生消研「食糧の生産と消費を考える」シンポ“諸悪の根源はWTO体制”
食糧の生産と消費を結ぶ研究会(生消研)の第二十七回「食糧の生産と消費を考える」シンポジウムが三月二十三日、二十四日の両日、「21世紀の食・農・環境はどうなる、どうする」をテーマに東京・世田谷区で開かれ、のべ百人が参加しました。 生消研の宮村光重会長は、食の安全が脅かされている不安要因の特徴点、二十一世紀の優先課題にふれながら、「WTO体制の論理が諸悪の根源であり、それを是正させる食糧運動の方向性が求められる」とシンポジウムの切り口とねらいについて開会あいさつ。 久野秀二氏(北海道大学)が「技術開発と多国籍企業による農業支配」、村田武氏(九州大学)が「WTO交渉問題と開発輸入――SBS輸入米と黒竜江省のジャポニカ米」(別項)、松木洋一氏(日本獣医畜産大学)が「環境保全型農業の課題」、坂本元子さん(和洋大学)が「食生活指針の背景、食と健康」と題して、それぞれの研究分野から課題を提起しました。 また、小竹節氏(茨城・県西産直センター)は「生産現場から輸入野菜の現状を訴える――中国視察の報告」、水野隼人氏(コープぎふ)は「コープぎふにおける食と農のとりくみと、『郡上一揆』の制作・上映運動」について実践報告しました。 久野氏は、農業における技術の役割や遺伝子組み換え技術を中心にして、モンサントなど多国籍企業の実態を詳しく報告。オランダを中心に環境や食品を研究している松木氏は、近代農法による集約化・化学化・機械化のもたらした環境汚染などについて、EUではその科学的認識と反省のうえにたって、有機農業に取り組んでいる経過を述べ、日本の有機畜産の現状と課題を明らかにしました。坂本さんは、昨年三月に閣議決定された「食生活指針」の作成の経過や背景、指針の内容を項目ごとに詳しく解明しました。 (西村)
(新聞「農民」2001.4.9付)
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[2001年4月]
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