「農民」記事データベース20000320-442-03

会員、「農民」拡大目標を超過達成

福島/須賀川農民連が快挙

関連/町長に「農林課」併合やめさせるそら豆産直が好調で三農家が農民連加入


 「決めたことをやりきる」を合言葉に奮闘する福島県須賀川農民連は、九日までに三十五人の世帯会員と五十部の新聞「農民」を拡大。単組の総会で決めた会員拡大目標の三十人を超過達成しました。四年連続して三十世帯以上の会員拡大であり、まさに快挙です。

 来年度(平成十二年度)から税金の申告が「農業所得標準」が廃止され収支計算に切り変わることから、「とにかく農家に広く呼びかけよう」と、税金相談会の案内チラシを合計で一万三千枚配付。これまで一度も配付したことのない山間部の五十戸の集落にも足をのばし、四人で手配りしました。また、三回にわたって「統一行動」を展開し、夕方六時に集まって「焚き出し」で腹ごしらえ。組を作って対話を行ないました。

 今回加入した三十五人の会員のうち税金の要求で加入した方が二十七人。米や野菜の産直など、生産の要求で加入した方が七人です。

 水田を三ヘクタール以上耕作しながらハウスでイチゴやキュウリを生産している大きな経営の専業農家が多いのが特徴です。この方たちは、標準の廃止に伴って税務署から青色申告会への加入をすすめられていた方たちです。

 一昨年、加入した班長の真壁さんは、役員と協力して、この春、七人の会員を増やしました。真壁さんは、一昨年、須賀川地方を襲った集中豪雨でハウスが全壊。この時に農民連がハウスの片付けなどの助け合いを行ない、「農民連はいい組織だ」と確信をもったといいます。これまで冬場には何も作らなかった真壁さんは、農民連に加入してから冬場に葉物を作って産直に参加するようになりました。

 会長の松川正夫さんは、「今回は尻上がりに会員から対象者の紹介が広がった」「班での計算が終わってから今の農政や農民連の取り組みを話し、正面から『仲間を紹介してほしい』と提起すればみんな応えてくれる」と確信をもって語っています。また、役員が先頭に立つことが一番大事。今年の前進は、役員の奮闘とともに、組合員さんの紹介が大きな力になったといいます。

 須賀川農民連は、確定申告が終わった十五日には流通問題をテーマに学習会を計画。二十一日にはキュウリの出荷を予定している東京・北足立市場を視察します。

 一人ひとりの会員の要求を大切に、計画を次々に具体化する須賀川農民連。新たに加入した会員さんから「今回は自分だけ入ったが、来年は仲間を誘う」という声も広がり、さらに前進への期待が広がります。

 


町長に「農林課」併合やめさせる

長野・丸子町

 長野県の丸子町は行政改革の一環として「農林課」と「商工観光課」を合併する条例案を町議会に提出する方向でしたが、農民連の署名活動で撤回させました。上小農民センター依田窪支部は、農民と対話し三百人余の署名を集め、農協の各種部会長などにも呼びかけ賛同を得ました。二月二十三日、堀内憲明町長に「農林課の存続」を申し入れた。町長から「合併はしない」との回答が寄せられました。

 


そら豆産直が好調で三農家が農民連加入

鹿児島・山川町

 鹿児島県山川町の農民連会員・吉村重則さんは、今年一月中旬から東京・築地市場の有機農産物コーナーへ「そら豆」を出荷しはじめました。品質(とくに味)が良いので日ごとに固定客が増え、価格も「ジャックと豆の木」みたいにドンドンと上がり、現在は二キロ箱(L級)で二千円になっています。

 当初は不定期な出荷だったので、市場からは「コンスタントに出荷してほしい」と要望され、吉村さんはさっそく専業農家の三人に呼びかけました。一人は「これまでは、どこの市場でいくらで売れたのか分からなかった」と言っていた人、もう一人はすぐにグリーンピースを出してくれましたが、ためらっていました。

 吉村さんは「一回だけでは様子が分からない。もう少し続けてみては」とすすめ、二〜三回と出荷するうちに納得できる価格となり、安心して続けています。

 この三人の農民は築地市場へ出荷するなかで、市場側が農民連に期待して対応することを肌で感じ、三人とも農民連に加入。二月中旬に「指宿農業を守る会」を結成しました。吉村さんたちは「今後、グリーンピースをコンスタントに出荷していくためにも仲間を増やしていきたい」「カボチャも出荷したい」「品目別の部会もつくりたい」と希望に輝いています。

(農民連生産流通対策部 佐藤龍雄)

(新聞「農民」2000.3.20付)
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2000年3月

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