農・農研第27回研究大会テーマ「震災復興めぐる協同の課題」
「人間の復興」を第一に農業・農協問題研究所は6月5日、東京・新宿農協会館で第27回研究大会を開き、「震災復興をめぐる協同の課題」のテーマで討論しました。「震災救援・復興への課題」について、岩手県農協労組の細川忠雄さんは、「農協労組も独自に救援、要望の聞き取り、生活再建の支援に精力的に取り組んでいる。足を運び、話を聞くなかで要求がでるようになった。“縁”とか“つながり”のありがたさを実感した」と語りました。 宮城県農協連合労組の木村純一さんは、県知事が推進する、農地や漁港の集約化、大手ゼネコンに丸投げの復旧事業を内容とする「特区構想」では村も浜も再生しないことを指摘。県民の声を無視する県の姿勢を厳しく批判し、「協同運動の再構築こそ農村集落や浜を救う」と述べました。 福島農協労連の渡辺勝義さんは、「原発事故の収束、避難解除が大前提であり、全面賠償なくして復興はありえない」と強調しました。 また、原発から20キロ圏内のJAふたばでは、全店舗が業務休止状態となり、避難区域に該当するJAそうまは、直売所の営業停止や臨時職員の解雇などが行われていることを紹介。「新たな事業への挑戦が求められていると同時に、事業の見直しで業務停止や縮小が起こり、職員の雇用の継続も大きな課題になる」と報告しました。 京都大学大学院の岡田知弘教授が「東日本大震災復興をめぐる二つの道」のテーマで報告し、構造改革、TPP、消費税増税を中心とした「創造的復興」と、被災者の生存権を基本においた「人間の復興」路線との対立が明確になっていることを指摘。「被災者の暮らし再建を第一にした『人間の復興』政策こそ必要だ」と述べたうえで、「自然との共生をはかる自足可能な人間社会の再構築を」と呼びかけました。
(新聞「農民」2011.6.20付)
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[2011年6月]
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