「農民」記事データベース20110613-976-09

農地と地域農業を守る先頭に(3/3)

<近づく農業委員選挙>

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女性農業委員を増やそう

“農民連、今こそ立候補を” 齋藤教子さん

 千葉県船橋市の農業委員で、「千葉県女性農業委員の会」の会長も務める齋藤教子さんは、「今こそ農民連の女性たちが農業委員に立候補するとき」と呼びかけています。

 名前だけでなく

 政府は閣議決定した「男女共同参画基本計画」の中で、「2013年までに女性のいない農業委員会をなくす」「2020年までに農業委員数の3割を女性にする」という目標を定めて、女性農業委員を増やそうとしています。都道府県の農業会議所や市町村の農業委員会でも、女性農業委員の登用を躍起になってすすめています。

 女性農業委員を増やそうという目標はとてもいいことだと思います。でも大切なのは、「名前だけでもいいから」というような数を増やすことではなくて、TPPや今の農政に対して、家族農業を守る立場に立ってしっかりと意見を言える、そういう女性農業委員が増える必要があります。

 農水省はいま鳴り物入りで「6次産業化」――農家が生産、加工、流通(販売)を一体化して推進する政策――をすすめていますが、これは、TPPをはじめとした輸入自由化を前提に、農産物価格の下落に負けない経営体をつくり、いずれは株式会社に道を開こうというものです。

 農民連もずっと前から加工にも産直にも取り組んできて、女性部のお母ちゃんたちが大きな力を発揮してきましたが、農民連の運動は「家族農業の生活と経営を守る」ということと、「国民に安全・安心な食糧を届け続けるために、今の農政のありかたを変える」ということを結び付けて進めてきました。「6次産業化」とはまったく違います。

 国も「6次産業化」の要として女性農業者の力を重視して、女性農業委員を増やそうと躍起になっているわけですが、だからこそ、家族農業を守る立場に立って発言する女性農業委員が求められていると思います。

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近所の小学生に野菜づくりを教える齋藤さん

 注目すべきは…

 いま32都道府県に「女性農業委員の会」があり、今年3月には「全国女性農業委員ネットワーク」が発足しました。注目すべきことは、その行動計画のなかに「農業政策への意見の公表」があることです。

 これまでも毎年1回、全国の女性農業委員の会議が開かれてきましたが、この会議ではWTOや農地法改悪に反対する意見も出されています。農民連の女性農業委員がもっと増えれば、「TPP参加反対」といった農政への意見をあげる力にもなれると思います。

 なにしろ今は、女性が農業委員に立候補しようものなら、男性農業委員の立候補を取りやめてでも増やさねば、という情勢です。農民連の女性農業者のみなさん、今こそ農業委員に立候補して、地域の農業を守っていきましょう。

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(新聞「農民」2011.6.13付)
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2011年6月

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