牧草の放射能汚染深刻代替飼料確保・早期賠償を
福島・茨城・群馬の酪農家が農水省交渉原発事故の影響で、牧草から高濃度の放射性物質が検出され、収穫できないという事態が相次ぎ、酪農家は代わりの飼料をどう確保するか、苦慮しています。被害は福島県だけでなく、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県、岩手県など、東北・関東地方にも広がっています。農民連と畜産農民全国協議会(畜全協)は5月20日、除染対策や代替飼料の確保、損害賠償の早期支払いなどを求めて、農水省と交渉しました。福島県酪農業協同組合連合会の阿部正一副組合長や農民連前会長の佐々木健三さんら、福島、茨城、群馬の酪農家ら15人が参加しました。 牧草の損害賠償問題では、農水省の担当者が「実害なので、当然賠償の対象になると考えている。原子力損害賠償請求審査会の『第2次判定指針』に盛り込むよう要請している」と回答。代替飼料の確保対策では、「粗飼料の融通しあえる量を各県に調査するよう依頼している」「運賃補助は第2次補正予算に盛り込む」、「基準値を超えた牧草を牛に給餌(きゅうじ)してどのような影響が出るか、調査している」などの回答がありました。 酪農家からは「20〜30キロメートル圏内の酪農家にはモニタリングすらされておらず、牛乳の出荷のめどがまったく立たない」「死亡した牛は自分で埋めろというが、どうやってやるんだ」「汚染された牧草はわが家だけでも500キログラムロールで1000本もある。どうやって処理すればいいんだ」など、切実な実情が訴えられました。 第1次補正予算で不十分ながらも一定の対策が打ち出されましたが、原発被害については「東電に一義的責任がある」として政府の対策は何もなく、そのしわ寄せが生産者に押し付けられています。原発の「安全神話」とはこれほどひどいものかと、改めて思い知らされた交渉でした。
今年度第1次補正予算成立
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[2011年6月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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