「農民」記事データベース20010409-488-10

野菜の味がわかる大人になりたい 農業やる人どんどんふえてほしい

農を考える子どもたちからのメッセージ

関連/農民連会員のお孫さんが農協主催の作文コンクール金賞「なぜ埼玉産にこだわるの」


青森

農民連会員のお孫さんが農協主催の作文コンクール金賞

 青森県農民連理事の升沢昭七さんのお孫さん・江里さんが、青森県十和田市農協主催の第五回「わたしが思う農業・自然」コンクールの作文で金賞を受賞しました。

 江里さんのお父さんは農機具製作会社に勤め、昭七さんとは別々に暮していますが、江里さんは日曜日など休みの日は、おじいちゃんの農作業の手伝いをしています。升沢江里さんの作文を紹介します。


「お父さんのお仕事」

十和田市南小四年 升沢 江里

 私のお父さんは、きかいを作ったりなおしたりする会社につとめています。

 でも、お父さんはやすみになると、おじいちゃんの家へ行って農ぎょうのお仕事をします。その中で私が一番好きなのは、米を作る時のお父さんです。

 まず、さいしょは、おばあちゃんがお米をうえ、そだつまで子どもみたいにそだてます。お父さんは、そのそだったお米が食べられるようにいろいろなことをします。何日間かかけて、お父さんはがんばってやっています。お父さんは、昔のにとべつとうさんみたいにがんばります。いつも私がお米を食べる時、お父さんはこう言います。

 「お米を大切にしなさい。一つぶ一つぶお父さんがだいじに時間をかけて作ったんだから。」

 私は、さいしょ聞いた時(なんかしつこいな。)と思っていたけど、今は、その言ったことの意味がわかった気がするので、それを言われると「うん、わかった。」

といつも言います。

 お父さんは、いつもあせだらだらで帰ってきます。私はいつもこう思います。(お父さんはかわいそうだなあ、休みがなくて。)

 それでも、お父さんは、いつも一週間に一回は、おばあちゃんの家に行って農ぎょうの仕事をします。

 お米いがいにもやっています。やさいをうえてしゅうかくしたり、にんにくをうえしゅうかくしたりするのです。私は、一回だけ、にんにくをうえるのを手伝ったことがあります。まず、薬をつけてうえます。薬をつけるのはとてもたいへんでした。これもお父さんは、かぞえきれないほどやっています。まえ、お父さんに「農ぎょうの仕事たのしい?」

と聞いたら

「大変でつかれるけどたのしいよ。」

と言っていました。私はそれにかんどうしました。なぜかというと、本当にいつもあせだらだらになって帰ってきているのに、たのしいだなんてすごくふしぎでした。私は一しゅん、にとべつとうさんだあと思いました。お父さんはあと、こんなことも言っていました。「農ぎょうの仕事にほこりをもっているよ。」

 私は、それを聞いた時、なんだかすごくお父さんをじまんしたくなりました。私は、お父さんが本当にいっしょうけんめいなので、一どだけでいいのでみんなに私のがんばっているお父さんのすがたをみせたいのです。

 そして、農ぎょうの仕事をやる人がどんどんふえてほしいと思います。やさいをうえること、牛や馬をそだてる人、いろいろな仕事をする人がふえてほしいと思います。そして、私のお父さんみたいに、農ぎょうにほこりをもって仕事をしてほしいです。

 (注)「にとべつとうさん」は、岩手県人で農学者だった新渡戸稲造のこと。


埼玉

「なぜ埼玉産にこだわるの」

小学生からたくさんの質問が県連に

 学校給食の学習

 埼玉の学校給食米は二年前からすべて県産米に切り替わったのをはじめ、一年前には一部給食パンに県内産小麦粉が使用され、現在はみそ、納豆、豆腐などにも県内産の食材が使われています。

 「安全でおいしい学校給食」の運動は、十年来の埼玉食健連、農民連の粘り強い働きかけで大きく前進したもので、全国からの問い合わせも相次いでいます。

 そのなかでも県内の鳩ケ谷市や川越市の小学生たちから、埼玉での学校給食の取り組みについてたくさんの感想文が埼玉農民連に届いています。

 それは、学校の授業で「埼玉の米づくり」「野菜生産の特徴」「パン給食の小麦が、なぜ県内産に変わったのか」などのテーマで行われたからです。

 鳩ケ谷市の小学校では、産直野菜を子どもたちに見せ、調理したところ「嫌いなトマトが初めて食べられた」とか「野菜の味がわかる人間になりたい」などの感想文が寄せられました。この小学校には、私も呼ばれ、「日本の米づくりと埼玉農業の特徴」について特別学習を行いました。

 川越市の小学校では「全国で初めて学校給食に県内産小麦を使ったパンがなぜ作られるようになったのか」というテーマで子どもたちが学習したところ、クラスの子ども全員から農民連と新婦人に対し、絵入りで「十年もかけてパン給食に県内産小麦を使う運動がなぜできたのか」とか「国内産になぜこだわるのか」など、十項目の質問が届きました。

 これらの学校現場での教育は、県内の学校に広がる動きがあり、農民連の学校給食への取り組みの重要性が高まっています。

(埼玉県連 松本慎一)

(新聞「農民」2001.4.9付)
ライン

2001年4月

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