九条の会
発足7周年記念講演会
平和への決意を未来世代に
発足7周年を迎えた「九条の会」は6月4日、「未来世代にのこすもの・私たちは何を『決意』したか」をテーマに記念講演会を開き、2000人が4人の弁士の話に聞き入りました。
哲学者の鶴見俊輔さんは、先人たちの平和への取り組みを示しながら、「9条は何らかの行動と態度の表明によって裏づける方がいい」という言葉を紹介。「9条を守る運動をさらに」と呼びかけました。
3月11日に「すべての原発を止める意思表示をしようと考えた」と振り返った作家の澤地久枝さんは、「それをできるのは市民だ」と述べました。また、原発を止め、いまの電力に合わせた生活に変えるために「世直しが必要だ」と指摘し、「そのよりどころになるのが憲法」と語りました。
憲法学者の奥平康弘さんは、「災害派遣に行った自衛隊が、敵を欺くための迷彩服を着ているのはおかしい」と疑問を述べ、自衛隊や核兵器などについて、あいまいだった憲法の解釈を、「反原発・核兵器廃絶の方向に明確にさせるべきだ」と訴えました。
作家の大江健三郎さんは、「憲法制定の背景には、2度と戦争は繰り返さないという意味が込められている。これを立法事実という」と強調。憲法前文の一節「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」を紹介し、その立法事実が「『決意』という言葉に込められている」と述べました。
(新聞「農民」2011.6.20付)
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