宮城へ支援物資を積んで1700キロ
口蹄疫(こうていえき)支援の恩返し
宮崎県農民連
避難所・鳴子温泉「農民の家」
宮城県連と共同
宮崎県農民連は6月5日、被災地・宮城県へトラックで駆けつけ、宮城県連と共同して避難所炊き出しを行いました。
都北農民組合書記長の有田辰二さん、中央農民組合書記長の渡辺道大さん、宮崎県連書記長の来住誠太郎さんの3人で交代しながら運転し、2日がかりで走行距離はなんと1700キロ。トラックには、でこん(大根)、にんじん、玉ねぎ、キャベツ、きゅうり、ピーマン、トマトなどの野菜に加え、農民連や民商、新婦人、県労連などでつくる「口蹄疫対策県民ネットワーク」が提供した宮崎牛が満載です。
輪になり食べる
炊き出しを行った避難所は、鳴子温泉郷の「農民の家」。ここは日本で唯一の“温泉農協”で、東松島市と石巻市の約130所帯の方々が避難生活を続けています。この間、継続的に支援を行なってきた宮城県連事務局長の鈴木弥弘さんが理事を務めています。
避難所のみなさんは、遠く宮崎から支援に来たことに感激し、「食事は部屋に持ち帰らず、みんなで輪になって食べよう。その方が私たちにも励みになる」という役員の提案で準備を進め、「農民の家」も会場の確保やおにぎり、きのこ汁の提供など全面的に協力してくれることになりました。
おいしい牛肉と野菜
明日への大きな力に
宮崎牛の串も…
炊き出しに先立ち、避難所のみなさんによる歓迎のセレモニーが行われ、「農民の家」や農民連の代表に、女の子から感謝の花束が贈られました(写真上)。そして宮崎牛の串、約300本を炭火焼きにして被災者に提供しました。「こんなにおいしいお肉は初めて。元気が出ます」「宮崎もたいへんだったんだね」などと交流しました(写真下)。また持ち込んだ野菜は、一人ひとりに小分けして配布し、自炊室付きの温泉宿のためたいへん喜ばれました。
支援受けた宮崎
宮崎県連の来住さんは、「宮崎は口蹄疫や鳥インフルエンザ、新燃岳噴火と度重なる災厄に全国から大きな支援を受けた。だから被災の辛さも支援のありがたさもよくわかる。震災直後から支援物資は何度も送ってきたが、なんとしても現地に足を運んで恩返ししたかった。宮崎と宮城は1700キロの距離だけど、日本は一つだと強く感じた。これからも支援を続けるのでがんばってほしい」とエールを送りました。
これに応えて、被災者の世話役、大友昭子さんは「おいしい牛肉と野菜で元気モリモリです。明日への活力となり、力いっぱい前を向いて、復興にむけみんなでがんばります。生活が落ち着いたら、宮崎に遊びにいきたい」と話していました。
(農民連ふるさとネットワーク 笠原尚)
(新聞「農民」2011.6.20付)
|