2000年3月
■2000年3月(号外)
- 「物づくり運動」「組織の拡大」で一層の前進を
- 2月13日、綾部市中央公民館で第36回定期大会が開催され、112名の参加者が、「物づくり運動」「組織の拡大」など提案された運動方針を全員一致で採択し一層奮闘する決意をかためあいました。
- 新会長に佐々木幸夫氏を選出
- 今回新会長に佐々木幸夫氏が選出されました。また、5人の新役員が選出されました。
- 産直センター第9回総会を開催
- 去る3月13日、センター三和荘で第9回総会が開催され、ものづくりの運動を一層前進させる、事業方針と新役員体制が決定されました。
- 新代表理事に引野一成氏を選出
- 今年は役員改選の年であり、執行部推薦の役員が提案され、信任投票による選挙が行われました。
- 農民会館の新役員体制決まる
- 去る3月25日、農民会館の総会が開催され、新年度の事業計画、新役員体制などが決まりました。本総会に先立つ2月の理事会で故井栗登理事長の後任の体制について協議し、戸本勝友氏を新理事長として専任しました。
■2000年3月27日(第443号)
- 農水省「除草剤耐性イネ」を認可
- 農水省は3月10日、アメリカのバイオ国家戦略にもとづきモンサント社が日本やアジア諸国への売り込みを狙って開発をすすめていた遺伝子組み換えによる除草剤耐性イネを食用、加工用及び飼料用として輸入したり日本で栽培することを認める確認を行いました。
- 「実質的同等性」再検討へ
- 「スイスでは、蝶が羽を動かすと風向きが変わるという諺があります。日本のみなさんの蝶の羽でコーデックス議論の風向きを変えましょう」
遺伝子組み換え作物・食品の国際的安全基準をつくるため3月14日から17日まで千葉市幕張メッセで開かれたコーデックス委員会バイオテクノロジー応用食品特別部会にヨーロッパから駆けつけたNGO(非政府組織)代表は、こう言って参加者を激励しました。
- 大資本による農地と食料支配に道を開く「農地法改悪案」
- 小渕内閣は3月3日の閣議で、大資本の農地取得に道を開く「農地法改悪案」を決定し、国会に提出しました。食管制度の解体に続く戦後農政の“総決算”の一環であり、改悪反対の運動を強める必要があります。
- 3年に一度の評価がえがチャンス 固定資産税
- 頭の痛い所得税の確定申告の取り組みが終わりました。しかし、農家にとってもう一つの重税を跳ね返すために欠かせないのが固定資産税を軽減させる取り組みです。
- 3・13 各地で重税反対行動
- 「3・13重税反対統一行動」が3月13日、全国で行われ、農民連も各地で参加し、集団申告しました。自自公政治の悪政が農家経営を直撃、米価の大暴落、野菜の安値などという厳しい状況の中での統一行動となりました。
- 国際シンポの成果生かして
- 広島・千葉から、国際シンポジウム関連の話題です。
- 遺伝子組み換え食品 幕張に響く「GMOノー!」/“大豆もっと作ろう”/プシュタイ博士が講演
- 千葉市幕張で開催されたコーデックス委員会特別部会(3月14日〜17日)に合わせ、農民連も参加する日本NGO委員会は、多彩な行動を展開しました。開催日の14日はホワイトデーにちなんで、蝶の姿をした若ものたちが国産大豆で作ったオカラクッキーを外国代表に配って「NO! GMO」を訴えたあと会議場周辺で集会・デモを行い、15日は海外NGOと国産大豆加工食品の試食会やパフォーマンスの夕べ、16日には内外運動家によるディスカッションなどが行われました。
- 乳価引き下げに抗議
- 農水省は3月16日、畜産振興審議会酪農部会に、保証乳価を1キロ1円23銭下げ、72円13銭とすることを諮問。同審議会は、諮問どおり答申しました。また、前日の食肉部会は、安定基準価格を牛肉で10円、豚肉で5円の引き下げを答申。肉用子牛保障基準価格は、乳用種と交雑種を分離し、13万1千円、17万5千円としました。
- 米飯はパンの3倍も高かった
- 「エーこんなに違うの!」という結果が出ました。それは、学校給食の米飯とパン食のメニューの違いによる食料自給率の比較。米飯の場合は60%前後、パン食の場合は20%台前半と、半分以下です。
- 【この人】辻本悦子さん
- 「大変な任務について、どないしようかと毎日、頭を痛めています」2月27日の兵庫県農民連大会で事務局長に選出された辻本さん。「県連事務局長と産直センターの両方を担当している植村さんが産直に専念したいという要望もあり、産直運動もこれから重要ですから」と、大役を引き受けたといいます。
■2000年3月20日(第442号)
- 激増する輸入“生鮮”? 野菜/【ブロッコリー】ビタミンC含有量こんなに違う
- ナトリウムとクエン酸入りの氷漬けにされて、アメリカはカリフォルニアから船に揺られること3週間、やっと店頭に並ぶのは収穫してから4週間後…こんな輸入“生鮮”ブロッコリーが日本じゅうのスーパーに並んでいます。
- 激増する輸入“生鮮”? 野菜/自主流通米入札の値幅制限の復活を求める要請書
- 米価暴落の当面の打開策として、自主流通米入札の値幅制限を復活、大資本の買いたたきをおさえてほしい――農民連の代表は3月10日、食糧庁計画課の本川一善課長に会い、緊急申し入れを行いました。
- 会員、「農民」拡大目標を超過達成/町長に「農林課」併合やめさせる/そら豆産直が好調で三農家が農民連加入
- 「決めたことをやりきる」を合言葉に奮闘する福島県須賀川農民連は、9日までに35人の世帯会員と50部の新聞「農民」を拡大。単組の総会で決めた会員拡大目標の30人を超過達成しました。4年連続して30世帯以上の会員拡大であり、まさに快挙です。
- 参加者のひとこと
- 国際シンポジウムでの参加者のひとことです。
- 農業者年金制度改悪 加入農家の怒り高まる/農民連の抗議ビラであわてて“釈明”
- 公的年金でこれほど深刻な改悪案は、「他に例がない」と、厚生大臣すら国会で答弁(3月8日、参院予算委)せざるを得ないような農業者年金制度改悪を農水省が検討し、いま全国の農業会議、農業委員会をつうじて意見集約を行っています。
- 農水省は研究中止を
- 農水省では、99年から2005年までの6年間に55億円という巨費を投じて遺伝子組み換えイネの実用化をめざす「21世紀グリーンフロンティア研究」をすすめています。
- 食品分析センター募金者
- 1999年12月11日〜2000年2月17日到着分
- 「すずき産地」の八細工七貧乏
- 今週から、「『すずき産地』の八細工七貧乏」と題して、茨城県北茨城市の鈴木孝夫さん(43)のリポートを月1回のペースで連載します。鈴木さんは、3ヘクタールの水田をアイガモを使って無農薬で栽培。500羽ほどの平飼い養鶏も、遺伝子組み換え飼料を使わない方法にチャレンジしています。インターネットに開いたホームページは大好評です。
- 国際婦人デー 農民連女性部も隊列に
- 3月8日の国際婦人デーを皮切りに、各国で「2000年世界女性行進」がはじまりました。
- 昔ながらのなつかしい味
- ワラで作った“つつこ”を使って昔ながらの納豆を作った時に、豆が少し余ったので、容器(弁当箱や鍋など)に入れて、洗ったワラを容器に入るくらいの長さに切って、豆の上に広げておき、つつこと一緒にコタツで一昼夜温めたら、それでも香りの良い納豆ができました。
- 各地の話題
- 木曽福島でスキー/新潟・下越の野菜産直を視察
■2000年3月13日(第441号)
- どこまで落ちる 日本の食料自給率
- 「将来の食料は大丈夫なの?」「日本農業の発展に真剣にとりくんで欲しい」――こんな国民・農民の心配や願いをよそに、 農水省は、さらに食料自給率が下がる試算をしていることが明かになりました。日本のカロリーベースの自給率は40%(98年、実際は39%)。日本の人口1億2千万人のうち7千万人分の食料は、輸入に頼っています。
- NGO行動に参加を
- 「遺伝子組み換え食品は食べたくない」「すべての組み換え食品は、全面表示を」は、いま各種の世論調査によっても90% 以上の国民の切実な要求です。
- 税関をフリーパスに
- 「特例(簡易)申告制度及び港湾の規制緩和問題を考える懇談会」が3月1日に全国食健連などの主催で開かれ、農民連も参加しました。懇談会は、政府が3月半ばに関税法改悪案を衆院で強行しようとしているなかで、改悪の本質を国民に知らせ、改悪反対の運動を盛り上げようと開かれたもの。
- 「三・一ビキニデー」46周年
- 被爆46周年「三・一ビキニデー」が3月1日、静岡県焼津市で開催されました。
- “産業廃棄物から自然と環境守れ”
- 「ここで去年自然発火があったんです」 青いシートにおおわれ、鯨の巨体のように野積みされた廃棄物を指差したのは、山田町農民組合の組合長で町議会議員、そして「山田町の自然と環境を守る会」事務局長として活躍している宇井正一さんです。
- 大宮市場(埼玉)へ初出荷
- 市場出荷の取り組みをさらに発展させようと、農民連・関東ブロックネットワークは2月28日、埼玉県大宮市にある大宮市場への出荷を開始しました。この日は初出荷とあって朝早く関東6県の農民連から20名が参加してセリの模様を見学し、今後の出荷について大宮中央青果市場と話し合いました。
- 線下補償は非課税に
- 青森県線下補償地権者組合連合会は2月8日、一カ月ほどの仙台国税局との交渉の末、東北電力に対し、送電線にかかる地役権の買取証明(5千万円控除)を発行させることができました。これで、組合員一人当り平均100万円の線下補償料を非課税にすることができます。
- 鳴門オレンジの若木保存
- 兵庫県淡路島で300年の歴史的伝統を持ちながらも今や絶滅品種になっている「鳴門オレンジ」の若い木が、町道の改修工事で切り倒されようとしましたが、農民連などの運動で守られました。
- オノラティーさんの素顔
- 国際シンポジウム(2月20〜21日)の翌日から26日までの5日間、イタリアから来日したオノラティーさんの近畿地方への農民・消費者との交流会に同伴しました。
- 韓国を訪問、深めた連帯
- 韓国・全国農民会総聯盟の代表も参加したWTO国際シンポ直後の2月24日から27日の4日間、長野県連の6人は、韓国へ「食を守り育てる農民との交流」の旅をし、同農民会光州支部とも親しく懇談、交流を深めました。
■2000年3月6日(第440号)
-
WTO協定改定要求を世界の大流に!/「ようこそ!」
- 「ヨーロッパでもアメリカでも韓国でも日本でも、同じように苦しみ、同じように頑張っていることを肌で感じ、勇気がわいた。世界の農民は手をつなぐことができる!」(島根・瑞穂農民連の岩根英則さん)。
こんな思いを共有した「WTOに関する国際シンポジウム WTO協定は改定できる!」が2月20〜21日、東京・早稲田大学国際会議場で開かれました。
-
大内力・呼びかけ人代表の開会あいさつ
- 最初にわれわれの問題意識を述べてあいさつとします。いまWTO交渉が始まろうとしています。昨年12月のシアトル閣僚会議は何もまとまりませんでしたが、最近、日本の河野外相は、アメリカのクリントン大統領と会い、できるだけ早く交渉を始めるという合意をしました。農林業が、その一つの焦点になるのは間違いありません。
-
パネリスト5氏の報告(大要) [1/5]「食料は単なる貿易商品ではない」
- 友人のみなさん。私はみなさんの国の草原の匂いを嗅いだこともなく、田植えで足を入れる水の冷たさも経験していません。桃の花の色をした虹がどのくらい失われたかということも知りません。私の考えは、私が住んでいるヨーロッパの現実にもとづいています。
-
パネリスト5氏の報告(大要) [2/5]「アメリカでも深刻な農業・環境破壊と、高まる反対運動」
- いまヨーロッパ、アジアや韓国、日本で起こっているのと同じような農業危機がアメリカや北米でも起こっています。アメリカの農業危機はあらゆる農産物価格を押し下げ、歴史上最低の価格になっています。
-
パネリスト5氏の報告(大要) [3/5]「韓国の農業の現状とWTO反対の運動」
- 私たち農民総聯盟は、全国95の市・郡に、20万人の会員を抱え、若干過激といいますか(会場に笑い)、闘争を中心とした組織です。昨年一年間だけでも200人が連行され、私を含めて4人が逮捕されました。鄭議長や私は、牢獄に入ることは朝飯前です(会場に笑い)。
-
パネリスト5氏の報告(大要) [4/5]「森林の再生・環境保全考えない貿易に反対」
- 三重県海山町で林業経営をしています。日本の農業は森林や水と深いつながりを持っており、またWTO協定は林業にも大きな影響を与えています。
-
パネリスト5氏の報告(大要) [5/5]「われわれはWTO協定の抜本的改定を要求する」
- 私は日本の現役の耕作農民として、また、農民連・食健連の一員として意見を申し上げたいと思います。
-
コーディネーターのまとめ
- 「人民の人民による人民のための政治」という言葉がありますが、私たちは「市民の市民による市民のためのシンポジウム」をもつことができたといえるのではないかと思います。
-
活発・多彩、熱こもる発言/オノラティーさんが大きな関心
- 「日本のみなさんが非常にダイナミックな運動をしていることに感銘を受けた。農民と労働者、消費者、一般市民が連帯した運動は、ヨーロッパではほとんど見当たらない。これからもお互いに経験を交流していきましょう」海外代表の一人、イタリアのアントニオ・オノラティー氏がこう述べるほど、国際シンポジウムでは、会場から多彩な、そして熱意のこもった発言が相次ぎました。
-
イタリアと韓国の3氏 各地の農村を訪問・交流
- 国際シンポが終わった翌2月22日、休む間もなくアントニオ・オノラティーさんは関西の農業の視察と交流に出発しました。
-
各界参加者の談話/参加者の私もひとこと
- 国際シンポに参加された方の談話です。
-
読者が作るページ
- 読者が作るページです。
-
ゴミ減量化で町を活性化
- 商店街が大手量販店の進出で苦境に立たされ、街がシャッター通 りになって荒れていく。そんな商店街が増えているなか、「空き缶集めてハワイへ行こう!」――をキャッチフレーズに「エコ」を街の名物にし、商店街活性化に取り組んでいるのが東京・新宿区の早稲田大学周辺商店街です。
-
「不足払い制度」廃止するな
- 農民連と畜全協は、2月22日、北海道や関東の酪農家が参加して、加工原料乳不足払い制度廃止の中止や保証乳価の引き上げ、ふん尿処理施設整備の農家負担の軽減、負債対策などを求めて、農水省畜産局と交渉しました。しかし農水省は、不足払い制度廃止を前提に、「酪農家の所得は、労働者と遜色ない」などと強弁しました。
-
各地の話題
- 「豪雪の中、新聞「農民」拡大行動」「福岡で大豆畑トラスト交流会」
-
手作り醤油物語
- 2月中頃、長野県豊野町は一面雪で真っ白。リンゴの木も、畑もすっぽりと綿帽子をかぶっています。厳しい寒波の雪降りの日は、りんご農家も剪定作業を一休み。コタツにあたりながら今年の計画をじっくりと練る“計画日より”です。山下富江さん(62)、菊池幸子さん(42)たち――北進農民組合のお母さんたちも、今年で3回目を迎えるしょうゆ作りを計画中です。
-
本の紹介
- 『安全を食べたい』『遺伝子組み換え作物に未来はあるか』
-
三木のり平追悼公演
- 昨年一月に亡くなった俳優・三木のり平の追悼公演として、木山事務所が「青空・もんしろちょう」を上演します。のり平は喜劇俳優としても存在感があり、独特な味わいのある演技で人気を得ていました。今回の公演は、のり平を主人公に、生前企画されていたものです。別 役実の書き下し新作で、木山事務所創立20周年記念公演の一つです。
|