仮設住宅新築祝い餅つき
宮城農民連 東松島市矢本地区
山形・長野・横浜・東京から70人がかけつける
宮城農民連が企画した「仮設住宅の新築祝いを餅(もち)つきで行おう」。6月12日、宮城県東松島市矢本地区にある仮設住宅に、山形県農民連や長野県信濃町の災害支援連絡会、横浜市のみどり共同保育園、東京の日本販売農協連合会などから約70人が駆けつけました。
会場の仮設住宅には、すでに290戸が入居。“自宅避難”している周辺の住民などにも案内し、炊き出しには1000人近くが長蛇の列をつくりました。また、全国の農民連から寄せられた米や野菜が配布しました。
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子どもたちがお母さんといっしょにもちつき。「よいしょ!」 |
山形・庄内産直センターとみどり共同保育園は、きなこ餅200食、あずき餅200食、紅白の餅500食、庄内雑煮汁500食などを提供。深夜12時に出発した長野県信濃町の災害支援連絡会は、疲れも見せず、冷凍よもぎや新鮮な笹の葉などをもとに、笹よもぎ餅700食や大根おろし餅などの炊き出しを行いました。
餅つき大会には、仮設住宅の子どもたちが重たいきねを「よいしょ、よいしょ」と振り下ろしていました。仮設住宅の住民や地元の農民連会員が笹(ささ)餅づくりに参加し、笹餅の作り方や復興の状況、日々の暮らしに話が盛り上がりました。
仮設住宅に住む漁師は、「餅の提供は本当にありがたい。何よりも元気が出る。県内の6割を占める東松島市の海苔(のり)業がほとんどダメになり、復興は国の支援なしにはできない。1次産業を国の力で何とか守ってほしい」と話していました。
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山形から長野から横浜から東京から駆けつけた仲間たち |
宮城農民連の鈴木道夫会長は「仮設住宅に入れるのはいいが、食事の配給もなくなり光熱費は自己負担になる。働く場所はほとんどないから収入がない。これでは生活していけない。今後も生活が安定するまで、被災者と心ひとつに息の長い支援を続けたい」と語っています。
(新聞「農民」2011.6.27付)
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