生産・流通こぼれ話
流通年報でも輸入の激増は明らか
国は長引く「チョー査」でなく「サッ査」と
●『青果物流通年報』…毎年三月頃に発行される資料で、東京都の中央卸売市場の取扱い品目、数量、価格、産地などが記されている。この年報は東京都で毎日集計する資料にもとづいて東京青果物情報センターが作成している。そのメンバーは、東京九市場の全ての卸売会社の社長で、まさに責任ある人たち。資料は正確で、状況のとらえ方もしっかりしている。年報のはじめには、その年の野菜の生産、消費、価格などの動向が特徴的にまとめられている。
●この三月に出された二〇〇〇年版には「消費不振の中で輸入生鮮の攻勢拡大(増量)、加工品の供給増等は卸売市場価格を更に引き下げる要因となった」と指摘している。それを裏付けている数字が「野菜の一kg当たりの平均価格」で、ナント二百円!一九八八年以降、最低の価格であり、二年前と比べ二〇%減。総売上げも二〇%近くも減っている。それに対して輸入野菜は全体で二五%も激増している。生産者はもちろんのこと、卸売、仲卸、小売の経営が深刻な事態に陥っている。
●今、生産者は一刻も早いセーフガードの発動を求めている。それに対して、国は「調査、調査」と言って、なかなか実施しない。
こんなにはっきりした事実があるのに! 長引く「チョー査」でなく、「サッ査」とやってほしい! 農民も市場の業者も、もう待てない。
*今回は“こぼれ話”でなく“怒りあふれる話”である。
(生産流通対策部 佐藤龍雄)
(新聞「農民」2001.4.16付)
|