消費者、労働者と連帯 冷雨の中、全国から2000人国の責任放棄は許せない!
お米と田んぼ、ふるさと守れ12.4中央行動「農民がこんなに大勢、東京に集まったのを見るのは初めてだ」。多くの参加者が目をみはりました。「国民の主食・米と田んぼ、ふるさとを守れ」と全国から集まった人々は、約二千人。前日には、日本を“米を作らない国にする”ことを狙った「米政策改革大綱」が出たばかり。師走の四日、嵐もようの風雨がたたきつける霞ヶ関の官庁街は、終日、農民たちの怒りの声に包まれました。「今年は雨続きで、まだ秋じまいが終わっていない。それに兼業農家だから勤めもある。だけど、国が米から撤退するなんてことは初めてのことだ。許せない。今たたかわずして、いつたたかうのか」。綿入れ半纏を羽織り、背にケラ(蓑)をつけ、タオルでほお被り。そんないでたちで、静かな語り口で話す岩手県農民連委員長の阿部四郎さん。岩手からは米農家を中心にバスで三十九人、電車で七人が参加しました。 福島・浜通り農業を守る会は七自治体から七万円のカンパを集めて、二十人で参加しました。中井信也事務局長は「米がつぶれれば農業がだめになる。農業がだめになれば地域が崩壊する。自治体の危機感は強いものがあります」といいます。 農水省、厚労省、文科省、内閣府との交渉は午前十一時から始まりました。米問題での交渉の場となった農水省の会議室には七十人余が詰めかけ、あふれんばかりです。 口火を切ったのは新潟県輪島村で水田十六ヘクタールを耕作する丸山茂さん(63)。 「米価を安くしているミニマム・アクセス米を廃止してほしい。少なくともブレンドされないように厳しく監視すべきだ。それに、米価が下がっているんだから、生産資材を下げるよう指導してほしい。大規模農家ほど倒産寸前の状況だ」 丸山さんは、農水省にひとこと言いたくて、農民連の集会に初めて参加しました。
MA米の削減・廃止をWTOで農民たちは次々と手を上げ、堰を切ったように思いをぶつけます。 「農水省が国民に求めたパブリックコメントでは、輸入米は国内米価に影響あり、というのが多数を占めていた。これは今度の大綱にどう反映しているのか。大綱の根幹にかかわる問題だ。きちんと答えてほしい」 「MA米を削減、廃止するのかしないのか。農家がこれだけ困っているのだから、あなた方が『廃止する』とWTOで言うかどうかだ。どうなんだ!」
生産費を償う米価の保障を午後一時すぎ。全国食健連・農民連が主催する中央集会会場の日比谷野外音楽堂。「外米を減反してオレラ農民につくらせろ」「米づくり つぶされてたまるか」のムシロ旗が揺れます。吐く息も白くなる、冷たい雨の中。それでもみんな元気です。 二体の案山子をもって登壇した農民連女性部は、「生産費を償う米価を保障せよ」と訴えました。 「農協を回る運動をやってきたが、どこの農協も生産者価格が上がらないという問題を抱えている。生産だけでなく運動を盛り上げるために力を合わせていきたい」(北海道・農民) 「『大綱』は、流通業者にとっても、生きていけない中身になっている」(東京・労働者) 政党代表などのあいさつに続く、各分野の人々の決意表明に、会場から盛んな拍手、掛け声が上がりました。
公務労組連絡会との共同集会つづく公務労組連絡会が主催者に加わった「いのちとくらし、お米を守れ!国民のための公務員制度を」の共同集会。ここでは、秋田のナマハゲ、アンパンマンなども登場して、軽妙なコントで「小泉改革」を風刺、会場参加者を楽しませました。 この日は、五台のトラクターを先頭に都心をデモ行進。「野菜の宝船」も登場した有楽町マリオン前をはじめ四カ所での昼休み宣伝では、米やダイコン、ホウレン草、ニンジンなどを配って「安全で安心な食料を守りましょう」と訴えました。
12・4中央行動に続き全国食健連大収穫祭「見よ!日本農業の実りはこんなに豊かだ!」――十二・四中央行動に続いて、浅草で行われた「全国食健連大収穫祭」には、全国から大地の恵みが集合しました。雨のなかデモ行進をしてきた参加者は、全身ズブ濡れで会場に到着。お米屋さんや米卸、女性団体や消費者団体なども参加して大いに親交を深めました。会場には、地酒に始まり各地の御馳走がズラリ。チーズ、ワイン、漬物、落花生、二年・樽仕込みのしょうゆ、ミカン、リンゴ、黒豆、手作りコンニャクともるみ味噌、レンコンなどなど…。 とくに足立・ガーデンメッセの直売所の品々は大人気で「味があるね」と大好評の国産小麦パン、豆腐やオカラ煎餅など加工品も堪能しました。 盛り上がりもたけなわとなったところで広島の杉本隆之さんが歌舞伎「日本歌衛門」や「タニシの愛 参り」を披露し、会場は爆笑の渦に。この日衆院農水委員会で“激論バトル”を繰り広げた日本共産党中林よし子議員、翌日に参院で“バトル”を控えた紙智子議員もかけつけ、まさに「たたかいはこれから」。心意気高く、明日への決意を固め合いました。
(新聞「農民」2002.12.16付)
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[2002年12月]
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