「農民」記事データベース20021209-566-10

農民連第十五回定期大会決議(案)

関連/I 農業、暮らし、平和を踏みつぶし、日本を破滅させる小泉政治と国民の対決の情勢
   II 農民連のたたかいと国民との共同によって切り開いた成果――一年を振り返って
   III 米・農業つぶしを許さず、暮らしと農業経営を守る運動方針
   IV たたかう主体的力を――組織の拡大と新聞「農民」の購読を広げよう
   むすびに


むすびに

 小泉「改革」は、政策によって国民の暮らしや地域経済、農業を破壊するだけではありません。新たな価値を生み出す生産と労働、人々が生活のなかで営々と培ってきた文化、人間を大切にし助け合い支えあって生活することをあざ笑い、カネでカネをもうけることを物差しとした政治です。

 長野県知事選挙での田中知事の圧勝、秋田県湯沢市や福島県霊山町など、相次いでいる革新・民主の首長の誕生は、悪政を進める勢力があざ笑う国民のエネルギーの底知れない大きさを示しています。いっせい地方選がたたかわれ、解散・総選挙も話題にのぼっているなかで、政治を変える流れを加速させるたたかいを広げることが重要になっています。

 同時に私たちが注目すべき点は、国民のなかに失望が広がり、農民の生産意欲の低下という側面があることは事実ですが、国民の奥底にある健全で前向きなエネルギー、農民のなかにある生産への誇りは決して衰えていないということです。

 国民は、美しい景観を維持している農山村に安らぎを求め、地元ならではの安全でおいしい食べ物を探しに田舎通いをしています。関東ネットの「アンテナショプ」には本物の農産物、田舎の香りを求めて消費者が通い詰めています。青年部が取り組んでいる「農業ボランティア」に参加した高校生が、匠としての農民の労働や技術、農産物の生命に感動し、東京のある私立高校では学校あげて農民連会員の農家に泊まり込み、これが縁で親戚づきあいとなる例も珍しくありません。リストラされて展望を失った兼業農民が、農民連と一緒に野菜を作って元気を取り戻したり、「農業はだめだ」が口癖の高齢農家が、農民連に呼びかけられて、得意の作物を作るようになり、自分の経験や技術を先生になって得意気に語るこうした取り組みのなかには失望はなく、あるのは感動であり、連帯・共感です。

 こうした運動を、広範な人たちと共同してあらゆる地域で展開し、農業を続けてよかったと思える状況を作る――これが農民連の役割です。攻撃や困難に立ち向かい、団結して運動を前進させましょう。

〔前ページ〕<< □         

(新聞「農民」2002.12.9付)
ライン

2002年12月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2002, 農民運動全国連合会