」は、山形・庄内農民連の佐藤光雄さんが、2009年8月に開いた「米価暴落、黙っていられない怒りの市民総決起集会」を記念して、作詞したものです。これに米農家でシンガーソングライターの小野寺裕さんが作曲しました。佐藤さんは「庄内農民連の愛唱歌になればなぁ」と話しています。
- よみがえらせよう塩害田んぼ/風評被害に負けないで
- 自治労連は、岩手県陸前高田市に「支援センター」を設置し、4月22日から全国の仲間による本格的なボランティア活動を始めました。連日、数十人の自治労連の組合員が、行政と市民を結ぶ接点となっている区長や自治会長へ「広報」を届けるなど、その専門分野や自治体労働者魂を発揮してボランティア活動を旺盛に繰り広げ、地域の方々との信頼関係を築いています。
- 仮設住宅新築祝い餅つき
- 宮城農民連が企画した「仮設住宅の新築祝いを餅(もち)つきで行おう」。6月12日、宮城県東松島市矢本地区にある仮設住宅に、山形県農民連や長野県信濃町の災害支援連絡会、横浜市のみどり共同保育園、東京の日本販売農協連合会などから約70人が駆けつけました。
- 旬の味
- 宮城県I市で、1週間ほど支援ボランティアの活動に参加した。床下に入り込んだヘドロを掻(か)き出す作業を行い、悪臭・衛生対策として、乳酸菌を主体にした微生物培養液を散布した
■2011年6月20日(第977号)
- 強まるTPP参加の危険/ご協力ください 東日本大震災救援募金/放射能測定機器導入募金
- “ペテン師”と“宇宙人”のすれ違いから始まった菅おろし騒動。経団連会長の米倉弘昌氏は、菅首相を「捨て石」(捨てカン?)に、大連立を急げと号令を発しています。アメリカ・財界べったり政治の新興担い手である民主党と、本家である自民党が野合して連立政権を作れば、アメリカ・財界が指揮権を完全に握ることにならざるをえません。
- 東電、国の責任逃れ許さない
- 「なくせ公害、守ろう地球環境」をスローガンに毎年取り組まれている全国公害被害者総行動が6月1、2の両日に行われ、全国から142団体、のべ1500人以上が参加しました。36回目を迎えた今年は、「東日本大震災・福島原発事故被害者と連帯して」が大きなテーマ。公害被害者の救済と、東日本大震災と福島第一原発の被災者の全面救済、原発推進のエネルギー政策の転換を求める声が、東京・霞が関に響き渡りました。
- 沖縄・米軍ヘリパッド建設中止を求めるつどい
- 防衛省は、住民の反対をよそに、アメリカの“要請”を受けて昨年12月、沖縄県東村の高江地区に米軍ヘリコプター基地建設を強行しました。防衛省は、3月から「ノグチゲラなどの野鳥の営巣期間」を理由に、建設資材の搬出や伐採などの工事を中止していますが、早ければ7月から工事再開を強行しようとしています。また米軍は、何度も墜落事故をおこしている最新鋭輸送ヘリコプター・オスプレイの配備をねらっています。
- 免税軽油制度の継続を
- 農林漁業の経営に大きく貢献してきた免税軽油制度が、「道路特定財源の一般財源化」に伴う地方税法の改定によって、2012年3月末で廃止されようとしています。
- 農・農研第27回研究大会
- 農業・農協問題研究所は6月5日、東京・新宿農協会館で第27回研究大会を開き、「震災復興をめぐる協同の課題」のテーマで討論しました。
- 農のこころ
- 田の補植老ねんごろに芭蕉道
- 福島の被災地を訪ねて
- 大震災後、すぐにも駆けつけたかったが、体調が戻って80日も経って「現場をみなければ詩は書けない」という前田新さんと私は、多忙な根本敬農民連副会長(県連事務局長)と前会長の佐々木健三さんに伴われて、福島・浜通りの被災地を訪れることができた。
- 九条の会 発足7周年記念講演会
- 発足7周年を迎えた「九条の会」は6月4日、「未来世代にのこすもの・私たちは何を『決意』したか」をテーマに記念講演会を開き、2000人が4人の弁士の話に聞き入りました。
- 本の紹介/小倉正行+合同出版編集部編 これでわかるTPP問題一問一答
- 東日本大震災で、TPP(環太平洋連携協定)参加問題の議論は、一時、“下火”になった感がありましたが、菅首相は「第3の開国」をいっこうにあきらめようとしていません。
- 口蹄疫(こうていえき)支援の恩返し
- 宮崎県農民連は6月5日、被災地・宮城県へトラックで駆けつけ、宮城県連と共同して避難所炊き出しを行いました。
- 福島産さくらんぼ 食べて応援しよう
- 農民連ふるさとネットワークは、「原発事故の影響で売り先に困っている福島産のさくらんぼを応援しよう」と、呼びかけています。
- “特別カード”プレゼント
- 6月から注文を受け付けている、農民連ふるさとネットワークの「夏季カタログ」。そのなかに、「被災地商品」コーナーがあり、そのなかの商品を注文すると、「まんまる団地」(「しんぶん赤旗」日刊紙)でおなじみの漫画家オダシゲさんが描いた「特製カード」(3種類のうちから1枚)が商品といっしょに届きます。
- 旬の味
- 大地が淡い色から濃い緑に移ろうとしている時、天空に向かって胸いっぱいに呼吸をする、農に生きる特権のように
■2011年6月13日(第976号)
- "米づくりが元気の源 "地域あげて田植えやるぞ/ご協力ください 東日本大震災救援募金/放射能測定機器導入募金
- 東日本大震災の翌日、3月12日に長野県栄村を直撃した震度6強の大地震。幸い犠牲者は一人も出ませんでしたが、村民2300人のうち、一時は約75%にあたる1700人余りが避難生活を余儀なくされました。当時、深い雪におおわれていた村も、震災から3カ月余りが過ぎ、雪解けとともに田畑の亀裂や水路の崩壊などあらたな被害が明らかになってきました。栄村の人たちは村の「絆」を何よりも大切にしながら、復興に取り組み始めました。その先頭に立っているのが、農民連の会員たちです。
- 震災復興とTPPは相いれない
- 全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)は5月28、29の両日、都内で東日本大震災後、最初の総会を行い、20都府県・16中央団体から82人が参加。2011年度の運動方針を確認しました。
- なに!? 国民の安全にそっぽ
- 福島原発事故に伴い、日本からの輸入品が放射能に汚染されているのではないかと、諸外国から検査証明を求める動きが広がっています。これに対応して政府は、2011年度の第1次補正予算の中で、「輸出農産物等放射能検査対応事業」(予算額1億3300万円)を組みました。これは、都道府県や民間の検査機関が輸出品の放射能検査を行う場合、測定機器の導入など整備に要する費用を助成(1/2)しようというものです。
- 農のこころ
- 野菜畑貫く道や楊雲雀
- 風評被害含む「第2次指針」策定/TPPとことん語り合った
- 福島第一原発事故による損害賠償の指針をつくる「原子力損害賠償紛争審査会」は5月31日、農林水産業のいわゆる風評被害を含む「第2次指針」を策定しました。
- 17人570万円(4月末)請求書渡す/23通9200万円余請求書を提出
- 福島県農民連は5月19日、東京電力に対し、第1回の損害賠償請求を行いました。東電から福島原子力補償相談室の職員3人が県連事務所を訪れ、県北農民連、須賀川農民連の会員ら17人が4月末までの損害額を計算し、総額570万円の請求書を提出しました。
- 農地と地域農業を守る先頭に(1/3)/(2/3)/(3/3)
- 7月には、全国の6割弱の市町村で農業委員選挙が行われます。TPP参加に反対し、農家の声をしっかり受け止めて地域農業と農地を守って行動する農業委員会にするために、大事な選挙になります。女性もおおいに農業委員として活躍しましょう。
- 放射能汚染地帯を行く リポート(2) 福島・飯舘村
- 原発事故はいつ収束するのか? 人は「希望や未来」がなければ生きられない。しかし、放射能に汚染されふるさとを追われた人々にとって、いまだ希望が見えてこない。
- 西野恒次郎さんを偲しのぶ
- 去る5月25日、元農民組合大阪府連副会長で食農大阪府民会議前会長の西野恒次郎さんが、86歳で亡くなられました。一昨年3月、農民組合北攝支部協議会総会での講演の一部を紹介して、追悼の言葉とします。
- 本の紹介/までいの力 福島県飯舘村にみる一人一人が幸せになる力
- 福島第一原発の事故で高い放射線量が計測され、「計画的避難地域」として全村避難を迫られている福島県飯舘村。豊かな自然と共生し、住民同士のつながりを重んじてきた村の暮らしと自治体の取り組みを描いた本『までいの力』が出版されました。
- 備蓄米放出は在庫と価格で判断
- 農水省は5月27日、食料・農業・農村政策審議会の食糧部会を開き、政府備蓄米、東日本大震災後の米をめぐる状況などについて議論しました。備蓄米は、2011年度から毎年20万トンを買い入れ、5年を経過した米を飼料用などに販売する棚上げ備蓄方式になりました。
- 広島にきんしゃいね!/米の安定供給ぜひ
- 「広島にきんしゃいね!」―今年の日本母親大会は7月30、31の両日、広島市で開催されます。農民連女性部は、大会とあわせて開かれる「農村のお母さん交流会」を成功させようと、5月26日、広島市で中国ブロック交流会を開きました。
- 遊休農地に咲いた菜の花
- 5月28、29の両日、秋田県由利本荘市で「第2回鳥海高原菜の花まつり」が開催されました。
- 田植え無事終える
- 宮城農民連の鈴木弥弘事務局長は、3月11日の大震災で自宅が全壊し、その後の余震でも被害が続きました。しかし鈴木さんは、自宅の片付けや復旧もそこそこに、連日のように、ボランティアに駆けつけてきた全国の仲間とともに、米や野菜、生活用品などの支援物資を持って、津波で大きな被害を受けた東松島市や石巻市、南三陸町、女川町などで炊き出しなどの支援を行い、農業再開に向けた営農相談にのってきました。
- 困難な時 みんなで乗り越えよう
- 茨城・常陸野農民センターと産直センター女性部は5月25日、いちご狩りをしました。
- 旬の味
- 例年より10日以上早い梅雨入りだ。梅雨の季節になると、梅の実が太る。青い葉かげに、まだ小さい梅の実が揺れている。母が亡くなってから、母まかせだった梅干しや梅酒を作るようになった
■2011年6月6日(第975号)
- 農産物、土壌の放射能測定機器
核種分析装置
農民連食品分析センターへ配備決める/測定機器導入のための募金のお願い/放射能測定機器導入ご協力ください
- 福島第一原発事故は、かつて経験したことのない未曽有の被害をもたらしています。福島県では、野菜や原乳などから暫定基準値を上回る放射性物質が検出され、全県的な出荷・摂取制限が行われ、茨城や千葉、栃木、群馬、さらには神奈川県などにも広がっています。こうした事態に、国民から放射能汚染の有無をチェックしてほしいという要請が強まっていることから、農民連は、「食品の安全を守る」砦(とりで)として奮闘してきた食品分析センターに、高性能の核種分析装置(ゲルマニウム半導体検出機)を配備し、原発事故の現場である福島県にも同等の機器を配備することを決めました。農民連の白石淳一会長と食品分析センターの八田純人所長は、連名で「測定機器導入のための募金のお願い」を発表しました。
- 農民連の新聞配送復活します
- 福島・浜通り農民連は、地震と津波、そして原発事故のなかで、会員・新聞「農民」読者の所在がわからなくなり、震災後、新聞「農民」を届けることができませんでした。
- 牧草の放射能汚染深刻/今年度第1次補正予算成立 農林水産復旧対策3817億円
- 原発事故の影響で、牧草から高濃度の放射性物質が検出され、収穫できないという事態が相次ぎ、酪農家は代わりの飼料をどう確保するか、苦慮しています。被害は福島県だけでなく、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県、岩手県など、東北・関東地方にも広がっています。
- 宮城農民連が「農業相談」/被災者本位の震災復興を
- 宮城災対連・東日本大震災共同支援センターは5月21日、2回目となる「なんでも相談会」を、仙台市若林区の六郷中学校で行い、避難所や近隣から住民ら950人が訪れました。宮城農民連も農業相談と炊き出しに取り組み、被災者を大いに激励しました。
- 農のこころ
- 植えられて早苗の命の風生るる
- 陸前高田市内4カ所で炊きだし
- 農民連関東ブロックの青年部と奈良県農民連は、5月11、12の両日、岩手県陸前高田市の避難所4カ所で、食材はもとより大釜や食器、はしなどすべて持ち込み、野菜炒めや豚汁などの炊き出しを行いました。青年部は千葉・埼玉・茨城から11人、奈良から6人が参加。
- 本の紹介/タカコ・ナカムラ著 塩麹と甘酒のおいしいレシピ
- 「塩麹(しおこうじ)」にはまった友人(Hさん)がいます。きっかけは、職場の隣の仲間が本書を見ていたこと。「それ、な〜に?」。ぺらぺらめくっていたら、「イカの塩麹漬け」がなんともおいしそう。日本酒の肴(さかな)におすすめの一品とある。この塩麹は万能の調味料らしい。Hさんは、どうしても作ってみたくなりました。
- 震災復興と風評被害の支援産直市
- 「旬の野菜はいかがですか」――農民連ふるさと産直ネットワークは5月25、26の両日、主婦連合会の協力を得て、東京・千代田区の主婦会館前で“産直市”を開きました。
- 女性部の仲間に支えられ
9条花だんも3年目に/田んぼや自然と仲良しに
- 岩手県農民連女性部の梅木由紀子さんは、夫の悦志さんの協力のもと、「9条花だん」に取り組んで3年目です。秋にパンジーの苗を植え、雪解けとともにいっせいに花が咲きました。菜の花も咲き出して、近所の人たちからも「きれいね」と評判です。
- 旬の味
- 四国地方は例年より18日早く、梅雨に入った。今年はとにかく妙な天気が続く。春が短く一気に夏になった観がある。田植えの時期ともなると、以前はいたるところに人が出ていたものだが、いまは田植え機が走り、あまり人影を見なくなってしまった
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