遺伝子組み換えイネ実用化農水省は研究中止を消費者団体34万人署名集め交渉
農水省では、九九年から二〇〇五年までの六年間に五十五億円という巨費を投じて遺伝子組み換えイネの実用化をめざす「二十一世紀グリーンフロンティア研究」をすすめています。 これにたいし遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンでは、同研究を全面的に見直し、遺伝子組み換えイネの実用化をめざす研究はただちに中止して、安全性の研究を重点に進めるよう求める要求署名を各団体に呼びかけ、これまでに一次、二次合わせて三十四万二千五百九十六人分の署名が寄せられています。 キャンペーンでは三月八日、この署名を農林水産大臣あてに提出するとともに農林水産技術会議の三輪睿太郎事務局長と交渉しました。 交渉には、キャンペーン事務局を始め東京都地域消費者団体連合会、農民連代表など十人が参加し、(1)日本にはアメリカなどからすでに二十九品目もの遺伝子組み換え作物が輸入され、毎日の食卓に無表示のまま押し寄せて入るのに、この上、主食の米まで遺伝子組み換えにされることは、安全性の上からもがまんできない。国民の大多数が望んでいない組み換えイネの実用化はただちに中止せよ(2)日本の水田で組み換えイネの栽培がされるようになれば花粉の飛散などによる環境への影響も重大な問題になる(3)非組み換えの国産農産物の増産に力を入れ、世界で最低クラスの食料自給率を高める研究をすべきだ――と、要求しました。 これにたいして三輪事務局長は、「イネゲノムなどイネの遺伝子解析は重要であり、止めるわけにはいかない。アメリカ、イギリス、中国、フィリッピンなどと国際共同研究体制をとって進める」「遺伝子組み換えイネが嫌なら消費者が買わなければよい」「これからは消費者に受け入れられる組み換えイネの研究をする」などと答え、国民の要求とは相反する態度に終始しました。また日本の食料自給率が極度に低いのは、「国際化がすすみ輸入品が増えて、日本が豊かになった証拠だ」などと開き直り、参加者の怒りを買いました。 またキャンペーンの代表は、これに先立ち厚生省の西本至生活衛生局長、松原食品保健課長とあい、コーデックス特別部会にのぞむ日本側の態度や厚生省が実施を決めた安全性審査の義務化への要望について交渉しました。
(新聞「農民」2000.3.20付)
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[2000年3月]
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