2001年4月
■2001年4月23日(第490号)
- ビデオ完成「危ない!! あなたの食と健康」
- お待たせしました。全国食健連と農民連が共同制作したビデオ「あぶない!! あなたの食と健康」がようやく完成しました。
- 抜本的な解決の道は…
- 政府は4月10日、長ネギ、生シイタケ、畳表(イ草)の暫定セーフガード発動を決定しました。政府が史上初めてセーフガードを発動したことは、農民はもとより広範な国民の運動と世論の大きな成果です。
- マスコミの“農業たたき”
- 「消費者利益損なう懸念」「大手スーパーが割高な国内産品の調達拡大を検討」――暫定セーフガード発動でマスコミの“日本農業たたき”がうごめき出した。「輸入野菜は家計の強い味方」と尻馬に乗る消費者団体代表もいる。
- 都(みやこ)風土ネットワーク21
- 食や農に関心を持つ若者が中心になり、昨年京都で結成した「都風土ネットワーク21」(通称“みやfoo”)の活動を紹介します。
- 輸入現場を見学
- 茨城県鹿島港の飼料用輸入トウモロコシの陸揚げと、つくば市の農水省農業環境技術研究所での遺伝子組み換え作物実験ほ場見学バスツアーに消費者、研究者や報道関係、スイスのグリンピースやアメリカ、エクアドルのNGOなど40人が参加。これは千葉・幕張メッセで開かれたコーデックス会議(既報)にあわせ、3月38日に行われたもの。
- 明乳争議団のアンケートと「食の安全を守る提言」から―(1)―
- 「黄色に変色して力チンカチンに固まった脱脂粉乳に、係長は『使用可』の指示を出した」――牛乳の製造に携わる労働者が、現場の実態を赤裸々に語ったアンケート結果が、3月公表されました。
- 分析センターだより/ほとんどの小麦製品に残留農薬
- 昨年からこつこつと小麦製品の残留農薬を調べています。近所のスーパーやコンビニから買ってきた食パンを中心に、ドーナツ、クリスマスケーキなどを分析してきました。びっちりとつまった分析スケジュールの隙に押し込んでデータを集めていますので、まだ検査数は少ないのですが、それでもほとんどの製品から農薬が検出されています。
- “また、みんなで来たよ”/去年農業体験した東京の子どもたち
- 「秋田のお母さん、久しぶり」(と抱きつく)「わぁ、この家、懐かしい」「おじいちゃん、おばあちゃん、久しぶり。元気だった…」
- 歴史息づく レトロな街
- 久しぶりに千葉県佐原市におじゃまし、伊能忠敬記念館を訪ねた。忠敬が約200年前に、測量の旅への一歩を踏み出したのもこの地だった。
- おから料理――おいしい・簡単
- 茨城では、大豆トラスト運動と結んで、手作り豆腐が盛んに作られています。県南農民組合の“手作り豆腐キット”(木枠、布、にがりのセットで2000円)は、約1500個も売れています。
■2001年4月16日(第489号)
- 「輸入急増で価格暴落」を裏付け/さらに幅広い運動広げよう
- 「ネギ、シイタケ、畳表だけでなく、輸入が急増している野菜や果物にもセーフガードを発動せよ」――全国の農家の切実な要求を裏づける事実が明らかになりました。農水省が3月末から4月初めにかけて公表した「農村物価指数」「ベジタブルレポート」によるもの。
- 教育の危機、国民的な視野で解決はかろう
- 学級崩壊、重大犯罪、学力の低下など、子どもと教育の“かつてない困難さ”が指摘されるなか、「いま、教育の危機を考えるつどい」が3月31日、東京都内で開かれました。「地域や家庭、文化、経済といった幅広い視野でとらえて、国民的に解決していこう」と、全教、全労連、新婦人、全商連、都教組、農民連の6団体の呼びかけで開かれた「つどい」。会場いっぱいの200人が参加し、教職員、父母らとともに、農民連の佐々木健三会長が発言しました。
- 農民連が全国代表者会議
- 農民連の全国代表者会議が4月4日、5日、東京で開かれ、約100人が参加しました。会議では、今年1月の第13回定期大会後の税金やもの作りと多面的な産直、セーフガード発動、新聞「農民」と会員拡大など春の運動の経験を交流し、新聞1万部拡大をはじめ要求運動と結んだ4月から6月の「総対話運動期間」に全力をあげようと決意を固め合いました。
- 乳価上げ酪農経営守れ/牛乳産直懇談会開く
- 「1キロ70円。今の乳価は26年前と同じ、これでは日本から酪農がなくなる」――畜産農民全国協議会は3月21日、都内の大手乳業メーカー、明治乳業と雪印乳業の本社を訪れ「乳価を引き上げ、酪農・農業を守るための緊急要請」を行いました。要請では北海道、福島、茨城、岡山の酪農家が直接実態を訴えました。
- 減反集落割当やめよ
- 「地域経済の振興と県民のくらし・福祉・教育の充実をめざす新潟県実行委員会」は3月23日、24日、県などとの交渉や集会、新潟市内のデモ行進を行いました。新潟農民連も県農林水産部などと交渉しました。
- 米選の網目で地協が改革へ
- 農業所得標準を決める際、1.7ミリの網口の米選器を使っているのは、農家にとって大変不利益なので1.85ミリの網目を使うべきだ――と農民連会員の農業委員が農業委員会で提案したのがきっかけで、岡山県邑久地区農業所得標準協議会(会長・立岡脩二邑久町長)が、今年秋から所得標準決定の際には農業委員会長とも協議することを決めました。
- “遺伝子組み換えノー”賑やかに/六百人が議場を囲みパレード
- 遺伝子組み換え食品の国際的な安全基準を決める「コーデックス委員会・バイオテクノロジー応用食品特別部会」(*注)が、3月25日から29日にかけて、千葉県幕張メッセで開催されました。このコーデックス会議と平行して、「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」など国内外のNGO(コーデックスNGO行動実行委員会主催)もパレードや集会などの行動を繰り広げ、「遺伝子組み換えNO!」をにぎやかにアピールしました。
- 組合員自治と民主的運営の後退 (最終回)
- 農協法では、組合設立の自由とその手続きが詳しく定められているにもかかわらず、総合農協を同じ地区内に複数設立することは認められていない。生協では許されている複数設立が、農協ではいたずらな競合を避けるためという理由で、通達によって禁止され、たとえ設立しても知事が認可しない。これは、組合員が脱退して別の総合農協を設立することを事実上不可能にし、「加入脱退の自由」をうたう協同組合原則にも反し、自由な設立を認めている農協法そのものとも相入れない不当な行政介入といえる。
- 生産・流通こぼれ話/流通年報でも輸入の激増は明らか 国は長引く「チョー査」でなく「サッ査」と
- ●『青果物流通年報』…毎年3月頃に発行される資料で、東京都の中央卸売市場の取扱い品目、数量、価格、産地などが記されている。この年報は東京都で毎日集計する資料にもとづいて東京青果物情報センターが作成している。そのメンバーは、東京9市場の全ての卸売会社の社長で、まさに責任ある人たち。資料は正確で、状況のとらえ方もしっかりしている。年報のはじめには、その年の野菜の生産、消費、価格などの動向が特徴的にまとめられている。
- エコ料理
- 日本の伝統食を考える会は今年、創立20周年を迎えます。年々厳しくなる食事情、食環境、生活環境が悪化する中で、21世紀の当会の大きなテーマを「食と環境」にして取り組んでいます。20周年に当たり、数々の記念行事を計画していますが、その第1回として3月27日、地球環境に優しい「エコ料理講習会――旬の素材をいつくしんで」が、会発足の地・大阪市(淡路)の女性いきいきセンター(クレオ大阪北)で開かれました。講師は当会おふくろ講師の私(山崎八重)。
- 長瀞かたくりの郷
- 「わあー、きれい」と歓声をあげる見学者。埼玉県長瀞町に今年3月に開園した「長瀞かたくりの郷」。4月1日に訪ねました。
- 「すずき産地」の八細工七貧乏
- 今年、市役所から約150アールの減反割当が届いています。もちろん言いなりになるつもりはありません。
■2001年4月9日(第488号)
- 暫定セーフガード発動へ
- 一、政府は3月30日、農水・財務・経済産業3閣僚の協議を受け、史上初めて、長ネギ、生シイタケ、畳表(イ草)の暫定セーフガードにむけて動き出しました。政府をつき動かしたのは、農民はもとより広範な国民の力であり、運動と世論の大きな成果です。
- 農業地帯に深い傷跡
- 「ドーンというもの凄い地響きだった。こんな地震は生まれて初めて」「揺れが激しく立っていられないほどで、食器が割れ、本が飛び出し、テレビが落ちた」3月24日に最大震度六弱を記録した芸予地震。被害が最も大きい広島県では家屋の倒壊、瓦の落下、壁のひび割れなどの被害が70市町村で1万9千件近くも発生。農林水産関連では、18億円を超える被害が出ています(3月31日現在)。農民連は3月27日、28日の両日、農民連常任委員の坪井貞夫さんを広島県に派遣し、広島県農民連の吉村正登事務局長とともに農業被害の状況を中心に現地調査を行いました。
- 苦悩する農民の期待に応える要求運動と総対話運動に全力をあげよう
- 農民連は、第13回定期大会の成功や都道府県連大会をバネに税金、もの作りや流通との提携・多面的産直、セーフガードの発動を求めるたたかい、組織づくりや新聞「農民」の拡大に全力をあげ新たな前進を切り開いてきました。取り組みの特徴と教訓は次の通りです。
- 知事会会長(埼玉県知事)が政府要請
- 全国食健連と農民連の代表は3月29日、浦和市の埼玉県庁を訪れ、全国知事会会長の土屋義彦埼玉県知事と会い、野菜などのセーフガード(緊急輸入制限)発動を早急に行うよう政府に要請してほしいと申し入れました。土屋知事は、申し入れにこたえ、ただちに谷津農水大臣へ電話で要請しました。
- “諸悪の根源はWTO体制”
- 食糧の生産と消費を結ぶ研究会(生消研)の第27回「食糧の生産と消費を考える」シンポジウムが3月23日、24日の両日、「21世紀の食・農・環境はどうなる、どうする」をテーマに東京・世田谷区で開かれ、のべ100人が参加しました。
- SBS輸入米と中国黒竜江省の米戦略
- 村田武氏(九州大学大学院農学研究院教授)が生消研シンポで報告した「SBS輸入米と中国黒竜江省の米戦略」の要旨を紹介します。
- 1千万円以上の預金は保護なし
- 来年4月から1千万円以上の預金は、保障がなくなります。あわてておろして本人以外の名義で預金したりすると、あとから贈与税がかかる可能性大ですので注意が必要です(税務署は贈与税をねらっているよ)。税務署にねらわれないように、本人名義で別の金融機関の口座に積み直せば大丈夫です。
- 組合員自治と民主的運営の後退 (2)
- 昨年10月に開催された第22回JA全国大会は、「農と共生の世紀づくり」をうたう方針を確認した。大会議案の組織討議と並行して、農水省の「農協系統の事業・組織に関する検討会」と全中会長の諮問機関である「総合審議会」が相互に連動した形で開かれ、組織討議結果よりもこの2つの会議の論議結果が優先された最終議案内容となった。
- 分析センターだより/「野菜の硝酸イオン」って何?
- 「野菜の硝酸イオンって何?」という問い合わせがいくつかありましたので、その話を少々。
- 農を考える子どもたちからのメッセージ/農民連会員のお孫さんが農協主催の作文コンクール金賞/「なぜ埼玉産にこだわるの」
- 青森県農民連理事の升沢昭七さんのお孫さん・江里さんが、青森県十和田市農協主催の第5回「わたしが思う農業・自然」コンクールの作文で金賞を受賞しました。
- 鮮やかなフキノトウ
- わが家の裏庭に「フキノトウ」が、雪解けを待ちかねたように、鮮やかな黄色の頭をもたげてきました。
- 読者の声
- この新聞で勉強
■2001年4月2日(第487号)
- 直ちに“セ−フガード発動”せよ/価格暴落の実態訴え
- 「安全でおいしい国産の農産物を食べることは、私たち労働者の権利であり要求です。日本農業を守れ!農産物価格と労働者の生活の最低保障を」
- 暫定セーフガード発動 調査中でも可能
- 中央行動が行われた22日、参議院農水委員会で日本共産党の笠井あきら議員が、暫定セーフガードと生産者の申請権について質問しました。
- 暫定発動は世界の常識、損害起きても「慎重調査」は世界の非常識
- 大臣が「暫定セーフガード発動の腹を固めた」と言っても、農水・財務・経産省の官僚たちは「調査中。なんとも言えない」の繰り返し。しかし「調査中」であっても、暫定措置が発動できることは、WTO協定からも明々白々。
- 埼玉県が輸入野菜の実態調査し国にセーフガード発動を要請/セーフガード建議書を採択
- 埼玉県農林部は、輸入野菜の激増による価格暴落の原因をさぐるため昨年11月に実態調査を行い、その結果を2月下旬に公表、国に「1日も早いセーフガード(緊急輸入制限)の発動を」と要請しました。
- “発動する”と明確に答えよ
- 暫定セーフガード発動を求める農水省交渉では、60人以上の農民、全労連・全国一般や農協の労働者が参加、ネギだけでなくタマネギやピーマン、トマトなども輸入増による値下がりで「農民は種を蒔くべきかどうか悩んでいる」「早く発動を決断すべきだ」と要求しました。
- ハデな宣伝の裏に開発輸入
- 国際食料・飲料展「フーデックスジャパン・2001」が千葉県・幕張メッセで開かれ、今年も国内・国外あわせて2300社あまりの食品関係企業が、目もくらむばかりに派手な宣伝合戦を繰り広げました。
- 「NHKの取材が来て」
- 3月14日、15日の2日間にわたり、NHK教育テレビ「相馬暁の旬野菜のススメ」というコーナーで房総食料センターの野菜と生産者が登場し、放映されました。
- 農地の交換分合に対する課税
- 農業経営の合理化をはかっていくうえで、農家どうしが農地を交換して農地を集積することがあります。この場合、あとから自分にも相手にも譲渡所得税や不動産所得税がかかってきてビックリすることがあります。
- 組合員自治と民主的運営の後退 (1)
- 政府は3月16日の閣議で、いわゆる農協改革二法案(農協法の一部改正案と農林中央金庫法案)について決定し、国会に提出した。
- 生産・流通こぼれ話/野菜嫌いな子が「産直の味」に感激 大人の心の間隙をつく「輸入の味」
- ●「野菜の煮物がいい!」/「健康的なおつまみを!」
- 第1回産直交流会(岩手県農民連)/地元産への期待大きく多様
- 岩手県農民連主催の「第1回産直交流会」が3月3日、盛岡市で開かれました。県内各地から16人が参加して、直売所や道の駅への出荷、生協産直、学校給食への納品、市場出荷、新婦人産直など、多様な運動を生き生きと交流。それぞれの教訓や悩み、今後の運動の課題が明らかになり、私にとっても有意義な話し合いでした。
- 読者の声
- 今後は土と共に/売り切れた醤油
- 雪どけ、白鳥の北帰行
- 3月16日午後、晴れ間をみて久しぶりに「白鳥の飛来地」で知られる新潟県水原町の瓢湖の周辺、同町天神地内でシャッターを切りました。
- 日韓の劇団の共同制作公演/「火計り――四百年の肖像」を観て
- 農民連が韓国の農民団体との交流を行っているなかで、私も韓国への関心を深めており、たまたま日韓の劇団が「火計り――四百年の肖像」を共同制作で公演していることを知り、3月15日に東京・文京区の三百人劇場で観劇しました。
- 信州のおばあちゃんと“茶のみ”
- 信州の「お茶おけ(お茶受けのことをこう呼びます)」といえば、まず思いつくのは「野沢菜漬け」です。「お菜(な)」「お葉づけ」と言えば、それは野沢菜のことであるほど、身近な「葉もの野菜」です。
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