本の紹介
小倉正行+合同出版編集部編
これでわかるTPP問題一問一答
「TPPって何?」58項目でわかりやすく
東日本大震災で、TPP(環太平洋連携協定)参加問題の議論は、一時、“下火”になった感がありましたが、菅首相は「第3の開国」をいっこうにあきらめようとしていません。
本書は、TPP参加には明確に反対するという立場で編集されています。そして、基礎的な情報も提供されないまま、国のあり方を大きく変えてしまうことにつながるTPPとはどういうものなのか。「TPPって何?」ととまどっている市民や主婦、若者などにも理解しやすいように、58項目の一問一答で構成しています。資料の出典や専門用語の解説もそれぞれのページの下に記載されており、たいへん便利です。
章立ては7つ。「TPPとはどんな協定なのか」に始まって、「米国と日本の財界のねらい」「日本の農と食を破壊するTPP」、「TPPで脅かされる食の安全・食糧主権」、「労働市場に起こっているこれだけの問題点」、「TPPで日本農業が再生するという虚言」、そして最後に「TPPに参加しないと日本の成長がないという妄説」です。
著者は、東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏や京都大学大学院教授の中野剛志氏のほかに、農民連の真嶋良孝副会長、全労連、民医連の役員、そして日本共産党国会議員団の政策秘書グループ(6人)というユニークなメンバーです。
編者や著者たちが願っているように、本書をおおいに読んで学び、TPPに参加しないという世論を大きく盛り上げていきましょう。
▼定価 1400円+税
▼合同出版 TEL03(3294)3506
(新聞「農民」2011.6.20付)
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