「農民」記事データベース20010402-487-01

くらしと雇用、食糧を守れ 3・22中央総決起集会

直ちに“セ−フガード発動”せよ

農水省前などで労働者・農民が共同行動

関連/価格暴落の実態訴え


 「安全でおいしい国産の農産物を食べることは、私たち労働者の権利であり要求です。日本農業を守れ!農産物価格と労働者の生活の最低保障を」

(全労連・全国一般)

 「減反を押しつける公務員になりたくない! 生活保護を打ちきる公務員にはなりたくない! こうした願いを、この春闘のなかでたたかいとっていきたい」

(自治労連)

 「農業を守れ!は農民だけの要求でなく、勤労者の要求でもある。農地もなく、農民がいない東京・千代田区でもセーフガード発動を求める決議をかちとりたい」

(千代田区春闘共闘)

 農民と労働者が一緒になって、六年ぶりに東京・日比谷野外音楽堂で開いた「国民のくらしと雇用、食糧を守れ! 3・22総決起集会」。農民連の佐々木健三会長が「セーフガード発動を求める声が全国民の間に広がっている。労働者が一緒にたたかっていることに大いに励まされる」と、主催者を代表してあいさつ。結集した約千人の農民、労働者が、互いにエールを送りました。

 米・野菜をはじめすべての農産物の価格暴落、長期化する不況、雇用不安…。かつてない国民生活の破壊をもたらしているのは、海外の安い労働力でボロもうけする大企業と、輸入を野放しにしている自民党政治です。

 「皮靴の輸入は自由化によって四十倍に増え、六千万足を超えて、靴工の生活を脅かしている」と東京靴工組合の労働者。「大型ショッピングセンターが増える一方で、子どもの頃から親しんできた商店街がつぶれている。衣食住を外国まかせにしていいのか!」と商業・サービス労組連絡会。埼玉・深谷市のネギ農家・島田富男さんは「中国では一つの産地だけで七千ヘクタール、深谷市近辺の七倍もある。ここに日本のネギの種子が六トンも輸出され、中国からのネギの輸入によって農家が苦しめられている」と告発しました。


価格暴落の実態訴え

セーフガード発動求める決意次々と

 激増する輸入農産物、この流れを止めるため「3・22中央行動」に立ち上がった農民、労働者。「ネギ、生シイタケ、畳表のセーフガードを直ちに発動しろ! 対象を輸入が激増しているすべての品目に広げろ!」と要求しました。

 「セーフガード発動を!農民を殺すな!」などと書かれたムシロ旗、労働組合の団体旗がはためくなか、農水・経済産業・財務の三省前で開かれた要請行動。群馬県のトマト農家の木村君江さんは「輸入によって一箱二百十八円の下落。一万箱で二百十八万円の減収だ。農家の労働をどう考えるのか」と切実な訴え。「セーフガード発動をジャマしているのはいったい誰だ!」「すぐにでも発動をかちとろう!」と、意気上がる訴えが続きました。

 三省との交渉では、ノラリクラリとセーフガードの発動の足を引っ張る姿が鮮明に(“発動する”と明確に答えよ)。「答弁の官僚ぶりに頭にきた」と怒りの声がわき起りました。

 国会デモ行進の後に開かれた農民連の意思統一集会では、笹渡義夫事務局長が「『三品目の暫定』だけにとどめないたたかい」を強調。そのために、(1)音による宣伝、(2)シンポや学習会、対話集会の開催、(3)農協、農業委員会などとの懇談、(4)未決議の自治体首長への政府要請の要求、(5)繊維、漁協などとの懇談と一致点による共同など、地域での行動にとりくみ、「4・22中央行動」に総結集することを呼びかけました。参加者は、最後までたたかい抜く決意を固め合いました。


おわびと訂正
 新聞「農民」、二〇〇一年三月十九日号、ホウレン草中の硝酸イオンの分析結果について、表と文中の硝酸イオンの単位がミリグラム/百グラムとなっていますが、すべてグラム/百グラムの誤りです。訂正しておわびいたします。

(新聞「農民」2001.4.2付)
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2001年4月

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