「農民」記事データベース20021202-565-09

本の紹介

『新日本婦人の会の四十年――1962〜2002』に寄せて

農民連女性部長 高橋マス子


 九〇年以降、「日本農業を守ろう」と農民連と提携し、全国で産直運動に取り組んできた新婦人の、結成から現代にいたる運動が生きいきとまとめられています。

 野菜ボックスを介しての長いお付き合いから、米パニックのときは「米を守る新婦人の五カ条」を発表し、ともにコメ輸入自由化反対をたたかい、最近ではベビーフードの残留農薬問題で、厚労省に改善を求めて機敏な行動を起こした新婦人。私自身も子育てや農作業の合間に、新婦人の班会に参加しておしゃべりをし、要求解決のよりどころにしてきましたが、この「四〇年」を読んで改めて新婦人の素晴らしさや運動を知ることができました。

  新婦人は一九六二年、平塚らいてうや羽仁説子、丸岡秀子ら三十二名のよびかけで、立場や思想の違いを超えて行動する全国統一の、新しい婦人組織として誕生しました。「みんなで話し合い、みんなで行動し、力を一つにしましょう」と三万五千余人で発足した草創のころの活動ぶりに、いま日本で最も大きい女性組織としての面目が伺えます。女性が集まれば、ごみの問題から職場のこと、基地の問題まで、山ほどの幅広い要求が出され、行動の原動力になっています。家賃値上げ反対や側溝改修などこまごまとした要求運動から、安い日用品の共同購入やこども服の譲り合い、被災地への救援活動など、助け合いと友愛の仲間作りが「班」を基礎に、都市でも農村でも進められました。

 六〇年から七〇年代には、「ポストの数ほど保育所を」の運動や交通事故から子どもを守る運動、ベトナム戦争反対、革新自治体の誕生など、八〇年代には男女平等の実現や核兵器廃絶などの運動、九〇年代は教育や食料、環境を守る運動、要求別子組の組織作りと年代を追った新婦人の取組の歴史は豊かで幅広く、今後の発展が期待されます。

(新聞「農民」2002.12.2付)
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2002年12月

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