「農民」記事データベース20021230-568-08

旬の味


 私の地域では毎年十二月九日、七福神のひとり大黒天を奉り「大黒様の年夜」を行う。大黒様の掛け軸や置物を奉った祭壇にご馳走を作ってお供えし、家族皆が手を合わせる。今年の収穫に感謝して子孫繁栄を願い、ご馳走をいただく習わしだ▼膳には「ハタハタの田楽」「米炒り菓子」のほか「黒豆ご飯」「納豆汁」「豆腐田楽」などの豆づくし料理が並ぶ。昔は収穫した大豆でご馳走を作っていたが、豆腐・納豆・味カイなどは購入するものとなった。大豆の自給率五%のもと、この伝統の「膳」に少々複雑な心境である▼収穫が喜べるどころか、政府は来年五万ヘクタールもの減反拡大と、国の需給責任を放棄する米改革で農家を切り捨てようとしている。子孫繁栄どころか医療制度を改悪し、不良債権処理で雇用不安を加速させている。そのうえアメリカの戦争に荷担するとは▼満面の笑みの大黒様も、この小泉不良政権の横暴には怒り心頭だと思う。まめまめしく働き続けてきた我ら農民、労働者の怒りを、堰を切ったように押し出し、危険な逆流をはねかえそう。

(巌)

(新聞「農民」2002.12.23・30付)
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2002年12月

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