「農民」記事データベース20000306-440-02

国際シンポジウム

大内力・呼びかけ人代表の開会あいさつ


 最初にわれわれの問題意識を述べてあいさつとします。

 いまWTO交渉が始まろうとしています。昨年十二月のシアトル閣僚会議は何もまとまりませんでしたが、最近、日本の河野外相は、アメリカのクリントン大統領と会い、できるだけ早く交渉を始めるという合意をしました。農林業が、その一つの焦点になるのは間違いありません。

 前回のガット・ウルグアイラウンドの交渉では、日本は最後の最後にどんでん返しで自由貿易を拡大しようという勢力の主張を受け入れました。日本の政府は「米輸入はとうてい受け入れられない」と言っていたのに、土俵際で国民をうっちゃりました。

 われわれは、農林業の有益な機能が損なわれる古い市場経済一点張りの主張には大きな疑問を持っています。しかし、国内にも財界はじめジャーナリズムの一部に至るまで、まるっきり反対の意見があります。ですから、この問題は、国際問題であると同時に、国民合意をどう作っていくかということに将来がかかっている問題です。

 このシンポジウムでは、海外のいろいろな情勢を勉強すると同時に、いかに国民合意を形成するか考えていきたいと思います。活発な討論を行い、互いに理解を深められることを希望します。最後に主催者を代表して、わざわざ海外から来ていただいたパネリストに謝意を申し上げます。

(新聞「農民」2000.3.6付)
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2000年3月

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