「農民」記事データベース20010402-487-10

生産・流通こぼれ話

野菜嫌いな子が「産直の味」に感激 大人の心の間隙をつく「輸入の味」


●「野菜の煮物がいい!」
「健康的なおつまみを!」
 地域で会議が終わった後、数人で飲みに行った。夫婦二人で切り盛りする小さなお店。早速注文すると、野菜がいっぱいの、いかの足も入って、いい匂いの一品が目の前に。
 丸く形取られた里芋、ザク切りだけど形がそろっている人参。同じ長さのインゲン…。(どこかで見たことがある…)
 まずは人参をひと切れ口の中へ。
 グシャ、スカ、ペシャ。味がしみていない。まずい!(やっぱりあの中国産、冷凍のミックス野菜だ!)

●なんでこんなものを!安さのため、手間を省くため?
 すぐ近くに八百屋さんがあり、新鮮な国産の野菜がいっぱいあるのに…。そこで買えば、八百屋さんも飲みに来てくれるのに…。
 まわりを見ると、みなモグモグと。そして「ママ、おいしいよ」…。マアマアでなく、お世辞でもなく、笑顔で、はっきり「おいしい」と言っている。
 一瞬、耳を疑った。オドロキ、モモノキ…。私よりひと回り若い人達、日頃何を食べ、味わっているのだろうか。伴淳(バンジュン、ご存じ?)でなくとも“味はパー”である。
 新鮮な国産と食べ比べたら、すぐに容易に「歯触り、香り、おいしさ」の違いが分かるのに。

●埼玉で、野菜大嫌いな子が、産直の新鮮な野菜を食べ「こんなにおいしいとは思わなかった」と感激し「将来、味の分かる男になりたい」と言う話を聞いた。
 今、しっかり国産の味、歯触りの感触を、大人達の心にも、胃にもしみこまさなければならない。

(農民連生産流通対策部 佐藤龍雄)

(新聞「農民」2001.4.2付)
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2001年4月

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