演劇

演劇集団・円　こどもステージ

「りんりんりんごの木の下で」

　演劇集団・円のこどもステージは、子どもと親がともに喜び楽しめる舞台をめざしてきました。女優の岸田今日子企画による谷川俊太郎、佐野洋子、別役実などの書き下ろし作品を上演、児童劇に新しい可能性をつくり出してきました。今回は別役実の新作「りんりんりんごの木の下で」を上演します。

　ある朝目がさめて、少女は思わず「りんりんりんごの木の下で」と歌ってしまいました。でも、つづきを歌おうとして少女は気がつきました。「次は何だったかしら？」。少女は昔の「思い出」に手紙を書きました。そしてある日、その返事が返ってきました。思い出の郵便配達が赤い自転車に乗って。このお芝居は、ここから始まります。タイトルは北原白秋の「りんりん林檎の」の歌からとられています。今回、作品の中でうたわれる歌は女優の南美江がよくうたわれているものを、作曲家の小森昭宏が採譜したものです。

　演出の小森美巳さんは「別役さんの作品は、このようにやれば大丈夫というものは、ひとつもありません。毎回違う考え方でつきあわなければなりません。今回も、シャガールの絵のように、といわれていますが、作家のイメージを探りあてて、自分のイメージをどのようにつきあわせていくのか、そこが面白いし苦労のしどころです。テーマは“思い出す”ということになります。ひとりの少女を中心に、思い出の中で楽しく過ごすことと、現実にめぐり合うことができることとが、壮大な時間のなかで過ぎていきます。どこまでが思い出で、どこまでが現実か、その区別ははっきりしないんですね。でも、子どもたちがどのように感じてくれるか楽しみです。説明的にはしたくないですから…」と語ります。出演は三谷昇、山岡廣美、佐々木睦、石住昭彦ほか。

　＊12月19日〜28日、東京・両国・シアターＸ（カイ）、1月11日湘南台市民シアター、2月15日〜16日キラリ☆ふじみ。連絡先＝円　電話03（5828）0654