「農民」記事データベース20021209-566-15

旬の味


 もう日本人は「上をむいて歩こう」をやめる時ではないだろうか。涙がこぼれないように歯をくいしばって頑張って上をめざすのではなく、視点をもっと下げて生きたらどうだろうか。その時、今まで見えなかったものが見えてくる気がする▼もっといい車に乗りたい、いい暮らしがしたいもいいが、生きてゆくうえで最低の条件を整備するナショナル・ミニマム(国が国民に保障すべき最低限の生活環境水準・角川国語辞典)の確立を求める運動は日本を変えるのではないだろうか。その日本人の「清く美しい姿」を映画「たそがれ清平衛」にみた▼妻に先立たれ、残された幼い二人の娘と病気の老母のために、仕事が終わるとまっすぐ家に帰り、家事と内職に明け暮れる清平衛。良家に嫁いだが婿が酒乱のため、離縁してきた朋江▼清平衛も朋江も「悲しみ」「辛さ」を抱え込んで生きている。しかしその生き様に凛とした品性を持っている。「俗欲」や「虚飾」をそぎとって生きると、人の悲しみや辛さが人々の心をつないでゆくのかも知れない。

(本)

(新聞「農民」2002.12.9付)
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2002年12月

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