2000年7月


2000年7月24・31日(合併号)(第458号)

スペースマーク “おいしい本物の牛乳作れ”
「本当の牛乳のおいしさを消費者に届けたい」「乳業メーカーで食中毒なんて、二度と起こさないでほしい」――7月17日、雪印乳業の食中毒事件に関連して、農水省、厚生省、文部省、雪印乳業東京本社に対し、全国食健連、農民連、畜全協が共同して緊急要請と申し入れを行いました。
スペースマーク 除草剤使用増え収量減った
「雑草から開放され、コストダウンになり、収量は増える」「農薬の使用量は減って、環境にやさしい」――こんな夢の技術をうたい文句に、短期間に全米大豆作付面積の6割を占めるまでに広がった遺伝子組み換え除草剤耐性ラウンドアップレディ大豆(RR大豆)。ところが、このRR大豆、実際には宣伝とは逆であるという専門家による本格的な調査結果が相次いで公表され、大きな反響を呼んでいます。
スペースマーク 共同の流れさらに大きく
「輸入農産物の急増に、多様な流通の探求で対抗しよう」――産直運動全国協議会第12回総会が、7月6〜7日、山形県鶴岡市で、35都道府県から147人が参加して開かれました。
スペースマーク 麦価引き上げを
今年産麦の政府買入れ価格をきめる麦価審議会が7月19日開かれ、小麦(銘柄区分II・一等裸価格)で60キログラム当たり前年より69円下げの8,824円、大麦は50キログラム当たり6,334円に、はだか麦60キログラム当たり9,126円と、4年連続で引き下げました。
スペースマーク 歯止めのない農産物輸入・価格暴落とどう戦うか A終わりに
米がこの数年間に一俵5千円〜6千円も値下がりしてしまいました。暴落したのは「豊作のためだ」「米の消費が減ったからだ」と宣伝され、そう思い込んでいる人が少なくありません。しかし、米の暴落は(1)コメ輸入自由化、(2)自主流通米の値幅制限を撤廃し、暴落の歯止めをなくしたことなどに原因があります。
スペースマーク 消費税の大増税出足早く税金学習会ひらく
いまでも消費税で苦しいのに、さらに大増税――7月14日、首相の諮問機関である政府税制調査会(加藤寛会長)は、21世紀初頭の税制のあり方として消費税引き上げを明記した「中期答申」を森首相に提出しました。
スペースマーク 読者が作るページ
新聞「農民」の読者からのおたよりを紹介します。
スペースマーク 涼呼ぶ「朝顔市」
東京下町に夏の到来をつげる恒例の「朝顔市」が台東区入谷鬼子母神前で7月6日から8日まで、同区浅草寺境内では9日から10日まで「ほおずき市」がおこなわれ、下町に本格的な夏がやってきました。
スペースマーク 奥のホット道
●稲と枝豆がすくすくと伸び、メロンはまるまると実り、いま庄内平野はゆたかに青々と輝いている。『庄内のコメ・マメ・メロン・名産品(メ−3品)』
スペースマーク 「すずき産地」の八細工七貧乏
毎年、子どもが夏休みに入るとすぐ、1週間にわたって百姓仕事を放ってしまいます。カミさんの実家である北海道に行くのですが、帰るのはムコさんのほう。この新聞が届くころには、北の大地のパワーをもらって、また1年百姓がんばるぞと、決意も新たにしているところでしょうか。
スペースマーク 「がんばろう」再演
岡部企画によるプロデュース公演「がんばろう―柏木家の人々」(岡部耕大作・演出)は、荒木栄が活躍した三池闘争を背景に、たたかいに連なる人びとの生きざまを描いた作品です。昨年、初演され、演劇の持つエネルギーに満ちた作品として注目されました。

2000年7月17日(第457号)

スペースマーク 野ざらし、病原菌、農薬汚染…
「輸入農産物の恐ろしさを改めて感じた」――6月28日、29日の両日、農民連の小林節夫代表常任委員らとともに、大阪と神戸の港見学をしました。国民的に食の安全を求める声が高まっているなかで、“こんな輸入がまだ続けられている。しかもどんどんひどくなっている。信じがたく、許せない”という思いがこみ上げてきました。
スペースマーク 底なしの暴落に負けず食と農を守る共同の発展をセーフガード発動を
全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)第11回総会が、7月2〜3日、19都道府県、15中央団体から70人が参加して開かれました。今年10周年を迎えた食健連が、さらに飛躍する土台を築く総会になりました。
スペースマーク 外米「買いたくない」が91%
“外米は買いたくない”人が91%で、“買いたいと思う人”はわずか4%――。食糧庁が行った「食糧モニター調査」で、こんな結果が出ていたことがわかりました。この調査は食糧庁がモニターを委託した消費者(全国で1298人)を対象に、昨年9〜10月に実施したもの(公表は今年3月24日)。
スペースマーク 「市民フォーラム2001」主催 東京シンポ開く
「市民やNGOが主張するWTOの問題点は何か」――市民フォーラム2001主催の東京シンポジウムが7月2日、東京で開かれ農民連も協賛しました。
スペースマーク 「安全より効率優先」の体質“氷山の一角だ”
「雪印乳業」大阪工場で6月下旬に製造された「雪印低脂肪乳」と「雪印毎日骨太」「雪印カルパワー」を飲んだ人が、嘔吐や下痢など食中毒を起こしています。発症者は7月6日時点で1万2千人(入院159人)を超え、1948年の食品衛生法施行以来、最悪の規模です。生産農家からは品質を口実に猛烈に買いたたく一方で、安全性を無視して利潤を追求する巨大乳業メーカーの体質が、次々と浮き彫りになっています。
スペースマーク 完熟パイン産直が始まります
「すごく甘くて、今までのパインは何だったのかと思った」「毎年こころ待ちにしています」などなど、食べた人から好評の沖縄完熟パインの出荷が今年も7月下旬から本格的に始まります。
スペースマーク 「ソウル平民1919」を観て
劇団「青年団」は、日本の植民地・朝鮮で支配者側の一員として暮らす日本人の滑稽さを描いた「ソウル市民1919」を富山と東京で公演しました。たまたま「神の国」「国体」の森首相発言が問題となっているときだったので6月に行われた東京での公演を観劇しました。
スペースマーク カーネーション摘み
「うわぁー。こんなにたくさんの花」――6月3日、抱えきれないほどのカーネーションを腕に、うれしい声が、茨城県伊奈町の花づくり農家・安相(あそう)茂さんのハウスにこだましました。

2000年7月10日(第456号)

スペースマーク “おいしい”と話題のパン・うどん安全・本物の味、商品化【うどん】
「まわりは固いけど、中はふっくら」「フランスパンみたいでおいしい」――埼玉県で、自県産小麦を使った学校給食パンの供給が、今年4月から始まりました。県レベルとしては初めて。埼玉農民連も、県や学校給食会との話し合いのたびに要請してきました。一昨年の米に続き、うどん、納豆と、自県産原料を使う一貫したとりくみが、他の都道府県からも注目されています。
スペースマーク 総選挙をふりかえって総選挙 自民農政に厳しい審判
自公保陣営は解散前に比べて65議席も減らしました。とくに、コメ関税化や価格保障廃止を強行した玉沢徳一郎農水相や桜井新自民党農林水産貿易対策委員長らが落選したことは、農民の怒りや不信の大きさを象徴的に示しました。
スペースマーク ズサン工事で土砂崩れ
青森県平賀町の津軽農民組合員・石山さんは、りんご改植事業を活用して傾斜地の畑を平らにする工事を行いましたが、ズサンな設計と工事で土砂崩れの被害を受けました。6月9日、農民組合とともに町役場と交渉した結果、業者の負担で手直し工事が始められています。
スペースマーク さわやか味が人気
いよいよ夏本番。甘夏をはじめ国産オレンジの端境期をめがけてグレープフルーツが大攻勢をかけてくるこの時期に、淡路オレンジ(なるとオレンジ)はとても元気です。
スペースマーク 小学生80人、農家訪ね勉強
愛知県豊橋市の市立東田小学校5年生80人が6月2日、「自然問屋」の紹介で農民連会員の鳥山勇、ますみ夫妻を訪ね、減・無農薬の野菜を栽培し、産直を中心に販売している農業経営について勉強しました。
スペースマーク 薬膳料理の仲間と豆腐作り
愛知県豊橋市に住む消費者の鳥居愛子さん(65)は6月13日、薬膳料理教室の仲間と「豆腐キット」を使って豆腐作りをして喜ばれました。料理教室の仲間には大豆畑トラストへの参加を呼びかけています。
スペースマーク 子どもの健やかな発達を歪める学校給食の現状
「学校給食は食という体験を通じて生きる力の原点を学ばせる場である」という趣旨説明がされて、学校給食法は一九五四年に国会で成立しました。この立場で学校給食の現実を見るとき、いつの時代も時の政治の動きで歪められてきているのです。
スペースマーク 白菜がすきだ
これは朗読ではない/詩でもない/商売の話です

2000年7月3日(第455号)

スペースマーク “わたし農業一年生です”
「農業を始めて、本当に生き甲斐のある道にたどり着いたなって思うんです」――いきいきと語る安田弥生さん、二十二歳。今年三月から新規就農したばかり、なりたてホヤホヤの“農民”一年生です。大きな瞳を輝かせて「私も“農民”だって友達に自慢してるんです」と笑顔が誇らしげです。東京都に近い神奈川県城山町、宅地化が進みつつもまだ緑豊かなこの畑作地域に、「風の畑」と名付けた弥生さんの農場があります。
スペースマーク 農民連がテレビに登場
「大いにものを作ろう」「消費者と手を結んで、日本農業を守ろう」と奮闘する農民連が、マスコミで引っ張りダコです。
スペースマーク 女性パワーでエンドウ出荷
南薩摩では北風が春風に変わる頃、エンドウの出荷が始まります。今年は、昨年の3倍(5トン)のエンドウを出荷し、会員も6人ふえました。60代を最高に、子育て最中の新規就農者もいる女性だけの組織です。
スペースマーク 米の完全輸入自由化を要求
“アメリカ米業界の繁栄は米輸出にかかっている。政府は、WTO農業交渉で世界中の市場にアメリカ米が出回るよう圧力をかけなければならない”――「アメリカ米連合会」がクリントン政権に対し、こんな意見書を出していたことが明らかになりました。
スペースマーク 格段に高いカロリー生産力
“日本は土地が狭く、農業には向かない国だ”とか「日本では、ただでも狭い土地を農業保護という名のもとに非効率に使ってきた……国土の利用という見地から、米作りが将来とも日本に適したものかどうか疑問だ」(永野健日経連会長=当時、94年8月)などと述べて、異常に低い食料自給率を合理化する議論が幅をきかせています。
スペースマーク 10億円かけ“ぬかるみ”作った
5月26日、青森県浪岡町の吉野田地区。1枚1町歩(1ヘクタール)の広い田んぼで、20人ほどが田植えをしていました。膝の上までぬかり、とても田植機が入れるどころではありません。
スペースマーク 不屈の裁判闘争26年ひどい組合への差別の実態
国民本位の税関行政の確立をめざし、コメをはじめ農畜産物の輸入自由化に一貫して反対し、輸入食品の安全問題で港見学の案内など、国民とともに歩んでいる全税関労働組合(全税関)――大蔵省・税関当局の憲法や人間の尊厳を踏みにじる差別・弾圧の攻撃に対して一歩も引かず、「賃金差別裁判」を26年間たたかい続けています。
スペースマーク 京の味今昔
「京の伝統料理」を執筆していただいた岩崎静さんから便りが届きました。岩崎さんは「日本の伝統食を考える会」の会員で、京都市内で昔ながらの伝統のお惣菜とお弁当の店「若竹」を、40年近くにわたって営んでいます。岩崎さんの野菜たっぷりのお弁当は、「お母さんの味だね」と、最近また若い世代のお客さんが増えだしたとのことです。
スペースマーク 若き農民の悩み
「親父の仕事の手伝いだけではつまらない」「自分主体の仕事をしたいけど親父にはかなわない」今年の農民連青年部総会で若き農民の悩みを、ほほえましく、ヒヤヒヤしながら聞いた。
スペースマーク 新潟でお会いしましょう
今年の農民連全国研究・交流集会は、8月23日(水)〜25日(金)の3日間の日程で、新潟県西蒲原郡で開催されます。会議場は吉田町産業会館。宿舎は隣村の弥彦温泉にある「四季の宿みのや」です。
スペースマーク 新聞「農民」の読者からのお便り
読者からのお便りを紹介します。
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