「農民」記事データベース20021202-565-07

産直ボックス丸ごと使って

HAPPY料理

料理研究家 吉田文子さん

関連/常に消費者とともに歩むことを忘れずに


 今回は、里芋600g、ほうれん草300g、なす2本、トマト500g、ピーマン200g、にんじん600g、レタス1個500g、しいたけ100g8品一二〇〇円です。この季節にトマトはどんな味だろう…と食べてみると、甘くてさわやかな味です。さすが産直、と納得。このごろ寒くなってきたので、今回はトマト、レタスなど夏野菜のイメージがあるものもあえて、冬向けの料理として温かく作ってみました。

 ●1日目

*にんじんのひき肉挟みフライ*

 ひき肉生地を作る。ひき肉(今回は牛を使用。豚・鶏でも)100gに塩小さじ1/2を入れて練り、たまねぎ細かいみじん切り100g、卵1個、パン粉大さじ2、こしょうを加えてさらに混ぜる。にんじんは太い部分を5mmの厚さの輪切りにする。2枚で1個作るので40枚切る。片面に小麦粉をつけ、ひき肉生地をはさみ、小麦粉↓卵↓パン粉の順につけて、油で揚げる。揚げ始めは170度くらいの油の温度でフライ衣を少し固め、火を弱めてゆっくり時間をかけて中までよく火を通し、最後に火を強め、油の温度を上げて、カラッと油ぎれをよくする。揚げバットなどに重ねないようにあげる。

 少々揚げ方にコツがいるが、にんじんのおいしさを味わえる。

*レタス・えび・しいたけのとろみスープ*

 ●2日目

*ほうれん草と鮭のクリームソースパスタ*

 ●3日目

*里芋の和風味コロッケ(レタス・トマトを添えて)*

*にんじんとくるみの白和え*

 ●4日目 *トマトとなすの重ねグラタン*

 なす2本は5mmの厚さに輪切りにして皿の上などに並べ、塩小さじ1を両面にふり、しばらくおいておく。水分が出るのでペーパータオルなどで取る。フライパンにオリーブ油(又はサラダ油)大さじ1を熱し、炒める。火が通ったら取り出しておく。

 そのフライパンに再びオリーブ油小さじ1(又はサラダ油)を入れ、ひき肉100g、たまねぎみじん切りを炒め、塩小さじ1/4、こしょうで味をつける。

 グラタン皿(4人分を1皿にしても、1人1皿にしてもよい。写真は2人分)にトマト400gを5mmの厚さに輪切りにしたもの、なす、ひき肉の順に斜めに重ねるようにして入れ、ピザ用チーズ120gをかけ、250度のオーブン(1人用皿なら、オーブントースターでも)で10分、チーズがきつね色になるまで焼く。

*ピーマンとジャコのきんぴら*

今回はここまででした。


常に消費者とともに歩むことを忘れずに

神奈川県・小田原市

 写真〈写真はありません〉は、小田原市小竹の小沢和義さん。定植前の玉ネギの苗に水をやっています。もうひと月、神奈川県ではまともな雨がふりません。

 背景の山は右奥に高く広がっています。この、かつてのミカン山に、大規模な開発計画が持ち上がったことがありました。艱難辛苦、十数年、農民組合、県連はじめ多くの支援と、七人の農民の農地を守る運動は実りました。「農業を続けたい。続けよう!」という意志を、家族ともども試された七人は今、なぜ農業なのか? を自分たちに問い続け、地域の消費者にも語りかける直売所「かあちゃんの店」を運営しています。

 大規模開発に立ち向かって農地を守り抜くことに明け暮れてきた神奈川の農民運動を支えてきたのが、消費者の運動です。地産地消を訴えて生産者と共に運営しながら産直を続け、今年二十四年目を迎えた「生産者と消費者が手をつなぐ会」は、「農地を農業のために使いたい」という農民の心を支持してきました。この写真を見て「あっ! あそこだ!」と声をあげる消費者は少なくないのです。

 子どもが小さかった頃は、ホームステイを受け入れ、近年は、収穫などの援農を兼ねることも増えてきました。小沢さんだけではありません。消費者と生産者が本気で話し合うための取り組みを、多くの生産者が重ねてきました。このような消費者とともに歩む運動が、ますます重要になっていると、日々、思いを強くしています。

 消費者と生産者が、農業を日々の暮らしのド真ん中に据えて目を凝らした時、視線の交わるところに結ばれるものこそ、農業を大切にした心豊かな未来なのだと思います。

(神奈川農畜産物供給センター 三好豊)

(新聞「農民」2002.12.2付)
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2002年12月

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