2002年12月
■2002年12月23・30日(第568号)
- 政府は主食“米”に責任を持て 米価の回復こそ対策の柱(1/2)/(2/2)/消費者としても許せない/ドロ船の「経営安定対策」/生産者、米屋、消費者が一体となって
- 政府・農水省は12月3日、「競争力のない産業は撤退してもらう」という小泉「改革」のもとで、日本を「米を作らない国」にすることをねらった「米政策改革大綱」を決定しました。
- 「再生プラン」と農地制度「改革」―(6)―
- 前々回に掲げた表に見られるように、90年代以降も食料自給率は下がり続け、農家の数は減るものの農地の面積も減少しており、作付のべ面積はもっと速いテンポで減っています。農地減少の主な理由は、都市化と開発による非農地への転用および耕作放棄地の増加で、耕作放棄地は2000年には34万ヘクタールを越えました。耕作放棄と作付減退の主な原因は、稲作減反と麦類、豆類などその他の普通作物が引き合わないことです。
- 茶巾しぼりに挑戦の双子
- 新潟県の新婦人と農民連共催の産直収穫祭が11月23日、三条市で行なわれ、130人が参加し、交流を深めました。
- 誰でもできる無農薬・有機稲作(5)
- 昔から苗半作と言って、プロの農家は苗づくりにさまざまな工夫をこらしてきました。無農薬・有機稲作では苗七分作と言っても良いくらい、苗の良否が抑草技術や本田での生育に決定的な影響を与えます。
- 市民の力で中止に
- 愛知県は5日、アメリカの多国籍企業モンサント社と愛知県農業総合試験場が共同開発をすすめてきた遺伝子組み換え稲「祭り晴」の商品化を断念する方針を明らかにしました。
- 市民の力で中止に
- 小学校教師をしていた岩手県の北舘賢さんは在職中、子どもたちの農業学習に力をいれてきました。退職後も農村ルポなどを盛岡民主文学に投稿しています。農民連には十数年前に加入、「農民連のサポーター」を自負しています。「12・4集会」に参加した北舘さんから寄せられたルポを紹介します。
- 旬の味
- 私の地域では毎年12月9日、七福神のひとり大黒天を奉り「大黒様の年夜」を行う。大黒様の掛け軸や置物を奉った祭壇にご馳走を作ってお供えし、家族皆が手を合わせる。今年の収穫に感謝して子孫繁栄を願い、ご馳走をいただく習わしだ
■2002年12月16日(第567号)
- 国の責任放棄は許せない!/全国食健連大収穫祭
- 「農民がこんなに大勢、東京に集まったのを見るのは初めてだ」。多くの参加者が目をみはりました。「国民の主食・米と田んぼ、ふるさとを守れ」と全国から集まった人々は、約2000人。前日には、日本を“米を作らない国にする”ことを狙った「米政策改革大綱」が出たばかり。師走の4日、嵐もようの風雨がたたきつける霞ヶ関の官庁街は、終日、農民たちの怒りの声に包まれました。
- 「米政策改革大綱」の撤回を強く要求する
- 一 政府・農水省は12月3日、「米政策改革大綱」と「各関連施策の具体的内容」を決定した。これは、主食・米の供給と価格の安定に対する政府の責任を全面的に放棄し、日本を「米を作らない国」にすることをねらったものであり、「競争力のない産業は撤退してもらう」という小泉「改革」の一環である。農民連は、こういう凶暴で冷酷な政策の撤回を強く要求するとともに、食糧法改悪など「大綱」の具体化に反対してねばり強くたたかうことを宣言する。
- 農民連女性部が農水省交渉/食品分析センター募金者氏名
- 農民連女性部は11月25日、女性部単独で初めて農水省と交渉を行い、米問題をはじめ、セーフガードの発動や、農業女性の地位向上の施策、加工や直売への補助などを要求しました。
- 「再生プラン」と農地制度「改革」―(5)―
- 高度経済成長政策を自民党政権が明確に打ち出したのは、「60年安保」後のことでした。61年制定の旧農業基本法は、その農業版でした。
- 読者からのお便り
- 笑顔が楽しく毎日通いたい/元気強さに心うたれる
/オバケよりも怖いものは…
- 誰でもできる無農薬・有機稲作(4)
- 有機栽培というと化学肥料を高価な有機質肥料に変えただけ、という人が結構多くいます。高い肥料を入れて味を良くしたから高く売らなければペイしないということで、特別価格を望むことになりますが、これでは21世紀の時代的要請に応えた価値ある有機栽培とは言えません。
- “食の安全”考える講演会
- 「それでも食べますか! 食を考える講演会」が11月17日、北海道釧路市のアクアベールで開かれました。講師は、輸入食品から相次いで残留農薬を検出してマスコミでもすっかり有名になった農民連食品分析センターの石黒昌孝所長。農民連釧根地域協議会が主催し、消費者団体、農民団体、労働団体、民主団体などに呼びかけて開催しました。
- みかん狩り/喜志冨美代さんの感想
- 愛媛県菊間町の私のみかん園で11月10日、障害者らがみかん狩りを楽しみました。松山市の民間の障害者団体「障害者の自立支援センター」が呼びかけ、恒例の行事となり、今年で8回目になりました。松山市をはじめ伊予市、北条市、松前町などの県内各地、遠くは神戸市から障害者9人(車イス使用者6人)を含む31人が参加しました。
- 四季折々の絵手紙
- 茨城の常陸野農民センター女性部絵手紙サークルは毎月第1と第3の火曜日に集まり、絵手紙を楽しんでいます。
- 旬の味
- 10月28日付の本欄で雪虫について書いたところ、読者から「やちだもとは何か」との問い合わせがあったので紹介します
■2002年12月9日(第566号)
- 農民連とお米屋さんの収穫祭/ワラ細工教室に反響
- 農民連のお米を卸から仕入れている東京、神奈川、大阪のお米屋さんが11月23日、収穫祭や講習会を同時開催しました。東京で四軒、神奈川一軒、大阪一軒。これまで東京だけだったのが、地域も広範囲になりました。
- 米「改革」には絶対反対
- いま政府が進めている米政策の見直しは、日本の農業・米づくりをどう発展させるかという発想から出てきたものではありません。単に農政は金がかからなければいいというところから出てきたもの。こんなことがやられれば水田地帯の農村は崩壊します。稲作は日本農業の根幹であり、絶対反対です。
- 稲経や転作奨励金の廃止許せない!/農家への融資“貸し渋り”
- 「一俵3000円の米価で、どうして農家が暮らしていけるのか」「北海道の稲作の130年の歴史が閉じかねない危機だ」――。北海道農民連が11月21、22日に行った道庁、JA道中央会、ホクレン、信連との交渉には、全道から約60人の農民が参加。農家の窮状を訴えるとともに、国が進める「米政策見直し」に対して、農家の要求にそった要望書をあげるよう求めました。
- ◆ご協力ありがとうございました
- 食品分析センター募金者氏名(敬称略)
- 「再生プラン」と農地制度「改革」―(4)―
- 戦後改革のなかでも農地改革が果たした役割は決定的でした。国の発展段階が、軍閥と地主と財閥が支える天皇制絶対主義の国家から、対米従属・依存的で大企業中心ながらも資本主義の国になれたのも、社会がかなり民主化できたのも、食糧難が比較的早く解決できたのも、1955年頃から急速な経済成長を始められたのも、みんな農地改革の成功が大きな原因の一つとして関係しています。
- 農民連第十五回定期大会決議(案)/I/II/III/IV/むすびに
- 輸入の激増と米価をはじめとした農産物価格の暴落、日本の畜産を根底から揺るがしたBSEの発生など、農業と農民経営の危機は重大であり、農民の苦悩は深まるばかりです。こうした事態を引き起こした政府は、農政の破綻を棚上げし、WTO体制のもとで大企業の農業・食料支配を強め、主食に対する国の責任を放棄して、ますます農民に困難を押しつける農業版「構造改革」を推し進めようとしています。
- 兵庫収穫祭に四千人/青年部が収穫感謝祭/大雪で果樹に被害
- 兵庫収穫祭が11月10日、神戸市西区の高塚公園で開かれ、4000人が参加し、さわやかな秋晴れの一日を過ごしました。
- 11・23 お米屋さんの収穫祭
- ○…「わぁ、一等賞だ」と歓声をあげるお母さん。クジを引き当てた子どもさんは緊張気味に北海道沖獲りの新巻鮭を抱えます。
- サツマイモ掘り/「蜂屋柿」
- 新婦人新潟支部親子リズムの親子約30人が10月12日、新潟県笹神村の町田拡さん(新潟農民連会長)の畑に集合し、サツマイモ掘りをしました。初めて参加した人たちも何組もいました。
- 演劇/「りんりんりんごの木の下で」
- 演劇集団・円のこどもステージは、子どもと親がともに喜び楽しめる舞台をめざしてきました。女優の岸田今日子企画による谷川俊太郎、佐野洋子、別役実などの書き下ろし作品を上演、児童劇に新しい可能性をつくり出してきました。今回は別役実の新作「りんりんりんごの木の下で」を上演します。
- 旬の味
- もう日本人は「上をむいて歩こう」をやめる時ではないだろうか。涙がこぼれないように歯をくいしばって頑張って上をめざすのではなく、視点をもっと下げて生きたらどうだろうか。その時、今まで見えなかったものが見えてくる気がする
■2002年12月2日(第565号)
- 安全なもの食べたいあなたに
- 僕が初めて青年劇場の脚本を書いたのは、いまから12年前の「遺産らぷそでぃ」(山下惣一著『ひこばえの歌』原作)ですが、非常に面白い原作でしてね。遺産相続の話ですが、突然叔父さんが相続を仕切りはじめて、主人公に向かって「兄弟たちに200万円ずつ払えばお前は農家をずっとやっていける」と言うのです。主人公のためを思っているように見えますが実は《胆がある。農家ではほとんど相続をしていないわけです。現段階で相続をするためには、前の代の相続をしてからでないとできない。そうすると、その叔父にも取り分が出てくる。そういう《胆があって、主人公が抵抗すると今度は農業なんてもうやめてしまえと言い出すわけです。
- なぜ米危機の“戦犯”高木氏が検討の中心なのか
- 食糧庁の生産調整研究会の検討は大詰め。石原食糧庁長官は「過剰米処理と国の責任を除けば、ほぼ最終的な姿が見えてきた」と自民党に説明したとのこと(11月20日)。
- “反対の声”知らぬふり/首長、組合長が続々賛同
- 農民連と全国食健連は十一月十四日、米政策の改悪をやめ、米価の安定に国が責任を持つよう求めて、農水省と交渉しました。食糧庁は生産調整研究会に、稲作経営安定対策も、転作奨励金も廃止し、米価を市場原理にゆだねて買いたたきを野放しにする案を提出。こうした“米つぶし”に対して、各地の自治体が反対の意見書を採択し、首長や農協組合長も怒りの声をあげています。
- 「再生プラン」と農地制度「改革」―(3)―
- 21世紀に入って2年目が終わろうとしている今年は、第二次大戦の終結からは57年になります。戦前の国民の無権利や農村における地主制の支配と農民の暮らしの貧しさを体験的に知る人は、当然のことながらごく少数になっています。
- 南アルプスの麓でリンゴ狩り
- 十一月九日、静岡県の三島市、長泉町の消費者44人が、長野県松川町を訪ねて、リンゴ狩りを楽しみました。
- 誰でもできる無農薬・有機稲作(3)
- アジアモンスーン地帯と言われる日本や韓国は植物が大変良く育つ地域です。こうした豊かな緑は、無数の微生物が動植物の死骸を分解し、幼い植物に養分を供給して新たな草木を育てる大循環を表した姿です。
- HAPPY料理/常に消費者とともに歩むことを忘れずに
- 今回は、里芋600g、ほうれん草300g、なす2本、トマト500g、ピーマン200g、にんじん600g、レタス1個500g、しいたけ100g8品1200円です。この季節にトマトはどんな味だろう…と食べてみると、甘くてさわやかな味です。さすが産直、と納得。このごろ寒くなってきたので、今回はトマト、レタスなど夏野菜のイメージがあるものもあえて、冬向けの料理として温かく作ってみました。
- 「サイトウ・キネン・オーケストラ」を聴いて/白鳥が初飛来
- 9月、松本市に今年もまたサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)がやってきた。斎藤秀雄という一人の音楽教師を記念して、世界の第一線で活躍している100人もの教え子たちが集まってオーケストラとフェスティバルをやるというのは、世界でも珍しいという。
- 『新日本婦人の会の四十年――1962〜2002』に寄せて
- 90年以降、「日本農業を守ろう」と農民連と提携し、全国で産直運動に取り組んできた新婦人の、結成から現代にいたる運動が生きいきとまとめられています。
- 農の考古学(26)(最終回)
- これまで日本列島の農耕の歴史をたどってきました。そこでは、私たちの先人が、いかに大地にはたらきかけ、苦心して農業生産を行ってきたのか、をみてきました。
- 旬の味
- 近のニュース報道で感じていることを書きたい。以前、ソ連が崩壊した時、「社会主義ダメ。資本主義万歳」と、洪水のように茶の間に流したアメリカと日本の報道機関と支配層
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