埼玉県が輸入野菜の実態調査し国にセーフガード発動を要請
埼玉県農林部は、輸入野菜の激増による価格暴落の原因をさぐるため昨年十一月に実態調査を行い、その結果を二月下旬に公表、国に「一日も早いセーフガード(緊急輸入制限)の発動を」と要請しました。 「輸入野菜に係る流通実態調査」は、県農林部長が責任者となり、担当者を中心に百人近いスタッフが調査に参加しました。 調査対象は県内主要産地の農協十六、市場(十三市場及び全農集配センター)、仲卸業者二十二、量販店、外食産業、漬物業者、惣菜業者(四十一業者、うち回答三十一業者)で、ネギ、キュウリ、トマト、ニンジン、生しいたけ、サトイモなど十品目の農産物価格の実態調査を行ったもの。 調査内容は、(1)産地における出荷状況及び輸入野菜に対する対応状況、(2)需要者の取扱い事例及び評価で、聞き取りとアンケートで行いました。 調査報告書の中で、とくにネギ、生しいたけ、ニンジンは、この数年輸入の激増によって国内価格が三〇%〜五〇%も暴落し、関係農家の経営は大きな困難に直面していることが明確になっています。 日本一のネギ産地である深谷市の実態が、この調査結果を裏付けています。同市で二ヘクタールのネギを栽培している南三郎さんが、農民連の作った価格実態調査表に記入するため、ここ数年の販売価格を調べたところ、三年前の売り上げが千百九十三万円だったのが、昨年は五百五十四万円と大減収になったことがわかりました。 南さんは「県の実態調査の結果と私の経営内容は一致する。価格をもとに戻すため一日も早いセーフガードの発動を国は決断すべきだ」と訴えています。 (埼玉県連 松本慎一)
〈東京〉国立、国分寺の農業委セーフガード建議書を採択東京の国立市と国分寺市の農業委員会が、「セーフガードの発動を求める」建議書を総会で採択しました。二月十日に開かれた国分寺市農業委員会の定例総会では「輸入の急増で、路地のスタンド販売も売り上げが落ちている」「後継者の育成にも影響が出る」などの意見が出されました。 また一月二十三日の国立市農業委員会総会で建議書を提案した日本共産党の山本春男市議(議会選出の農業委員)には総会後、「こういうことをやってもらうと農家は本当に助かる。ありがとう」などと、他の農業委員から声がかけられました。
(新聞「農民」2001.4.2付)
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[2001年4月]
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