「農民」記事データベース20000306-440-11

国際シンポ

各界参加者の談話

関連/参加者の私もひとこと


近藤とし子さん

(財)栄養改善普及会会長

 お米の食べ方が減ったのは、生活全体が変わってきたことと結びついていると思います。忙しい生活でご飯を炊くよりパンの方が手軽ですし、車社会や機械化で体も動かさなくなりました。

 農業も社会の変化に応えていくのも必要ではないでしょうか。大根の葉も知らない子供たちでも、農業に触れることで残飯も減ります。

 これからは農業は、もの作りだけではなくて、いのちと暮らしを守るのも、使命だと思います。

 


富山 洋子さん

日本消費者連盟運営委員長

 シンポに参加して、本当に勇気づけられました。とくに韓国から参加したパネラーの方のお話は、WTOに対するしっかりした視点をもち、二十万人の農民を組織して国民的な共同行動を行っているということを知り、驚きました。そしてよく闘う人は人間性も豊かですね。

 


高橋 彦芳さん

長野県栄村長

 イタリア、アメリカ、韓国、どこも農家が苦境に立たされていることが分かった。特に、イタリアの家族農業の危機など、日本のマスコミは書かない。狭い耕作面 積が、農村の崩壊の原因のように言われるが、小さい家族経営なりのよさを生かしていきたい。今日は、自信が持てる情報を得ることができた。

 


本尾  良さん

元日本婦人有権者同盟会長

 海を越えて、違った国々から、庶民の人たち、土に生きる人たちが互いに理解し合える共通 の課題について話し合う有意義な機会でした。今世紀の終わりに開かれ、二十一世紀に向かうにふさわしいと思いました。

 


笠原 義人さん

宇都宮大学林業学科教授

 アメリカの農民もWTOの犠牲になっているというのは、大規模に堂々とやっていると思っていたので、とても意外でしたし、共同してやっていけると思いました。

 WTOは環境はおかまいなし、です。私の専門は林業ですが、農業と林業は、中山間地域で共通 して取り組めることも多いと思います。

 


GK・ニロンゴさん

ザンビア共和国大使館参事官

 WTO、グローバリゼーションの抱えている問題を考え直す時期に来ていると思う。私たちの国のザンビアでは、小規模な家族経営農家が大部分で、トウモロコシのダンピング輸出に苦しめられています。その影響は、一次産品としてのトウモロコシだけでなく、コーンスターチなどの加工品にも価格の暴落が起きている。

 


参加者の私もひとこと

 ◆阿部直幸(横浜市従)=どこの国でも、その国の農業や農民が共通 した困難と苦しみを抱えていることが明らかにされたと思います。その原因がアメリカを中心とした一部の国と大企業のためのWTOにあることも一層明らかになったと思います。共通 の課題や要求、悩みを抱えた世界の農民の運動、食健連の運動は、必ずや世界的規模で前進していくことを確信した二日間でした。

 ◆吉田敏恵(いわて生協)=マーク・リッチーさんの報告でアメリカの生産者もGM作物の作付けをしぶりはじめたと聞いてホッとしていますが、一部の多国籍企業はまた次々と新しい手を考えていくことでしょう。工業化された農業では将来はない。家族農業を大事にしなければという思いを新たにしました。

 ◆鈴木孝幸(静岡県単協労連)=マーク・リッチーさんが「アメリカの大規模農家も経営は困難になっている。遺伝子組み換え作物の中には、収量 の落ちるものもある」という報告に驚きました。いままで私たちは「大規模化をすればもうかる。遺伝子組み換え作物は収量 も増え、食糧危機にも有効」という政府の言葉はウソだったんわけです。

 ◆江上和美(新婦人中野支部)=アメリカの農民がどのくらいWTOのために苦しんでいるかがわかりました。一部の企業とそれを支える政府のために輸出する国、輸入する国、どちらの国民も犠牲になっていることがわかりました。今のWTOでは国民の未来はありません。

 ◆三宅邦子(新婦人静岡)=衣、食、住すべてが総合的に規制され、危機的状況にあることがよくわかりました。今後は、少しでも起こせるところから活動の幅を広げて行きたいと思いました。草の根運動から大きな運動にしてゆけるのだという言葉に、私たちが進めている産直運動に自信がもてました。

 ◆南 恵(市民フォーラム2001)=様々な国々の人々が同様の問題を抱えていることを目の前で見ることが、貴重な機会でした。農の重要性から見て、農で現在おきていることを語り合ったわけですが、今回ふれられた林業、さらには日本が加害者となっている工の自由化によって途上国が受けている圧力などまで、自由化の問題点が共有され、運動の輪がひろがればと考えます。

(新聞「農民」2000.3.6付)
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2000年3月

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