「農民」記事データベース20010409-488-03

苦悩する農民の期待に応える要求運動と総対話運動に全力をあげよう

二〇〇一年三月三十日農民連第二回常任委員会(大要)


 I 春の運動の特徴と教訓

 農民連は、第十三回定期大会の成功や都道府県連大会をバネに税金、もの作りや流通との提携・多面的産直、セーフガードの発動を求めるたたかい、組織づくりや新聞「農民」の拡大に全力をあげ新たな前進を切り開いてきました。取り組みの特徴と教訓は次の通りです。

1、税金の自主計算を通じて所得の低下や企業の倒産による失業、医療費や福祉などの国民負担増のなか、生命保険を解約せざるを得ないなど、悪政のもとで農家の暮らしと経営はかつてない重大な状況になっています。

2、チラシの大量宣伝や対話で広く農家によびかけた「税金相談会」や「野菜つくり講習会」などに多数の農家が参加するなど、様変わりした状況が生まれています。標準廃止への農民の不安や重税感の高まり、「何を作っても引き合わない」という事態の中で、国民と連帯して運動を進めている農民連への期待がかつてなく高まっており、組織と運動を飛躍させる絶好のチャンスとなっています。

3、生協や市場、米卸などから提携の要請が相次ぐなど、農民連への期待が大きく高まっています。

4、情勢や農民の変化、農民連に対する期待がいくら高まっても、自動的に農民連の前進に結びつきません。(1)一部の役員だけの取り組みではなく、一人ひとりの会員が農民連の方針や活動に自信をもって農家や消費者に声をかけること、(2)事務所と専従者を配置した自立・自己回転できる単組づくり、(3)支部・班を軸に県連や単組の役員が足を運んで学習や話し合いを行い、みんなで行動することが大切です。

 こうした視点から、小さな成果からもしっかり教訓をくみとりながら春の運動をみんなで総括しましょう。

 II 情勢について(略)

 III 参院選を展望した当面の要求運動

1、安全で本物の農産物の生産を広げ、多面的な産直、流通との提携を

(1)すべての都道府県で県ネットの機能をもち、地方市場との提携や米卸、小売りなどとの提携を広げよう。

(2)安全・本物の農産物を生産する技術を高めよう。

(3)「一支部一直売所」を合言葉に無数に展開しよう。

2、高まる税金要求に応える税金の取り組みの強化を

(1)税金要求による仲間作りを飛躍させる絶好のチャンスです。すべての組織が「税金に強い組織」になり、税金要求を実現する運動を通年的に取り組みましょう。

(2)記帳簿の普及と「相談会」や相談員養成を進めましょう。

(3)還付拒否や不当な攻撃を跳ね返そう。

3、固定資産税、相続税の取り組みを強めよう

(1)各自治体から固定資産税や国保税などの課税通知書が配付されます。確定申告した所得や評価が正しく反映されているかを点検しましょう。

(2)小作料を上回る宅地なみ課税を軽減させることなど、固定資産税を軽減させる運動、相続税納税猶予制度の廃止を許さないたたかいを進めましょう。

 IV WTO改定、セーフガードの発動などのたたかい

1、セーフガードの発動を求めるたたかい

 三品目の暫定セーフガードを発動せざるをえない状況に追い込んだ成果を生かし、本ガード発動や他の品目を対象にすることなどを要求してたたかいましょう。

 地域で宣伝やシンポ、農協、農業委員会などへの要請、繊維、漁協、森林組合などとの懇談・共同を広げましょう。

 4月22日の「下町大行進(浅草・雷門↓上野)」や5月12日の食健連シンポジウムの成功に全力をあげましょう。

2、米・減反問題、価格保障などを要求するたたかい

 減反の押しつけに反対するとともに、協力せざるをえない多数の農家を視野に入れ、「減反する人もしない人も」の立場から転作の話し合いや販路、加工などの取り組みを広げましょう。

 ミニマムアクセス米の削減・廃止、自主流通米の値幅制限の復活、主要農産物の価格保障を要求してたたかいましょう。

3、政府の中山間地への直接補償を充実・改善させる運動をすすめましょう。

4、ビデオ「あぶない、あなたの食と健康」をすべての単組、支部・班とともに、広範な団体・個人などに普及しましょう。

5、消費税を三%に引き下げ、暮らし・福祉を守る運動を進めましょう。

6、農業と暮らしを守る政治を実現するため、参院選挙で自公保政治に審判を下そう。選挙にむけた新聞「農民」の号外を発行します。

 V 新聞「農民」一万部拡大をはじめとした組織作りと総対話運動

 当面する重点課題として第十三回大会で決めた新聞「農民」一万部拡大と春の運動の教訓を生かし、四月から六月までの三カ月間を要求運動と結んだ新聞「農民」拡大を中心にした「総対話運動期間」とし、全力をあげることをよびかけます。

1、「総対話運動期間」の目標は、すべての組織が新聞「農民」の一万部拡大めざす目標の達成をめざし、全国的には最低限、目標の半分をやりきることです。

 また、都道府県連から支部・班にいたるまで、すべての組織が学習や話し合いを力に、もの作りや多面的な産直、税金など、イメージ膨らむ要求運動の計画と結んだ拡大計画をつくりあげましょう。

2、セーフガードと結んでPR版や見本紙を活用し、全国一斉に農業委員、農協理事、自治体関係者、生産団体を訪問し、対話しましょう。産直などで結びついている消費者に広く購読を呼びかけましょう。

3、拡大チャレンジャー、目標達成めざす単組、支部・班の登録をよびかけ、達成者には八月の全国研究交流集会で顕彰します。みんなで励まし合い、競い合って目標を達成しましょう。

4、通信を強め、地域の身近な話題が掲載された「農民の目線に立つ身近な新聞」を魅力に拡大を進めましょう。会議や集まりで紙面を広げ、記事を話題にした話し合いを進めましょう。

5、「専従と事務所をもった単組づくり」をめざし、新聞「農民」とともに、会員拡大をすすめましょう。多様な要求をもとに税金のような「相談会」をすべての地域で開催しましょう。出荷組合や生産組織などに団体加入をよびかけましょう。

(新聞「農民」2001.4.9付)
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2001年4月

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