農民連女性部が農水省交渉“暴言”の数々に、怒りの声
農民連女性部は十一月二十五日、女性部単独で初めて農水省と交渉を行い、米問題をはじめ、セーフガードの発動や、農業女性の地位向上の施策、加工や直売への補助などを要求しました。 食糧庁など農水省の役人からは、食健連・農民連共同の交渉では決して出ないような農水省の“本音”ともいえる「暴言」が次々と飛び出し、人を食ったような態度とも相まって、女性たちの怒りが噴き出しました。交渉には日本共産党の中林よし子衆議院議員が同席しました。 要旨は次の通り。 農水省 農業をWTOから外すことは包括交渉なのでできない。農産物の価格保障については、新農基法で消費者ニーズに合わせた生産が定められており、価格は需要の反映だ。需要に応じた生産をしてほしい。 食料自給率は下がっている。その原因は米より畜産物や油を食べるようになったから。コストを下げ、ニーズに合った生産が重要だ。セーフガードは十五品目について調査したが、輸入の影響を証明することはできなかった。 農水省 米政策は現在見直し中。何といっても米の消費が減っている。家庭で食事しない、女性の社会進出、離婚率の上昇などが原因だ。売れない米をどうするかが問題。米価の下落は「社会現象」だ。皆さんもユニクロを着るだろう。デフレで物の値段がみんな下がっている。米の値段を下げているのは消費者だ。 女性部 とんでもない!農政の失策ではないか。 農水省 米価を支えるために、税金を投入するのはふさわしくない。コストダウンが必要だ。零細な農家を温存して国民の納得が得られるのか。 女性部 なんということを…。農家は農業をやめるか、死ぬかという状況だ。作らなければ田んぼは荒れる。国土保全はどうするのか。 農水省 しかしそこで売れない米を作るのはどうなのか。他の物を作って下さい。 女性部 何を作ればいいのよ! 今、ここで教えてほしい。この説明では農家は納得しない。 農水省 そう言われてもこれ以上、私も説明できない。日本の消費者は安い物を欲しがっている。 中林議員 では、この女性たちは農業をやめてもいいのか。あなたは自分の発言の意味がわかっているのか。 農水省 …(答えない)。 農水省 農家女性の地位向上や社会参画へは積極的に取り組んでいきたい。インターネットなどでの情報提供や研修の実施、家族経営協定などを推進している。加工・直売への補助では、無利子融資なども設けているので、普及センターなどに相談してくれれば、力になれる。 女性部 無利子融資などまだまだ知られていないことが多い。高齢化が進んでいてパソコンを使えない女性も多いので、もっと現場の女性に情報が届くようにしてほしい。家族協定は家族で話し合うきっかけとしては良いが、こんなに価格が暴落していては、もう家の中の取り決めですむ問題ではない。家族農業が続けていけるような施策を。 農水省 現場の声をよく聞いて、効果的な支援をしていきたい。
食品分析センター募金者氏名(敬称略)第6次分(北海道)新婦人夕張支部(青森)日本共産党青森市議団、坂本悠子(岩手)新婦人盛岡支部(茨城)沼崎幸子(栃木)斎藤和子(千葉)(株)北星(東京)鈴木郁子、公務労組連絡会、光井茂子、岡崎恵子、大島直美、丸岡明子、吉川直美、秋葉泰子、曽根光子(長野)長野県教職員組合(愛知)梶原登喜子(岐阜)岩村農民組合(新潟)佐藤英一、斎藤邦子、町田拡(奈良)峯千代子、新婦人生駒支部るんるん班(大坂)大坂産直センター、北條信一、城勝行、西野昌之、森田カズエ、大西清一、奥辻義信(長崎)橋本瑞江(沖縄)嘉数進、松尾民次郎、我如古盛伸、照喜名朝寿、上原勝国
(新聞「農民」2002.12.16付)
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[2002年12月]
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